森林政策学研究室の日々

北海道大学農学部森林政策学研究室で行われる活動や研究を紹介します。

「フィールドワークからの国際協力」を読みました

2009-07-09 10:20:03 | 日常
「フィールドワークからの国際協力」(荒木・井上、2009)を読みました。
北大の名誉教授で、うちの研究室の前教授から頂いたものです。

この本の目的は、「現場を一日でも早く体験したいと心がはやる学生や、将来の進路を決めかねて模索する学生を、フィールドワークの世界へといざないたい」ことにあり、学術的というよりは自らの体験を中心に書いた紀行文的な本で、その分非常に読みやすくなっています。失敗談などの個人的な体験も多く書かれており、フィールドワークのだいご味が伝わってきます。

この本を下さった名誉教授としては、若者にどんどん外に、現場に出て欲しい、その為にこれはいい入門書になるだろう、ということのようでした。この本を読み終えた今、確かに学部生や院生にとっていい入門書になると思いました。

その一方で、この本を書いている多くの執筆者が研究交流の一環として海外で調査しており、研究とフィールドワークが両立しやすい環境にあることを羨ましく思ったことも事実です。また、フィールドワークを重視するなら、海外に限らず、国内の中山間地域に住み込んで調査を行ったりすることも、海外での活動とは別の意味で戸惑いや難しさや面白さがあると思います。

その意味では、この本の「学生を、フィールドワークの世界へといざないたい」という目的は、半分ぐらいしか成功していないのではないか、という気がしました。「海外でのフィールドワーク」を念頭に置くならば、この本はどんぴしゃかもしれません。

そういう面はあるにせよ、将来的に海外で活動したいと思う学生にとっては、とても面白い入門書になっていると思います。お勧めです。

カルロ

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