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自然素材は維持管理が大変という誤解

自然素材の家は維持管理が大変そう??というお話をいただくことがあります。

それ、本当なのでしょうか??
ただのイメージではありませんか??

私は健康住宅の設計をはじめて設計事務所勤務を含め約20年になりますが、
自然素材の家の維持管理費よりも一般のお家の維持管理費の方が費用が掛かっているのでは
ないかな?と思うことがあります。

また実際に私のところに相談に来られる方の中には、
●終の棲家としてハウスメーカーで家を建てたが、維持管理費が結構かかるので
建て替えを検討してます、との相談を受けたことがありました。

私が師事していた設計事務所は約30年の設計業務を行っていますが、
その設計事務所で設計したお家が実際に維持管理をした内容を調査した結果

外壁の塗替え1軒
ウッドデッキの補修 数軒
バルコニー補修 数軒
という結果です。

外壁の塗替えは、健康住宅を立ち上げた当初でしたので、外壁材を開発したばかり
で不具合が発生したとのことでした。
外壁材を一度剥がして、新しい自然素材の外壁材で塗り替えた後は、ほぼメンテナンスフリー
との話を聞いています。

ヒノキを使用したウッドデッキやバルコニーでは、雨風にさらされていることに加え
比較的影響の大きい要素が紫外線劣化です。

全体をやり直したというお家はないですが、床材などを一部交換したとのことでした。

イメージしていただけるとわかりやすいかもしれません。

お城の外壁などは補修してますでしょうか?
もちろん補修はしておりますが、その頻度はそれほど多くはないと思いませんか?

それよりも人工建材のお家の場合は
●FRP防水のバルコニーや屋根の場合は、10年に一度、トップコートの塗替え
●屋根材によっては、10年、20年に一度、塗装
●外壁材の場合は、5年に一度シーリング剤の打ち直し、10年に一度の塗替え
●5年に一度シロアリ防蟻施工
などが発生する場合があります。
このあたりはハウスメーカーや工務店に確認してみてください。

何年に一度、どのような保守点検が必要で、その費用はどの程度かかるか?
これはぜひ確認していただきたい項目です。

初期費用、建設費などが安く済んだとしても、数年に一度の維持管理費がどの程度
かかるのか?そのあたりも含めて家づくりは考えていただきたいのです。

なによりも私が気になることは
●FRP防水のトップコートの塗替え
●外壁屋根塗装
などは、化学建材ですので、においがとても強く、数日間は化学物質の影響を
受けることとなります。

またシロアリ防蟻施工で使われる薬剤は
合成ピレスロイド系、ネオニコチノイド系が使われている場合が多いです。
5年に一度、薬剤の暴露にさらされます。

以上のことはあまり考えたことないのではありませんか?

初期費用が2500万円の家、メンテナンス費用がほとんどかからず20年
初期費用が2000万円の家、メンテナンス費用が10年ごとに200万円必要で20年 合計2400万円

こんなに単純な計算ではないと思いますが、このあたりも総合的に判断して家づくりをしていただきたい
と思います。

なによりもその家に住むご家族が化学物質に暴露されないために、
また地球環境に優しい家づくりのために


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