命きらめいて☆馬、犬、猫など動物に関する理不尽な事件や心温まる出来事の記録

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半野生シマウマの入手目的

2016年05月26日 15時58分36秒 | 事件
バロンが生まれた状況について考えてみると、部屋や放牧ゾーンを区分けして飼育できた大きな動物園なので、シマウマの雌雄を同居させ繁殖させて、バロンを産ませたのは計画的だったと考えるのは不自然ではない。仮に何かアヤマチの結果だったとしても、スペース的には決して飼育の継続が不可能だったとはどうしても思えない。

せっかく元気に生まれてきたのにもかかわらず、かわいそうなことにバロンは人間の都合で、動物園の余剰動物となってしまった。

前にも書いたように、動物の「販売」ができない天王寺動物園だから、動物商からの注文を受けて繁殖させて経済的な利益を得るということも考えにくい。なぜなら、二歳近くにもなって譲渡しているからだ。人間の子供たちとのふれあい(餌やり)や近距離での展示を目的とするならば、もっと早く母親から離さなくてはならないはずなのだ。

競走馬などの場合は普通、産まれた直後から人とふれあわせ、人に慣れさせる。犬でいうと首輪に当たる無口と呼ばれる頭絡も誕生直後にはめて慣れさせてしまうことが多いとも聞く。そして、一歳前後で母親と離し、離乳させるようだ。当然のことだが、大きくなってからでは人に慣れにくいからだ。

移動直前まで母親や仲間たちの群れと一緒に半野性的に育ち、ほぼ成熟した体を持つがまだ幼いグラントシマウマのバロン。シマウマにしては人なつこい性格だったのではないかと思う。その様子が数々の写真や動画で伺えるが、急激な環境の変化は繊細なシマウマにとっては、かなりのストレスでだったのではないかと思う。適応能力の優れたいわゆる馬とは違って、シマウマはウマ属のウマの系統には属さずロバの系統に属するウマだからである。

シマウマは気が荒いけれど繊細で臆病でその上、人に慣れにくく、調教が入りにくいという。シマウマがもし、容易人に慣れ、使役動物になれたのならば、アフリカの人々はもっと豊かな暮らしを手に入れていたことだろう。

新オーナーがバロンを手に入れた理由といきさつが知りたいものだが、かくまわれているかのように表に出てくることはない。

FBなどから調べると、この新オーナーは脱走当時、爬虫類、鳥類を含む小動物、ヒツジやヤギ、ミニチュアポニーなどの小型の哺乳類しか所有していなかったようだ。瀬戸市内に動物たちを保管する敷地があり、小さなミニチュアポニーがいて、動物たちの入ったケージが無造作に積み重ねられていたと聞いたことがある。販売やふれあいを目的とした移動動物園を手掛けるその動物プロダクションにとって、体高120センチのバロンは初めての大型哺乳類だった可能性が大きい。

移動動物園の動物たちの例
http://www.chunichi-hc.ne.jp/kurokawa/event/info/2014/11/detail.html

(飼い主のガイアプロダクトが移動動物園をしばしば設営していた中日ハウジングセンターはモデルハウスを見学できる某新聞社直営の総合住宅展示場です)

乗馬での引馬をしていたFBの写真には、今回脱走した預託先のクラブ関係者と少し大きめの馬が何度も写っていたので、馬という動物への理解は少なからずあったようだ。しかし、かえってそれが災いしたようにも思う。バロンは取り扱いの難しい半野生のシマウマだということを飼い主は承知の上でのチャレンジだったのだろうか。

飼い主が、ウマの系統ではなくどちらかと言えばロバの系統に属し野生的に育った二歳になろうとするシマウマのバロンをふれあい移動動物園で働かせるために、もしくは転売するために手に入れて、馴致や調教をしようとしなければこの事件は起こらなかったのである。


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