ミシッ…………ミシッ…………ミシミシミシッ……………
みな：おい、何の音や
さあ………(眠たい目をこすり、半身を起こして)
風ちゃうか、
宇宙空間に、風は吹かへんの、初歩やろ、
じゃ、廊下を誰かが歩く音、
こんなとこに廊下があるのか、
誰かが、小さな明かりをつけてすみを見る：あ……ここに置いてある立て札に、なんか書いてある
「個人口座のお振り込みは、毎度大きに気になる黄の、最短量子銀行へ
黄色のランプが点滅すると、彗星のように、コンピューターが処理します」
これやないな、宣伝文句や
その次の札や
「お手洗いに行きたい方は、この廊下をまっすぐ行ってニールヴァーナの手前で右に曲がり、黙想してからお入り下さい」…ニールヴァーナて、なんや
仏教で、涅槃のことや…涅槃より手前で曲がるということは、死んだふりでもすんのかな、
…て、誰や、影が映ってるで
犬が3匹、いるようや
みな：あのお爺が、何やら見張りをつける、言うてくれてたから、きっとそいつやろう
ネコじゃ頼りないから、犬3匹に変えたんかな、
犬……………？？？
一同：……ごくり、…………………
キャアーーーッ！！！！！(謎の叫び声)
みな：逃げろっ、わーわー、バタバタ、そっちじゃないっ、それはトイレ、こっちっ！
玄関、どこや、
駐車場に、玄関て、あるのかいな、ただの柵やろ、
誰や、入り口の柵閉めたの！ 開けやがれ！ギイギイ、
P： わーーっ、もうだめだ、ケルベロスが、い、怒りが、さっき暗がりの道で何か踏んだと思たら、後で靴を見たら、い、犬の毛がついてたんや、
皆：それを早く言え！！
なんで今まで黙ってたんや、
P： だって、い、言ったらみんなに怒られて、追い出されるヤロ、ケルベロスのいる近くで一人でいるなンテ、まっぴらごめんや、とオモウテ………、
みな：このドアホ！ くず！ 自分のことしか考えんと！
それを、社会の迷惑言うんじゃ！
(突如、大きな明かりがつく)
わい：あンたら、何してんの？
皆、面食らって：はれ？……ケ、ケルベロスは？
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