“色の話いろいろ”

色には意味があり、使い方次第で印象が良くなります。
「イマイチ」が「素敵」に変わります。

ミステリー・ツアー(福岡の川端通り商店街)

2009-05-26 | 日本の美術品めぐり・鑑賞会

前日の天気予報でも高い降水確率で・・・当日、朝の通り雨の影響もあって、キャンセルが相次ぎましたが、日程を変更することもできません。
雨にあまり濡れない、ミステリー・ツアーとするために、急きょ集合場所を変更して決行しました。

江里佐代子さんのこと、御存知ですか?
截金工芸士で、一年半前にイギリスでの展覧会の後、旅先で亡くなりました。
その方の作品が常時展示されているところがあるんです。
仏士・江里康慧氏(ご主人)との合作で、金箔で被った仏像を金粉で被い、さらに佐代子さんの截金が施されたものも展示されています。

それだけではありませんよ。
綺麗さびの13代・小堀宗実(ソウジツ)さんプロデュースの「銀の茶室」もあります。
侘茶を完成させた千利休は、「百を教えて守った後は破って離れて良い」=「守 破 離」と利休百種にあるそうです。
その言葉通りに様々な茶室が造られてきましたが、その中でも最高級品であると言えるのではないでしょうか。
金、銀、プラチナのなかで一番貴重であり、高価格なのがプラチナですから、当然のことながら「金の茶室」よりも高価ということになります。

「金の茶室」と言えば、豊臣秀吉。
“金”と言えば“銀”という思想は、日本古来、仏教伝来と共に陰陽五行説が入っていますから、銀の茶室を造るのは、必然であったといえるのでは?
但し、銀は変色してしまうのが難点。ですから、プラチナを使った「銀色の茶室」です。

行き先は、お仏壇のはせがわ福岡本店(アジア美術館そば)(福岡の川端通り商店街)です。
他にもいろいろ美術工芸品が展示されており、見応えがあります。
“欄間”“漆”も素晴らしいです。

大切なものなので、お店の方が付き添われますが、無理なセールスはありません。
興味のある方は、お出かけくださいね。
 
秀吉の「金の茶室」の色にも、実は意味があります。
それは参加した人と、都合で欠席された会員だけの内緒話にしておきます。


ちなみに、金の茶室の複製も、お仏壇のはせがわ銀座店の「はせがわミュージアム」に展示されているとのことです。
一流の美術工芸の技、ここにあり!!

丁寧にご説明下さったスタッフの方々、有難うございました。


国宝三井寺展へ

2009-05-17 | 日本の美術品めぐり・鑑賞会

一ヶ月前のことですが、先日まで、福岡市博物館に来ていた「国宝三井寺展」へ、日本の色めぐり会で行ってきました。
期待通りに、様々な秘仏が展示されていて、楽しかったです。
不動明王像も、新羅明神像も、一度見たら忘れられない仏像でした。
ただ、訶梨帝母倚像(カリテイモイゾウ)が福岡まで来てくれなかったのは残念でなりません。

参加者の一番人気は、如意輪観音坐像です(女性が多いので)
如意=宝珠。衆生に財宝を与えてくれる仏具。
輪=輪宝。煩悩を破る仏具。
如意輪とはこれを併せ持っっているという意味だそうです。
写真は、如意輪観音坐像の左肩部分です。
一面六臂(イチメンロッピ)の像容なので、この左肩には、3本の腕が矧ぎつけてありますが、その腕の伸び方がごく自然で、異様な造形のはずなのに、バランスの取れた美しい仏像でした。
輪宝を持つ手は凄く華奢で、こどもの手のようにふくよかですよね。
背後に回ってみると、胴体が腰の部分で左に少し傾いています。
またこの腰が細くて、羨ましい。小さな手も、ないものねだりで羨ましい。
お顔は丸顔で優しそうな表情です。
目は閉じているかと思えるほどで、私たちをどうすれば救えるのだろうと、物思いにふけっていらっしゃる雰囲気でした。
この仏像に、またお会いしたいです。

平安時代、鎌倉時代、安土桃山時代のそれぞれの色や造形など、いろいろ特徴がよくわかる展示で、歴史への理解も深まりました。

九州国立博物館で開催されているチベット展の仏像は、動きのある元気な造形。
それに対して日本の仏像は、あまり動かず、静かな雰囲気です。
私の勉強不足かも知れませんが、動きのある神様といえば、風神雷神(俵屋宗達描が有名)それから阿形像・吽形像くらいでしょうか。

今度は一人で滋賀の三井寺まで行きます。

※追記
次回は、ミステリー・ツアーです。ヒントは人々が古代から憧れ続けてきたキラキラしたアレです。
日本の色めぐり会に興味のある人はアメニティカラープロジェクトのHPをご覧ください。⇒こちらから