市川稔の米(マイ)情報

付加価値の見える化

一流ホテルのラウンジでコーヒーを頼めば千円はします。


一方、コンビニで買えば淹れたてコーヒーが百円で買えます。


千円のコーヒーはぼったくりなのでしょうか?


コーヒーの原価とはどういう計算なのでしょうか?


高級ホテルのコーヒーはコーヒーそのものというより「場を提供」している。

高い土地の上に豪華な建物。内装にもお金が掛かっています。

これらの「投資」の見返りで顧客に非日常の「場」を与えている。


珈琲豆の原価だけではないコスト(固定費)が掛かっているわけです。

会計に知識がある人は、原材料費、人件費、償却費、家賃などを含めて「原価計算」したがります。


「原価はいくらか」


固定費を一杯のコーヒーに割掛けしようとするからわからなくなるのです。


こういうのを「全部原価計算方式」といいます。


製造業では原価計算報告書というものがありこの方式が使われることが多い。

結果を一個あたりに割掛けしてもあまり意味がない。

売り値を原価計算から逆算すとどうなるか?


一個いくらの原価が掛かっているから販売単価がそれ以下なら「売れば売るほど損する」という馬鹿げた議論になります。


ならば、製造販売やめたら利益は出るのでしょうか?


あるオートバイメーカーでほんとうにあった話し。


全部原価計算方式を採用していた。たくさん作れば1台あたりの製造コストは計算上下がることになります。
生産計画を立ててせっせと作りました。
計算上は1台あたりのコストはもくろみ通りになります。
気が付いたら在庫の山になっていました。
在庫は貸借対照表では資産に計上します。


だけど、お金にならなければ資金ショートして倒産してしまいます。(実際、倒産寸前まで行きました。)

あくまで、売ってなんぼの世界です。

今でも軽自動車業界ではありますね。(だから未使用の新古車が大量にある)



「固定費」というコストは売上あるなしに関わらず出て行く費用です。


こちらに分かりやすく解説しているので参考にしてください。


週刊ダイヤモンド


会社の従業員が努力して稼ぐ。


売上から変動費を引いたものを付加価値とする。


変動損益計算書といいます。


小生の会社ではずっとこの方式で管理しています。



単価の決め方。


会社の付加価値とは。



固定費と変動費の違いを理解すること。


変動費とは売上に連動する費用のこと。

コーヒーであれば豆代と水でしょうか。

持ち帰りがあれば包装代もそうですね。


人件費、家賃、減価償却費、電気代なども売上に関係なく発生する費用ですね。

これを「固定費」といいます。



会社というのは固定費に投資をして付加価値を稼ぐところです。


「単価」×「数量」=「売上」


言い換えれば、


「客単価」×「客数」=「売上」



数量、客数というのがすごく大事です。



そして、


わが社の付加価値とは何か?



そこのところがしっかりしていないと価格競争に巻き込まれて儲からない世界に。


また、戦略的な価格(プライシング)も決められない。



レッドオーシャンの世界からブルーオーシャンの世界へ舵を切れ。



ひとつひとつ、1社、1社の問題でもあると同時に日本全体の問題でもあります。

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