この頃、自閉症者やダウン症者などの、いわゆるアールブリュット、身障者のアートというものの紹介、展示会などが脚光を浴びていて、増えてきている。
常人の成せる業ではないようなアートに接し、そのパワーに圧倒される。
「ヘタな普通の芸術作品なんて、足下にも及ばない!」という人々も多い。
私も、始めのうちは、その様な感想をいだいた。
やがて、偶然にも、自閉症者福祉施設の陶芸課の「指導」を頼まれることになった。
興味もあったので、引き受けた。
自宅から、90キロ位離れた施設ではあったが、都合のつくときに来てくれれば良いとの、弛い要請でもあった為、関わりやすかった。
さて、自閉症者とはどの様なひとたちで、何に気をつければ良いのかも、自分に何が出来るのかも、何も皆目解らないまま、関わることになった。
こんな事は、人生に無いような事だったので、ワクワクしたが、気が付かなかったが、物凄いストレスも抱えることになっていた。
事前に、施設側との打合せや、陶芸課の現場の視察やらをしてから、さて、なにをどうしようかとおもいを巡らせる日々がつづいた。
もちろん、この分野において、先進的な取り組みをしている、滋賀や鹿児島の施設の事例も、実際に見られるものの一部も見たし、調べもした。
しかし、それは、なかなかに難しい課題だった。
悶々としていたある夜、幼い日以来の、失禁をしてしまっていた。
(続く)