わがままじいさんの日記

日ごろの記録をなんでも書きます。

ガラス窓

2010-06-05 | 
    ガラス窓

 隣の隣の家に
 美しい少女がいた。
 隣の向こう側の家は
 ガラス窓だった。
 窓を開けると
 そのガラス窓に
 隣の隣の家が見えた。

 今日も窓をあけると
 あの少女の影が映っていた。
 少しゆがんで見えた。
 でもやっぱり
 美しい少女しか見えなかった。

 いつの日からか
 自分はひまさえあれば
 窓を開けていた。

 そんな自分を自分で
 どうすることも出来なかった。

               1957,10,31 (19才)

故三上徹吉先生へ

2010-06-04 | 
    故三上徹吉先生へ

 今はなき君の思い出に
 つくねんとひとりかえり見る
 君去るとだれぞ思いか

 在りし日の君ほがらかに
 今もなお生きしが如く
 われは思いひとりこいしき

 君にさられ あとに残りて
 きみ(師)を思う 人ぞたえなん
 君去るとだれぞ思うか

 君の死をききしその時
 夢とのみききしが如く
 今もなをわれはうたがう

 きみ(師)をしたい思いにふけて
 きみ(師)の思い今あらたなり
 君思う人われのみか

 さりしきみ(師)よ やすらかなれと
 今ここにわかるる

                1957,10,31 (19才)


老女

2010-06-03 | 
  老女
 何度もなんどもやり直す
 しわだらけの手が
 針の穴に細い糸を通す

 厚い眼鏡をかけた老女
 そんな老女も
 今はメモリズ(思い出)の一コマとなり果てるとは
 自分はしらなかった

 そんな日を見た様に
 今も記憶をたどってそんな事を思う

                 1957,11,3 (19才)

  

ありし自分

2010-06-02 | 
  ありし自分

 本に目を近づけて
 熱心に
 考えながら読んでいた

 少年があったけ

 本にうずもれていた部屋に 
 一人つくねんと座って  
 目だけが走り
 走り そして歩む
 そんな少年もあっただろう

 もう、みんな昔の事となってしまたっけ
   
                    1957(昭32)年11月2日(19歳)
 
 わがままじいさんの青年時代の記録の「詩集」が出てきましたのでこれから紹介します。