先日、あるコンビニでざるそばを購入した。レジには南アジア系の店員さん。バーコードをスキャンするとルーチンワークのように「温めますか」と聞いてきた。いやいやいや。「これは温めるものではないですよ」というとびっくりして、バーコードの周りの表示を何度も確かめていた。
日本人にとってはざるそばは温めないもの、という暗黙の了解はあるのだが、外国の人にとってみればそんなものはわからない。四角い箱の弁当上のものを持ってきたら「温めますか」とルーチンに入っていてもおかしくない。店員さんも納得したら苦笑いになって「すみません」と流暢な日本語で言ってくれたので、「いっぱいあって覚えきれないですよね」と言って店を出たのだった。
家に向かいながらつらつら考えた。鈴木敏文さん考案のコンビニのビジネスモデルは、安売りしなくていいように利幅の大きいものを利幅の大きいうちに売り切ってしまい、ロスは最小限にするというもの。その大前提としてオペレーションする人に頼っている。いくら発注するのか「仮説検証して考えよ」というのはそれはそれで正しい。それは平均的な日本人がオペレーションすることが暗黙の了解になっている。
しかし、働き手不足の中で外国人の方の手も頼らなければならないとすれば、ビジネスモデルのユニバーサルデザイン化が必要になってくるのだと思う。例えば今回のざるそばを始めとするフードのラベルに、温めをすすめるべきものは赤丸を付けておくとか、共通の意識を持っていない人たちを前提とした物事の進め方が必要になってきたのではないかなと考えたのだった。
同じ日本人でも真夏に「おにぎりあたためますか」と当たり前のように聞かれるほど、地域の文化・習慣の差は大きいのだしね。