真衣歌の心~蛸壺の中で

生きているとあれやこれやあるわねえ

是れ即ち妄想の世界

2021-03-22 09:11:07 | 華流武侠
大体ね、テレビで「新白髪魔女伝」を見始めたのが運のつきで、
1週間に2集ずつしか放映しないので、いらついて
動画に走ってしまった事がある。
ところが、動画は中国語の字幕で、
全然分からん。
急遽、中日辞典を買いこんだものの
『泥棒を捕えて縄をなう』
よりももっとひどい。
縄すらない。
中日辞典なんか、
取りあえずの役にも立たないし、
ネットでの翻訳は超強烈に支離滅裂で、
字幕よりも分かり辛かった。
でもって、
これより、妄想の世界に突入しちまったの。

『何や、何嘘書いてんのや』
って、言われるのが怖さで「コメ欄」消した。

『いいか、悪いか、』
判断してくれなくていいから「いいね欄」消した。

どうせ誰も読みに来ないだろうと、
たかをくくって、開き直ってた。
だから、自分で楽しんで読んで
楽しんで書けばいいんだからって
好き放題に書いていた。
(隠れ里の住人)ブログ  
今はどこかに行っちゃったか不明

もはや、妄想の世界でんなあ。

   天上天下唯我独妄想



猫のセリフ

2021-03-21 11:11:25 | 



    猫なで声で話しかけないで。むしずが走るの。


仮想世界で生きる女

2021-03-01 15:04:03 | ショートストーリ~
昔むかし有る所にひとりの女がいた。
その女は50歳を過ぎて初めてSNSの楽しさに触れた。
SNSと言っても最初はタイピングで打ち込むだけの世界だったが、
最近、アバターが本人に代わり行動する世界が出来たのだ。
「貴女とそっくりのアバターが暮らす世界、
そこで、貴女は会話を楽しみ、いろんな所へ行き・・」
そんなキャッチフレーズとは裏腹に、
「貴女とは似てもに似つかわないアバターが・・・」
その世界で、女は自分を10代の少女に設定し、
10代らしい可愛い少女のアバターを作り、
過ぎた日々を風のように遡りたい思いか、
美少年を追いかけて、その世界に埋没して行った。

現実に、寝たきりでオムツを代えてやらなければならない姑と、
定年間際で老人特有の病気持ちになった夫と、
遅く生まれた子供を抱えて、
女の楽しみは、仮想世界で生きることだけになってしまった。
仮想世界と言っても、課金が付いてまわるのだが、
この女の場合は、
家計が自由になるだけあって、無尽蔵だ。
すでに課金は何十万を越えて、何時か大台に乗り込む勢いだ。
誰にも文句を言われる立場ではないので、
お金は使い放題だった。
時間も使い放題で、
夫と別の部屋で寝起きしている為、
仮想世界での女の行状は、家族は知らなかった。
24時間、パソコンをつけっぱなし状態で、
おまけにスカパーもつけっ放し状態だった。

この世界の少年達と(たまに大人)の交際の果ては、
仮想結婚の連続で、離婚と結婚を繰り返し、
月日は流れていった。
ライバルは、ことごとく卑劣な手段で蹴落とし、
好きな男は、ことごとく我が手に収め、
あまたの家来を従え、この世界の女王になるのが女の夢だった。
その夢の中で生きているうちに、
女は現実を思い知らされてしまったのだ。

それまでの更年期障害が酷く、薬漬けで生きていた現実。
望んでいた第2子ができたのかと有頂天で行った病院で、
閉経を宣告された現実。
それでも女は、今日もパソコンの中へ入って行く。
17歳の女になって。
(今度は中学生になろうかしら・・・)

ヤマアラシの前世

2021-02-28 10:03:17 | ショートストーリ~
大嘘つきのおばあさんが死にました。
生きていた時についた嘘は数知れず
おばあさんのついた嘘で大勢の人が苦しめられていました。
嘘つきと言うより詐欺師でした。
それでも嘘が上手かったので、
警察の厄介からのがれていました。

おばあさんは死ぬと真っ直ぐに地獄に行きました。
鬼がおばあさんの舌を引っこ抜こうとしました。
1枚の舌が抜かれましたが、
おばあさんは、血も涙も出ませんでした。
『まだ舌が有るぞ。』
そういって鬼はおばあさんの2枚目の舌も抜きました。
『まだまだ舌が有るぞ。』
鬼はあきれてせっせとおばあさんの舌を抜きました。

いくら抜いても舌が有るので、
鬼も頑張っておばあさんの舌を抜き続けました。
舌の先はとがっていて刺すように固く、
その舌が山積みになった頃、
おばあさんは紙袋のようにペッタンコになってしまいました。
所々破れ目がありましたが、
口のあとが一番大きく、裂けていました。

『えい、面倒だ。』
と、鬼は、引き抜いた舌の山を
紙袋の裂け目から投げ込んで蓋をしました。
『こいつは、このまま捨ててしまえ。』

おかげで紙袋は此の世に戻ってきましたが、
どこもかしこも袋から舌の先が飛び出していました。
おばあさんは、自分の舌に刺されて
身体中が痛いのですが、どうする事も出来ません。
日が経つにつれて身体が硬くなりました。

今でも痛い痛いと泣きながら山を荒らして走っています。
それが、ヤマアラシの前世です。

あるOLの会話

2021-02-28 09:43:20 | ショートストーリ~
私のお友達は大きい会社の社長令嬢なの。
一人娘でね、短大を卒業した後、お父様の会社に就職したわ。
そして、就職と同時におうちを出てアパートをを借りたの。
自活してみたかったんだって。
そのアパートから自転車通勤を始めたの。
職場の部署は庶務課で、
この会社では部署により着る制服が違うのね。
庶務課、総務課は青い上っ張りで、
営業はベストスーツ、秘書課は制服がないの。
何と言っても秘書課は花形で、女子社員の憧れの部署だそうよ。


庶務課に配属されたお友達は
毎日会社の制服のままで出勤していたの。
彼女は、そこそこの美人だけど、お化粧もせず、
長い髪を黒のゴム輪で一つにしぼっていたわ。
ありふれた苗字だから
会社の誰もが社長令嬢だとは気が付かなかったそうよ。
おとなしい人で、
なんでもきちんとやり遂げる人だったわ。

その彼女が同じ庶務の独身男性とお付き合いするようになったの。
会社ではそれらしい素振りも見せなかったんだけど、
少し離れた喫茶店で二人がいるのを目撃されたらしいわ。
どこまで進んだお付き合いだったか知らないけど、
お付き合いを始めてから半年ぐらいの時
その彼が、電撃結婚しちゃった。
相手は部長さんの娘で、秘書課にいる人だった。

彼は、無神経にも程が有って、結婚式に彼女も招待した。
出席しようかどうしようかさんざん悩んだ末、
彼女は結局彼の結婚式に出席する事にした。

仲人は社長さんご夫婦でした。
社長さんのながーい祝辞が終わって
そのあと、社長さんは一言付け加えた。
『この野郎、わしの可愛い娘を振りやがって…・おめでとう』


あれから彼女は他の会社に移ったわ。
心配していたけど、爽やかに答えたわ。
『あれは、あれで良かったのよ。』