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バロンの姉アカリも移動動物園だったとは

2016年08月05日 16時45分44秒 | 事件
驚くべき事実が判明したので記すことにした。

天王寺動物園はグラントシマウマ、ヒデヨシと東武動物公園から借り入れ中のナデシコとの間に繁殖を試み、2014年6月19日にバロン♂が生まれた。そして二歳になる前に余剰動物として動物商に譲渡し、そこから愛知県の移動動物園に転売された結果がゴルフ場での水死につながったことは前回までに書いた。

さかのぼって調べてみると、天王寺動物園はバロン誕生の二年前には同じく、ヒデヨシとナデシコの間に、第一子となる姉のアカリ♀を繁殖させていた。

■2012年2月18日バロンの姉アカリの誕生
http://blog.zaq.ne.jp/zoo_tennoji/category/23/2

Photo by 天王寺動物園

■2013年1月7日生後11ヶ月、この時も行く先が公表されず、アカリは譲渡された
http://blog.zaq.ne.jp/zoo_tennoji2/article/162/

Photo by 天王寺動物園

アカリはおとなしくて穏やかな気質らしく、そのために何かのお仕事をするために譲渡され、移動していったと思われることがスタッフの「頑張ってね~」という言葉から推測できた。が、依然行方不明であった。


Photo by 天王寺動物園

しかし、幸運にも縞模様で個体が同定されやすいシマウマのアカリは、ネットの恩恵を受けて見つかったのだ。「あかね」と改名され、2015年12月11日時点で、滋賀県守山市にある個人経営の堀井動物園で飼われていたことが判明した。

大阪から守山の間はブログに書いてあったような長距離移動ではないため、バロンと同じように再び転売されたのではないかと思われる。堀井動物園は移動動物園を運営しており、行き場のなくなった動物たちが多いと聞く。数年前に火事で一度に多くの動物を失いながらも支援を受け、二年くらい前から日本で初めて小さなふれあい動物園「めっちゃさわれる動物園」をショッピングセンター内で常設するようになった。

■アカリ(あかね)の所有者堀井動物園のHP
http://horii-zoo.jp/

■ショッピングモールピエリ守山1階の本格ふれあい動物園「めっちゃさわれる動物園」
http://pieri.sc/floor/

Photo by めっちゃさわれる動物園/堀井動物園

■「めっちゃさわれるシマウマあかねちゃん」
http://meccha-zoo.com/blog/news/429/

■移動動物園でお仕事中のあかねちゃんの動画
「201504シマウマの居る移動動物園1」
https://www.youtube.com/watch?v=-p6X3wwkcLw
「201504シマウマの居る移動動物園2」
https://www.youtube.com/watch?v=rw_Ttmu0VPA
「201504シマウマの居る移動動物園3」
https://www.youtube.com/watch?v=kpSsxE8vTZc


一度ならず二度までもシマウマを余剰させていたとは驚きであり、それもブリーディングローン契約中のナデシコとの繁殖だったとは一体どういうことなのだろう。天王寺動物園は飼えないのなら無責任に動物たちを何度も何度も繁殖しないでほしい。「シマウマの繁殖はブリーディングローン契約内で計画的に行っている」という天王寺動物園のバロン事件の抗議に対する回答はただの言い訳に過ぎないことが、このことからも知ることができた。

また、動物園は赤字経営が多く、天王寺動物園などは経費の半分以上を税金で補てんしているという。それと同時に、年を取りすぎたり増えすぎたりした動物園の余剰動物は、園内のどこかでひっそりと「裏飼い」されるか「安楽死」または「売却」されているという現実を、これら一連の事から知ることとなった。

生きながらえたとしても多くは小さな飼育場や狭いオリの中で生きていかなければならない余剰動物たち。死んでも生きても哀れだ。

動物たちにそんな犠牲を強いてまでして、動物園で楽しみたいと思う人たちがどれだけいるのだろうか。

余剰動物を気にかけることなく出し続け、ブリーディングローン制度までも機能できていないようならば、もう現存の形態様式での動物園は統廃合の形からはじめて、ゆくゆくは廃止していくべきではないだろうか。


バロンの姉アカリ(あかね)ちゃん Photo by 天王寺動物園