alternativeway

パリ、カフェ、子育て、サードプレイス、
新たな時代を感じるものなどに関して
徒然なるままに自分の想いを綴っています。

2011年05月24日 | フランスへの道



 夢っていったい何のためにあるんだろう
 

 諦めるためにあるんだろうか 

 それとも叶えるためなのか

 それがあるとなんとなく明日に向かえるからなのか


 フランスにはなんだか味わい深い表現が沢山あって
「人生は美しい」とか「人生は大変だ」とか
そんなことをみんなしょっちゅう言っていて
それでもたまに夢をみている。


 「私がいつかもっとお金持ちになったらね
モンソー公園の横のアパルトマンを買うのが夢なの」
(彼女はすでにエッフェル塔のほど近くの高級住宅地に
住んでいる)「もうちょっと稼げるようになったらねえ
やっぱりサンジェルマンデプレは味があって素敵だからね
ここに住めたら素敵だろうねえ 今住んでいるところは
お金持ちが多いけど大事なのは金 って感じであんまり
好きじゃないんだよね」(そうはいっても17区はなかなか素敵)


 そんな風に ちょっとした夢をみたりして
「いつか日本に行きたいなあ 来年だったらいけるかしら」と
そんなことを言ってたり 夢って一体なんなんだろう。


 昨日たまたまちょっとだけ「おくりびと」を観ていたら
主人公が高級なチェロを買ったけど楽団が解散になり
チェロを手放したらなんだか楽になったんだそうな
それで「自分が夢だと信じて来たものは自分を縛っていた
だけかもしれない」というようなことを言っていた。
私はそれがとても日本的な哲学だなあと思わされ
どっちがいいのか 諦めたら気が楽になってまた
違う世界が待ってるのよというものと 追いかけてみるのと
私にはよくわからない。


 
 そんな私は 昨日Paris-Bistroの代表とともに
サンジェルマンデプレの42軒のカフェ、ビストロを
飲み歩くというマラソン
(42キロのかわりに42軒)を
取材させてもらい 憧れのフロールやリップやドゥマゴの前で
猿やらクロマニヨン人の姿に変装した恐ろしい姿の人たちが
楽しそうにビストロを巡り 会話しバカなことをしまくり
踊ったり歌ったりしている姿をずっと見ていて
何だか不思議だったなあ
(また記事を書くので見てください)



 私はその代表とこの仕事のおかげで
今まで遠い世界だったサンジェルマンデプレやらフロールやらが
なんだかちょっと身近になって 最近はお金を一銭も払わずに
そんな素敵な空間にいっておいしいワインをもらったりする
機会がちょっとずつ増えて来て(でも私は2杯が限界なので
昨日は本当に酔っぱらって気持悪くなりました)
こうやって サンジェルマンデプレのカフェに
代表と行かせてもらって 彼の後についてカウンターまで
いってみたり プロコープの中をのぞいたり
いろんな人を紹介してもらったり
昨日はそんなで役40軒のカフェを一緒にうろうろしてた。
最後はもうふらふらになっていたけれど
それでもこんな機会があって(伝説的な
このマラソンが開催されたのは4年ぶりらしい)
そこにちゃんといかせてもらって
久々にカフェの写真をここぞとばかりに撮りまくり
私はとっても嬉しくなった。


 パリはそう きっと勇気と忍耐があったなら
かなり楽しくなるんだな あともちろんフランス語。


 そんな酔っ払いだらけの街を歩きながら
代表と話をしてたら彼はこう言っていた。
「僕はね この雰囲気が本当に好きなんだよね
だって日常でいろんなことがうまくいってなくても
この日ばっかりは忘れられるだろ?」本当にそうだなあと
私は思った。そして彼は「こういうイベントはね
みんなと同じレベルにならないと彼らは口を開いてくれないんだ
水だけ飲んでたらきけない話もいっぱいあるよ だから飲もう」と
プラスチックのコップを片手に彼は一体何杯飲んだのだろう?
カフェをめぐり いろんな人と交流し その記事を書き
美味しいものに触れていられる それが仕事になるのなら
なんて素敵なんだろう 


 夢というのが何なのか どれほどの価値があるものなのか
使命とか何かがあるものなのか 私にはよくわからない
けれども多分こうした経験をさせてもらっていることも
フランス語をがんばっていることも 息子とカフェに行けてることも
みんなかつての私からみたら「夢を叶えた」ということなのだろう
だって息子とパリで笑っていられるなんて
なんだかそれは不思議でならない。


 そうして彼らは言うのだろうか
「大変なこともいっぱいあるし やっぱりいつもお金はない
それでも人生は悪くない?」悪くないんじゃないでしょうか
こんなにもカフェがあって だれかとのコミュニケーションの
可能性も広がって 公園ややたら緑やらお花が溢れているし
お金がなくてもすばらしい光景を目にすることが
けっこうできるし(先日はヴォージュ広場という美しい
石造りの広場の片隅で一人でオペラを歌っている人がいて
めちゃくちゃ美しかったので長いこと聴いてしまいました。)
どうしてパリには いろんなことがこんなに溢れているんだろう
どうしてここの光はこんなにも美しくって
パリのカフェのテラスはまばゆい光を放つのだろう
それはただ 太陽光線が日本と違うだけなのか
他にも理由があるんだろうか
パリジャン達は決して満足することなんてないけれど
それでもここは なんだか素敵な街だなあ と日々思う。

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