一戸建てと、マンション。
両方、住んだ経験がある。
時期や、場所によって、まったく感想や、住み心地は違ってくる。
幼少期、未婚期、子育て期、脱・子育て期、リタイア期、老後。
田舎か都会か、駅に近いか、遠いか。
まわりの環境にも左右される。
そして、その住居が、持ち家か、賃貸か。
これは、かなり大きい。
広さも、重要なファクターだ。
自分の持ち物でないと、わたしは、まったく愛着を持たない。
どうでもいいのである。
豪華であろうが、ヘボかろうが、どうせ、一時的な暮らし。
その時限り。一時しのぎ。
なので、子育て期においては、借り上げ社宅がいちばん、お気楽だった。
汚し放題。傷み放題。
家具も、婚礼家具は婚家に残し、子育て用にと、べこべこの、吹けば飛ぶような超安モノのものを購入した。
子育てがひと段落したあと、きれいさっぱり、処分した。
子育て中は、床も、家具も、どこもかしこも、子供に、「傷むからダメよ」と言ったことがない。
いちばんユニークだったのは、まわりは農家、その中にぽつんと、借り上げ社宅の一軒家。
近所には、牛舎があり、牛も、も~と鳴く。
公園に行っても、子供など、ひとりもいない。
そんな広々とした土地なのに、なぜか、社宅の目の前には、激近で、隣家が接近していた。
いつも、隣のおばさんと、顔を、家の中からでも合わせる、接近ぶり。
毎年、新しい家族がその社宅に入り、1年後に出て行く。
昔からの地域の住民には入れ替わりがなく、他にさして、なんの娯楽も無い近所のおばさん、おばあさんたちは、
一種の見世物のように、周りから、新人一家を見ていたのではないだろうか。
そうやって手に入れた、ゆったりした子育て終了後の生活・・・・のはずだったが、
男の子の孫が二人もできて、優雅な寝言は言ってられなくなった。
が、やはり、目は、床やら家具やらに行く。
娘は、「おばあちゃんは、孫より家のほうが大事らしいよ」と、ちくり。
せっかく手に入れた宝物、べつの宝物に侵食されそうになっているが、
同じ宝物でも、ジャンルが別なので、バトルしつつ、死守している。