小さい頃は絵を描くのが好きだった私。だけれど、
・学校で絵を描くのは嫌い
なぜかって
・色がオカシイって先生もミンナも言うから…
仕方ないじゃン…。
・私は先天的色覚異常=色覚特性=色覚多様性(当時は色盲・色弱と言った)者で、生まれつき「緑が見えにくい目(=先天赤緑色覚異常 全く緑が見えないわけではなく、かなり大雑把な感じ)」なのだから
もうね、
・図画の時間とか美術の時間とか「色を塗れ」ってホントに「憂鬱でたまらない」
どんなに一生懸命描いたとしても、
・色がオカシイんで、という理由で5段階中3以上は取ったことが無い
から、時々ブチ切れて、
・キャンバスに直接絵の具をぶちまけて筆でグチャグチャにして提出
とか、したりしてました。ハイ。
・どうせ、点数的には1とか良くても3なのだから「描いても描かなくても一緒だし…」
予め言っておくと、私が学校に通っていた時は、
・毎年学校で「色覚異常の検査」(石原式色覚異常検査表)
があって、
・先生もミンナも私が色覚異常者ッて事は分かってる、知ってる上で「色がオカシイ」と言う
・今の医学でも色覚異常は治せない
から、
・どーすりゃいーの?
・色を塗らずに線画だけだったら「なんとかクリアできそうな気がするンだけれど、なぁー」
・そもそも絵に点数をつけるのっておかしくない?
近頃、スマホ(スマートフォン)には「カラーフィルタ(iPhoneのiOS15.4.1の場合は"設定"→"アクセシビリティ"→"画面表示とテキストサイズ"→"カラーフィルタ")」という、
・色覚異常を軽減する機能
があるのですが「なんかイマイチ」な印象だったりします。
カラーフィルタ無し
カラーフィルタ有り(私の場合は緑が見えにくいので「緑/赤フィルタ"2型色覚"」を選択)
・カラーフィルタを使えば確かに緑色は見やすくなるが「他の色が変に見える」
ので正直「微妙すぎて使っていない」感じです。
TVの色合いやコントラストの調整も不自然でイマイチな感じ
ちなみに、
・赤が見えにくい→1型色覚
・緑が見えにくい→2型色覚
・青が見えにくい→3型色覚
と呼びます。
人間は目の中に色を感じる「錐体細胞」というのを赤(L,Red)、緑(M,Green)、青(S,Blue)の3種類持っていて、この組み合わせで様々な色を感じています(光の三原色、または、RGBカラーモデルとも言う)。
私の場合は、
・緑(M,Green)の錐体細胞が生まれつき少ないため、普通の人より「緑が見えにくい」
のです。
上記の方法(カラーフィルタや色合い)がなぜイマイチな感じなのかと言うと、
・単純に「緑色(M,Green)」を強くしたり弱くしたりしているだけだから
Photoshop Elements 11でザックリと説明(HSBではなく、分かりやすくRGBで説明)すると、
一言で緑色と言っても「様々な緑」があって、この緑は、
・R(赤)34、G(緑)236、B(青)77で出来ている(Photoshop Elements 11の場合、0が最小、255が最大)
ので、
・単純にG(緑)の値が大きい小さいのではなく、R(赤)やB(青)も少し混じっているため、G(緑)の値だけを大きくしたり小さくしたりしていじると「色がおかしくなる」
他の色も同様で、
黄色はR(赤)229、G(緑)236、B(青)34
紫はR(赤)200、G(緑)34、B(青)236
白はR(赤)255、G(緑)255、B(青)255
黒はR(赤)0、G(緑)0、B(青)0
数値化するとこんな感じです。
私の絵の塗りに対してミンナがオカシイと感じる、カラーフィルタや色合いがイマイチだと思うのは、
・世の中で見えているモノの色が原色の「赤だけ」とか「緑だけ」「青だけ」じゃなくて微妙なたくさんの色の集合体だから
最近では「色覚補正メガネ」というものがあって、これをかけると「ある程度、健常者なみの色が見える」そうです。
原理は上記のiPhoneのカラーフィルタと同じ仕組みなのですが、違うところは、
・その人(色覚異常者)に合うカラーフィルタを作るという点(今まで無かったのが不思議)
私は色覚異常で緑(M,Green)が見えづらいのですが、
・どれくらい緑が見えづらいのか機械で正しく測るのが新しい
・普通のメガネを作る時に「視力を測る」のと一緒
例えば「私が健常者の50%くらいしか緑が見えない」場合、
・赤と青を50%くらいしか通さないフィルタのメガネを作れば「赤50%、緑50%、青50%」と均等に並ぶので健常者と同じ色が見える(ただし、暗くはなるけれど…)
ちょっと欲しいなぁ…と思いつつ、オーダーメイドで、かつ、保険適用外なので、
・10万円くらいするので「ドン引き」
ただ、
・ミンナ(健常者)は世界をどのような色で見ているのか? という好奇心もある
ので「将来、作ってもらうかもしれない」ですね…。
まぁ、なんだかんだ言って、色覚異常であっても図画や美術の授業をのぞけば、
・日常生活でそんなに困る事は無いから「安心してください」
信号機や標識の色はコントラストが強いので容易に判別できるし、何より、
・私は車の免許を持っている
くらいですし。お医者さんとか自衛官とかになるにはチョイとキビシイけれど。
ただ、少し困ることもあって、
・うすい色でデザインされたWebページ
・ゲーム(コンピュータゲーム・ビデオゲーム)
特に、
・ゲームに関しては色覚異常を全く考慮していないというか「なにそれ、オイシイの?」みたいな感じ
私は任天堂の「ゼルダの伝説」というゲームが好きなのですが、
・主人公で操作するリンクの服装が緑色なので「原っぱに入ると"どこまでが葉っぱでどこまでがリンクの服なのか境目が分からない"(溶けたように見える)」「そもそも原っぱが緑色の海とか川みたいな感じにベタッと見える」
・「時のオカリナ」や「ムジュラの仮面」は私にとっては「(視覚的に)ものすごく難しい」ゲームで、一部の謎解きは友人に教えてもらった
・「ロダの実」という緑色のアイテムが見つけられない…(クリアに必要なアイテムではないが)
スマホの「ポケモンGO」に関しては、
・HPのゲージの緑色がうすすぎて、かつ、灰色との組み合わせなので「パット見た目にどれだけ減っているのか」分からない(これに関しては開発元のNianticに何回もお願いしている)
・タマゴの色だけでは種類が分からない(これに関しては最近改善された)
・色違いポケモン? 色が分からないから興味が持てません…
色覚異常は悪いことばかりではなく「たまに」良いこともあって、
・間違い探しが基本的に得意になる
なぜなのか、どういう原理や仕組みなのかが分からないのですが、私は以前、精密機器の工場にいた時に、
・高い確率で部品の挿入ミスを見つけられる
・ミンナが見つけられないミスでも発見できる
もちろん、私が努力して「部品の位置や種類を覚えているから」というのもあるのですが、
・私よりもはるかに古参で何年も勤めている先輩の方々が全然挿入ミスを見つけられないのが不思議だったくらい
私は「色で値を示す抵抗値(カラーコード)は色覚異常なので読めません…」と上司に相談したところ、
「大丈夫、色覚異常はすごいものがあるから!!」
当時は「何がすごい」のか分かりませんでしたが、今では分かっていて、上記の通り「エラーの発見率がすさまじい」ので、
・修正する人や検査の人がヒマになってしまって「納期を余裕で守れるようになった」「仕事をいくつか追加しても問題無くこなせるようになった」
一番良かったと思えるのは、
・色覚異常者の気持ちや痛みが分かること
デザインとか絵とか「色が重要な事ができないのはクヤシイし、努力で何とかなるモノではない」のだから…。