お休み前のBLOG。

息抜きの海外旅行にも行けず、特急ひたちで東京と浜通りを行き来する平凡な日々を描くブログです。

今年の正月はタイへ 9.世界の車窓から~タイ国鉄257三等普通列車(後編)

2007-01-01 | たび

 本線と分岐した瞬間から線路はへろへろ、汽車はゆらゆらとローカル線ムード満点だ。スピードはそこそこ出るので、リズミカルに乗客もジャンプする(笑)。小さな駅では、ホームが足りないので、踏切上に停まったり、その踏切も遮断機がなく、列車が来るたびに係員が柵を引き出して交通を遮断していたりする。こういう人は他の時間は何をしているのだろう?バスの車掌といい、やはり人件費のほうが機械代よりも安かったりするのかもしれない。
 車内もだいぶ飽きたというムードが漂う。子供がうろうろ、オジサン居眠り、オバチャンおしゃべり。その風景は日本でも変わらない。隣の熟年三人組は、オジサンはそれなりに楽しそうだが、連れのおばさん二人は「何でこんなのに乗せられたんだろ、早く着かないかな」という顔をしている。そらそうだろう。
 だんだん風景が変わってきた。バナナ畑やサトウキビ畑、湿地帯がだんだん少なくなり、水田が広がってきた。所々にやしの木やバナナの木もあるが、遠くに山並みも見えてきたこともあり、日本の風景にもどこかしら通じるところがある。こんなローカル線にも貨物列車があると見えて、海上コンテナを積んで停まっている列車を発見。ちょっとした貨物駅のようだ。
 定刻の10時20分をやや過ぎたころ、列車は比較的大きな駅に、ゆっくりと到着。このポイント操作も駅員さんが手でやっていて、わざわざ緑の旗振って合図していたりするんだよね。どうやらカンチャナブリーらしいが、どうも自信がない、大勢の人がどやどやと乗ってくる。向かいに停まっている列車を見てびっくり。バンコク~シンガポールを結ぶ豪華列車「イースト&オリエンタルエクスプレス」ではないか。サイドトリップでカンチャナブリー行きがあるとは聞いていたが、それにぶつかるとは。しかし、今みたいな線路を来たとしたら、食堂車は大変だったろうな。

↓豪華列車




 いったん降りて様子を伺う。駅舎側にはその豪華列車が停まっており、駅名が全く見えない。列車は増結するためにいったん機関車が離れて長時間停車の様相だ。ちょうど乗車したところの日本人ツアー客に「カンチャナブリー駅ですよね」と聞くとやや怪訝そうに「そうです」という。ついでなので世間話をする。今日の夜行便で帰国する前に、クワイ川を見に来る予定になっているらしい。カンチャナブリーまではバスで、その後この列車に一駅だけ乗って、クワイ川まで行き、迎えのバスで戻るとのこと。この列車でバンコクから来たというと驚かれた。「若い人はいいね」私も十分中年なんですけどね。
 自分ももう一駅乗ろうかと思ったが、朝飯をまだ食べていなかったので街へ寄ってから向かうことにした。


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