命きらめいて☆馬、犬、猫など動物に関する理不尽な事件や心温まる出来事の記録

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誰がバロンを殺したのか

2016年06月08日 14時40分53秒 | 事件


ゴルフ場を走るバロン
https://www.youtube.com/watch?v=t2G3Keb2WOU

これまで、19時間の逃亡の末に、バロンがなぜ死ななければならなかったのかを考えてきた。自分なりの結論としては、やはり、ショック死しやすく麻酔が難しいシマウマは脱走させた時点で、限りなくアウトだと言えるのではないかということだ。

小柄なのにロバのようにジャンプ力もハンパないが、繊細でショックに弱いシマウマには頑丈な個室や飼育環境を用意しておくべきだった。それが全てなのかもしれないと思う。パニックになりやすく、人馬とも無傷で捕まえるのは非常に難しい動物だからだ。

馬というよりロバに近いという証拠に、鳴き声を聞いてみよう。
馬とは全く違うシマウマの鳴き声0:45から↓
https://www.youtube.com/watch?v=NOmc38WuhVA

これなどはロバによく似ている。0:05から↓
https://www.youtube.com/watch?v=8tG7lCLuiXo

ある記事で動物学者がこう言っている。

===ゴルフ場上空は、報道のヘリが飛び、ものものしい雰囲気。シマウマを捕まえるために多くの警察官や関係者らが出動し取り囲んだ。動物学者の本間敏弘氏は「シマウマは馬とは違い、人に慣れにくく、恐怖から突然、暴れだすことも考えられる。どのくらいの麻酔が必要かのデータも少なく、捕獲は非常に難しい」と話した。(スポニチ2016.3.24)===

とは言っても、バロンは何度も言わせてもらうが、映像でもわかるように常に人から逃げ回っているわけではなかった。最後の方では立ち止まることも多くなり、動きが鈍くなってきていた。最後の吹き矢を打たれなければすぐにでも眠りに落ち、助かった可能性もあったかもしれない。だが、最後の方では刺さりやすい首に打ち込んでいたことから、急激にかつ強力に薬が効いてしまった可能性もあって、7本目の麻酔で助かる道は完全に閉ざされてしまったと思っている。

亡くなるまでの一時間の間にどこで7発撃たれたのか
https://youtu.be/IWR_V-_cZKw?t=398

ということは、朝6時半から4時間以上は追い回していただけなのか?!途中から薬で眠らせる作戦に変更したのだとすると、ますます何を考えていたのか理解に苦しむ。麻酔ではなくトランキライザーという通常馬には使わない鎮静剤を使ったという情報もあるが、真相はわからない。心臓マッサージの途中でバロンの向きを池の向こうのカメラ方面に変えたり、ただの投げ輪状のロープでで捕まえようとしたり、とにかく謎の行動ばかりだ。



このように謎が多い捕獲作戦だが、吹き矢などの指示は年配の土岐市専従、H獣医がやっていたようだ。映像からはマッサージの打ち切りを指示したのは彼だった。結果的には放牧場から逃がした飼い主と乗馬クラブだけではなく、バロンにかかわったすべての人たちが驚くほどいい加減で、勉強不足で準備不足だったということがあの仔の死を招いたのだと言える。

とりわけ、「展示の充実」いわゆる客寄せのために産ませておいて、いらなくなったら簡単に手放す動物園、シマウマを甘く見てもろい柵の放牧場でいきなり飼おうとした飼い主と乗馬クラブ、薬の量も状況も考慮せず吹き矢で打ちまくった獣医師たちの責任はとりわけ重い。言い換えると、シマウマのバロンに対する多くの人間の無責任と無知と無関心が彼の命を奪ったのだ。


Photo by メ~テレ

逃がしてしまう前に誰かが「頑丈な囲いを用意しておいてよ。逃がしてしまったら捕まらないからね。」と新しい飼い主に一言言えたらと悔やまれる。それが言えるのは天王寺動物園と動物商Tだったはずだ。だからこそ、そこにも指導が入ったのだと思う。仮に生き延びたとしても、そんな無理解でいい加減な環境の中で、この先20年以上も事故無く生き続けられたのかは疑問が残る。そのような中で生きることが幸せだと言えるのかどうかも、自分にもわからない。

今言えるのは、人間が産ませて殺してしまったバロンに報いるために、このような事件が二度と起こらないように努めることだと思う。そのためにはまず、動物園の動物たちから恩恵を受けている全ての人たちが、動物園の余剰動物問題についてよく考えてみることが大切ではないだろうか。


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