PCをマルチモニタにして使っている方は多いと思います。
いたっきいがはじめてマルチモニタにしたのは2005年のことでしたが、それ以来、モニタ1つには戻れなくなってしまいました。画面が広いのは本当に便利です。ブラウザを表示し、メーラーも表示しながらWordで原稿を書く…なんていうことも、いちいちタブをクリックして前面に出してくる必要がありませんし、そもそもデスクトップに100個以上のアイコンやフォルダを置いているいたっきいにとっては、これらも自由に配置できるために本当に重宝しています。
ただ、マルチモニタにも欠点があります。
・モニタが2つ必要
・PCに2つ以上の映像出力端子(D-Sub、DVI、HDMIなど)が必要
・広いスペースが必要
・モニタのサイズや色合いなどを揃えないと違和感がある
…こんなところでしょうか。
ちなみにいたっきいのマルチモニタはこんな感じでした。
左:三菱RDT222WM(BK) 右:三菱MDT191S(BK)
一番左にあるのは、センチュリー 液晶ディスプレイ LCD-8000U(Amazon)です。ここにはメーラーや、原稿を書くときにバックミュージックをかける際のプレイリストを表示させています。
つまり、サイズの異なる3つのモニタを使用していました。
そもそも、RDT191VMを単独で使用していたところに、MDT191Sを買い増してマルチモニタにしていたので、その後191VMは退役、左右で画面の大きさが異なることは承知の上で、後継機222WMを導入しました。
しかし写真をご覧になるとおわかりのように、メインの2つのモニタで大きさや色が異なっています。当初は、同じ三菱のモニタだったら色の調整は簡単だろうと安易に考えていたのですが、これが全く合わせられませんでした。明るさやコントラストを整え、ある色を合わせると他の色がズレ、色を合わせていくと明るさがズレ…を繰り返し、正面から見てこれが最良かな?というところで妥協するしかありませんでした。写真は、いつもモニタを見る角度より少しあおり気味に撮ったものですので、実際に正面から見るよりも差が顕著です。
この状態で約3年間使ってきましたが、色の違いや、222WMがノングレア、191Sがグレア(表面が光沢)パネルのために質感も異なっていたため、我慢できなくなって2枚とも買い換えることにしました。
で、悩んだ末に買ったのが、コレ。
サムスン 24型ワイド液晶モニター P2450H (Amazon)
数あるモニタのなかからP2450Hを選んだのは、次の理由です。
・フルHD(1920x1080pixels)はあこがれ
・24インチくらいがベター(それ以上だとデカすぎ)
・動画も見るんだな(=応答速度が速いもの)
・同じ物を2つ買うなら、安価であるに越したことはない
・アームスタンドに取り付けできること(VESAマウント対応、軽量)
・シンプルな外観
・操作メニューは使いやすくないとね
VESAマウント対応という点で、多くのモニタが選から漏れました。Amazonで売れ筋No.1の iiyama 23.6インチワイド液晶ディスプレイ PLB2409HDS もスペックはほぼ同じで、最後まで迷いましたが、店頭で見比べて画質の違いがほとんど分からなかったことに加え、PLB2409HDSでは後述するアームスタンドの制限重量を超えてしまうために、最終的にP2450Hに落ち着きました。 それと、P2450Hの操作ボタンはすべてタッチパネルで、表面が真っ平なのも決め手の一つでした。
アームスタンドは、ドスパラで販売されている Manhattan LCD Monitor Pole 2画面 2軸 に決定。(2010年1月時点 限定20個 4,980円)
アームスタンドは、高さや奥行きなど、目の前の最適な位置にモニタを持ってこられるというほかに、モニタの下がすっきりするために物も置けるというところが気に入っていて、いつかは導入しようと思っていましたが、なんといっても高い!
2画面・2軸のものを普通に探していれば、15,000円以上します。ヨドバシアキバでも見てきましたが、20,000円程度のものが最安値でした。そこにきてドスパラの4980円というのは、半端なく安いといえるでしょう。結局、P2450Hが2つ、アームスタンドが1つで、計約45,000円でした。すごく安いと思うのですが、いたっきいだけ?
では設置です。
まずはアームスタンドを立てます。
棒1本だけだと不安…(主にデスクの強度が)
スタンドにアームを取り付けてからモニタをつけるのは大変そうなので、先にアームとモニタをつけておきます。細かい話ですが、このモニタは梱包を小さくするためか、モニタスタンドがついていない状態で箱に収まっていました。アームスタンドを使う向きには、わざわざ脚を外す必要がないのでありがたい話です。
横幅115cmもある…
そして設置です。
アームにモニタ2つをつけてから、1人でスタンドにアームを入れるのはものすごく大変でした。2人がかりでやれば困難はないでしょうけど。軽量のモニタ(1つ5.5kg)でこの状態ですから、他のモニタだとかなり苦労すると思います。
完成です!
↑新:P2450H×2 ↓旧:RDT222WM+MDT191S
2つの写真は、ほぼ同じ縮尺
一見して分かるのは、まず色の統一感。
同じモニタなので、色合いの調整は全く不要です。明るさとコントラストのみ合わせました。(初期設定だと明るすぎるため)
そして、画面がやはり広いです。
等倍表示させたUS-1の写真でも、翼端の位置が大きく異なっています。Excelを2つの画面いっぱいに開くと、なんと横は「AZ」まで表示されます。
さすがは3840x1080ドット…
そして、モニタの下に空間が出来ました。
今はここに電話機と書類置き、文具ケース、ケータイやeneloopの充電器を並べています。かなりシステマチックなデスクになりました。
さて。
本当に書きたかったのはここからですw
取り外されたRDT222WMとMDT191Sですが、前者はリビングPCのサブモニタに転用、後者はサーバー用モニタに転用されました。
リビングは元々42インチのREGZAをPCのモニタにしていたため、こっちもマルチモニタになってしまいましたw
東芝REGZA(42インチ液晶)+RDT222WM
実に豪華です。
我ながら、やりすぎ感たっぷり。
これはもう、ダメかもわからんね。
画面は Microsoft Flight Simulator X GOLD EDITION (Amazon)で、空母の艦上にいるF/A-18Cのコックピットの様子です。計器板を表示している222WMは、REGZAの手前、約1mのところにあります。
コントロール系は、操縦桿とスロットルが X52 (Amazon)、写真には写っていませんが、足元には Pro Flight Rudder Pedals (Amazon)もあります。この組み合わせは最強で、かなりリアルな操縦感覚が味わえます。これでホーネットを空母に着艦させるときの緊張感といったら、そりゃもう…
左:セスナC182で飛ぶスイスの山間部 右:ホーネット
ちなみに、画面の手前にあるシルバーの箱は、時々ネタに出てくるCF-R3。いまでもピザ注文専用機として第一線にあります。
計器と風景を分け、距離を離すことで、おもしろい効果が出てきました。
画面1つだと、通常はこんな感じ↓なのですが…
Ct. Marrten island の Princess Juliana Airport
この空港のすんごい映像→ youtube1 youtube2 youtube3
画面2枚にすると、目の焦点がズレるのです。
左:計器を見ると景色がボヤけ、風景を見ると計器がボケる:右
(ともに新規導入した50mmf1.8のレンズで撮影)
これは実機を飛ばしていても同じ。
たとえば車を運転していても、景色と計器を見比べる一瞬、焦点を合わせるのに時間がかかりますが、これがそのまま再現されているわけです。航空機の操縦は、肉眼で外の安全を確認しながら、チラチラと計器を見ることが多いので、このときのタイムラグがやたらリアルに感じるようになりました。
なお、前面のHUD(ヘッド・アップ・ディスプレイ)は風景を見たときに焦点が合っていますが、これも実機通り。HUDは遠くに焦点を合わせたまま情報が読めるように、常に無限遠で表示されています。
そんなことよりも、2つの画面でFSXの映像をスムーズに画像表示できるグラフィックカード nVIDIA GeForceGTX285 (GF-GTX285-E1GHW/HD3) の能力の高さにビックリです。いたっきいのPC環境で動画キャプチャしてみると、こんな感じです↓
FSX F/A-18C 着艦(音声なし)
FSX F/A-18C ハードな着艦
FSX F/A-18C 悪天候・夜間着艦
ね、リアルでしょ?
ついでに、FSXの凄さがわかる、笑える映像もご紹介。
場所はサンフランシスコ。シチュエーションは RedBull AirRaceです。
カンタスの747-400がR/W19Lに着陸しようとするのですが、そこには管制塔の「19Rから離陸せよ」の指示を聞き間違えて19Lに侵入してしまったExtra300Sが…
って、ええっ!? ( ̄Σ ̄;
Vectors - an FSX Filmウルトラライト、軽飛行機、戦闘機、大型旅客機、超音速爆撃機がひとつのシチュエーションで飛ぶのも凄いけど、個人的には、XB-70バルキリーがワーグナーのあの曲とともにわが道を征く(よく見ると世界一周してきてますねw)ところとか、オチのセンスとか、ツボにハマりまくりです。
あれ、何の記事だったっけ?
と言い残せし、君が操縦技量、とつ國がPolarisなる誉れを受けりと聞けり・・・
君がみ声 いまよみがえる 仮想空間
とても、読みごたえのある記事で、日本語が読めることをうれしく思った次第です。面白くて、腹を抱えて笑ってしまった部分もありました。「アリはもう、ダメかもわからんね。」と家人は思ったそうです。
ところで、三星がこれから伸びるんでしょうね。世宗大王にも三星がたくさん組み込まれているのでしょうね。
突然ですが、一庵様はどうして「ひとつあん」ですか?
Saitekでしたっけ?
憧れですわー
そのまま突き進んでください。
> これはもう、ダメかもわからんね。
この言葉は、あまり茶化して使うのどうかと思ったのですが、使ってしまいました。ご存じかどうか…JAL123便の機長がコクピットでつぶやいた言葉です。コーパイ、フライトエンジニアが絶句する雰囲気が伝わる痛々しい場面です。
ま、それはともかく。
このリビングの惨状を見た友人は、ここを「シミュレータールーム」と名付けました。言い得て妙だと思いました。しかしFS環境はどこかに移さないと、客人も呼べない状況です。まあ、FS目当てで来る客ばかりなので問題無いのかもしれませんがw
私がサムスンの液晶を選んだのは、最終的には店頭で見比べて国産品と違いがなかったということもあるのですが、他にもいくつか理由があります。実は私は液晶の次に普及するであろう「有機EL」ディスプレイに期待しています。早ければ数年以内には大型の有機ELディスプレイが登場し、液晶は急速にシェアを失います。ならば、今高いお金を出していい液晶を買う必要はないな…と思ったのです。
ご興味があれば、「有機エレクトロルミネッセンス」で検索してみて下さい。
>どうして「ひとつあん」ですか?
特に深い理由はありません。実家の近所に、一庵の名を冠した料理屋(というか、ただの民家)があり、その名を拝借したメーリングリストを12年ほど前に作っていました。その12年前にメーリングリスト上で有機ELにも触れていたのですが、思ったより普及が遅いですね。先見的すぎて?当時は誰もツッコミ入れてくれませんでした。
それはともかく、一庵の名はそこから続いたものです。ちなみに、ネーミングの元になった料理屋はすでにありません。
■Mr.Kさま
立派でしょw
>Saitekでしたっけ?
いまは違うみたいですね。私が買った当時はSaitekでした。これは本当に良くできていますね。
コントロールも敏感で、たとえば緊密な編隊を組むときは、スティックが動くか動かないかというくらい微妙な操作で機体をコントロールできます。(たぶん、そばで見ているだけでは、操縦桿を全く動かしていないように見える)それでいて、「遊び」もしっかりあって、実機に近い感じです。
>そのまま突き進んでください。
ラジャ。
しかし、いたっきぃの引用も茶化しとはとりませんでした。
私も、かの方の操縦技量に深い敬愛の念をもつ者です。ただ、人間の感情は、時に相反する表現をとって現れるものです。アリは確かに、いたっきぃの記事を読んで、あの件の、あの言葉で、だから、笑いました。しかも、腹を抱えて・・・
家人は、しかし、私がなぜ笑ったか、理解していないです。また、私も説明しようとしても、分かってもらえるようには、言葉にできないでしょう。悲痛・絶望の中にも、また、笑いはあります。深い共感や敬愛の気持ちの中にも・・・・・
君ならで誰にか見せむ梅の花 色をも香をもしる人ぞしる
アリは、いつも、一庵が楽しみです。、ご自愛の程、切にお願いします。
さすがです。
あの引用は、知っている人と知らない人で受け取り方が異なりますよね。
あのとき機長は、長年のパイロットとしての経験から、生還が不可能なことは分かっていたはずです。「だめかもわからんね」と言葉を選んだ背景にある様々な感情を思うと、とても切なくなります。
今回のいたっきいも同様。実際には後戻りできないことは承知のうえで、あの言葉を使いました。おそらくあかぃりんごもそこまで読まれたから、笑いにつながったんだと思います。
>家人は、しかし、私がなぜ笑ったか、理解していない
そうでしょう。複雑な感情が絡んで出た言葉ですからね。でも、私の意図する意味合いが曲解なく伝わった人が少なくとも1名いるだけで満足です。
>君ならで誰にか見せむ梅の花 色をも香をもしる人ぞしる
いつも見事な詩ですね。
短歌のことは全く不勉強でうまく表現できませんが、この短い詩のなかにすごく多くの情報が入っていることにいつも驚きます。私は仕事上、たとえば「4月に行うイタリア料理、スペイン料理の食べ放題・飲み放題のディナーフェアを、12文字のキャッチコピーで表現する」などということもやりますが、本当に難しいです。文字数が少なければ少ないほど、考えるのに時間がかかります。
俳句や短歌をスラリと詠める人は本当に尊敬します。