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技術のお話し タイヤ編(9)

2021-02-11 15:45:36 | 暮らし
前回のお話しの続きからです。

「釣合い良さの等級」と「各種回転機械に関して推奨される釣合い良さ等級」は次の通りです。

<釣合い良さの等級>

  
  
<各種回転機械に関して推奨される釣合い良さ等級>

  

例えば、釣合い良さの等級を参考にタイヤ+ホイールAssyの許容残留不釣合いを求めてみます。
    注釈:許容残留不釣合いとは、許容できる最大の残留不釣合い(残留アンバランス)のことです。

タイヤ+ホイールの組付工場で生産される製品では、出荷レベル(不釣合い修正済)での許容残留不釣合いは、
    普通車クラスでは8~10g 以下が一般的です。

    <計算条件>
    タイヤサイズ:215/45R17
    タイヤ外径d = φ634 mm ・・・成長寸法時の最大外径寸法
    タイヤ+ホイールAssy質量m = 22 kg
    回転速度v = 100 km/h ・・・高速ユニフォーミティによる振動を避けるため100 km/hとする
釣合い良さ等級 = G16 ・・・各種回転機械に関して推奨される釣合い良さ等級のロータの種類一例から
「特別要求がある6シリンダ以上のクランク軸系」を選択する
                 既にメーカーの出荷基準に於いて不釣合い修正を完了させている為、
                 釣合い良さ等級G40「自動車用車輪、リム、ホイールセット及び駆動軸」は除外する

    初めに回転速度v (km/h)を回転数n (min^-1)に換算します。
n = 100 x 10^6 / ( 60π x 634 ) = 836.7 ≒ 837 min^-1
    
    タイヤ編(7)でお話しした釣合い良さ= en / 9.55 ・・・②を使い比不釣合いの大きさeを計算します。
    16= ( e x 837 ) / 9.55
    e =0.183≒ 0.19 (mm)・・・比不釣合いの大きさ(偏重心)

    計算した比不釣合いの大きさe (mm) に、タイヤ+ホイールAssy質量 m = 22 kgをgに単位換算し掛けて許容残留不釣合いを求めます。
    0.19 (mm) x 22000 (g) = 4180 gmm・・・許容残留不釣合い
    この値が釣合い良さ等級G16での許容値になります。
    
    ロータの幅が薄い場合(自転車のタイヤ+ホイール、ディスクなど)、4180 gmmは1面修正(静バランス)での許容値となり、
    ロータの幅が厚い場合(自動車のタイヤ+ホイール、高速印刷用ローラなど)は2面修正(動バランス)での許容値となるので、
4180 gmm / 2 =2090 gmm (左右対称)となります。

タイヤ+ホイールAssyの場合は2面修正が基本ですから、
    ハブ穴中心からバランスウェイトを取付ける距離が判れば、
    バランスウェイト取付位置での残留不釣合いの許容値となります。

    例えば、ハブ穴中心からバランスウェイトを取付ける距離が225mm(17in)の場合、
    2090 gmm / 225mm = 9.28 ≒ 9.3 g 以下が許容値となります。

    タイヤ+ホイールの組付工場で生産される製品での許容残留不釣合いは、
    普通車クラスでは8~10g 以下が一般的ですから計算とほぼ一致します。

    最高級車クラスでは残留不釣合いの許容値が5g以下に設定されているものが有り、
    釣合い良さ等級も更に精度の良いG16~G6.3の何れかのランクを想定しているのだと思います。

誤記等ございましたらお知らせ下さい。

今回はここまでです。


    
    

    

    



    

    

    
    


    
コメント
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