3月10日、東京・墨田区横網の東京都慰霊堂において、秋篠宮皇嗣同妃両殿下のご臨席を仰ぎ、「都内戦災並びに関東大震災遭難者春季慰霊大法要」が行われた。

東京都慰霊堂=筆者撮影
法要には、小池百合子東京都知事や遺族の代表など約160人も参列したほか、一般の参列者も多く訪れていた。
一部情報によると、石破茂内閣総理大臣も参列予定だったが、参議院予算委員会の集中審議に出席するため、見合わせとなった。
また、天皇皇后両陛下と愛子内親王殿下も、御所でご黙祷され、東京大空襲で犠牲になった人に改めてお悼みの気持ちを示された。
秋篠宮同妃両殿下は、毎年のように参列されており、午前10時前、東京都慰霊堂に着くと、関係者の挨拶を受け、堂内へと進まれた。

法要に向かわれる秋篠宮同妃両殿下=筆者撮影
開会の辞、読経に続き、都知事らが追悼の辞を述べた。小池都知事は「被災者、ご遺族の皆さまは懸命に立ち上がり、今日の東京を築いてきた。そのことを胸に刻み、持続可能な都市を未来へと引き継いでいく」と述べ、平和への誓いと追悼の言葉を捧げた。
また、石破総理も「悲惨な戦争の記憶と教訓を胸に刻み、世代を超えて継承しなければならない」とのメッセージを寄せた。
その後、焼香が行われ、両殿下は、お一方ずつ位牌の前でご焼香され、手を合わせて亡くなられた方々を慰霊された。

法要に参列された秋篠宮同妃両殿下=筆者撮影
東京都慰霊堂は、大正12年9月1日に発生した関東大震災による遭難者のご遺骨を納めるための霊堂「震災記念堂」として、東京市内(現在の区部)でも特に被害の大きかった陸軍被服廠跡に、震災から7年後の昭和5年に落成した。
その後、東京大空襲で亡くなられた方々のご遺骨も納められ、昭和26年、名称を「東京都慰霊堂」と改め、震災、戦災遭難者合わせて約16万3千体のご遺骨が安置されている。
また、隣接する東京都復興記念館では、大震災や大空襲に関する遺品や資料が展示されている。

東京都復興記念館=筆者撮影
東京都慰霊協会が主催する「都内戦災並びに関東大震災遭難者慰霊大法要」は、東京都慰霊堂において毎年、東京大空襲の3月10日と関東大震災の9月1日に、皇族方のご臨席を仰ぎ、仏式にて執り行われている。
東京23区内にある寛永寺・増上寺・護国寺・池上本門寺・浅草寺の貫首が輪番で大導師を勤め、今年は、増上寺法主の小澤憲珠大僧正が大導師を勤め、念仏が唱えられた。
式典終了後の午前11時からは、慰霊堂内で一般の焼香が受け付けられ、地元町内会による甘酒や裏千家によるお茶の接待も行われた。

地元町内会による甘酒の接待=筆者撮影
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