0430起床。
・・・結局2時間ほどしか寝ませんでした。
同じホテルに泊まっている友人書いたmixi日記に、いたっきいがすかさずコメント
をつける・・・などと不毛なことをしていたからです。
0520出発。
宮崎はまだ夜明けの気配すら感じません。
宮崎市内で他のメンバーと合流し、コンビニで食料類を調達し、一路新田原基地
を目指します。
0615現着。
実はこの時間、基地につながる道路は数kmにわたって渋滞しているのですが、
十年来通っているマニアの皆さんは抜け道を心得ており、林の中やあぜ道まで
も駆使してゲートの手前約200mまで接近するのです。
ようやく東の空が濃い青にかわりつつある頃、基地からはF15に搭載されたAPU
(補助動力装置)の甲高い唸りが聞こえはじめ、エンジン始動を伝えてきます。
0630ゲートオープン。
クルマのライトも必要ない明るさになりました。
基地内に入り、仮設駐車場(滑走路より南側一帯が駐車場になる)の、最も滑
走路寄りに駐車します。
ちなみにこの駐車場エリアから滑走路までの距離は、なんと約50m!
この距離は実はF15の全長の3倍もありません。
目と鼻の先で航空機が離着陸するのです。
その轟音たるや、それはもぉ。。。
人生で経験する最も大きい音に順位をつけるとしたら、90式戦車の発砲に次
いで2番目だといえるでしょう。
アフターバーナーの煌き。
機体が通過する瞬間に感じる圧力。
耳元で空気が爆発し、引き裂かれるようなバリバリという音。
鼓膜がビリビリと振動することで耳の奥に感じる、かすかな痒み。
衝撃で鳴り出す、クルマの盗難防止装置(^_^A
・・・あとに残るのは、燃えたJP-5の匂いと、キーンという耳鳴りだけ。
これほどの迫力で戦闘機が見られる駐車場は、世界でもほとんどないでしょう。
しかも一日中順光です。
反対に、滑走路北側の航空祭会場からは、滑走路が遠いうえ逆光になる
のです。
新田原基地が宮崎なんていう最果ての地(失礼)にありながらいたっきiマニア
が殺到するのは、この駐車場があったればこそなのです。
そんなわけで。
待ちに待った新田原基地航空祭が始まりました。
夜明け直後でまだ薄暗いなか、オープニングフライトにむけて所属各飛行隊
の航空機が離陸していきます。
まず上がったのは、第23飛行隊のF-15DJ、第301飛行隊のF-4EJとT-4、
飛行教導隊のF-15DJ。
朝一番から気合が入った離陸を見せてくれます。
まだ薄暗いなか離陸する第23飛行隊のF-15DJ
2基のF100エンジンが、早朝の静寂な大気を震わせる
離陸するアグレッサー(飛行教導隊)のF-15DJイーグル
パイロットが観客に向かって大きく手を振る・・・
航空祭の始まりを感じさせる1シーン
早朝の弱い光を背中に受け離陸するF-15DJ (飛行教導隊)
この角度で戦闘機が見られるのも、新田原基地ならでは
F100エンジン2基の強力な推力は、アフターバーナを使用せ
ずとも20t以上ある重い機体を軽々と持ち上げる
出力全開で離陸する第301飛行隊のF-4EJ改ファントム
イーグルのF100エンジンよりもファントムのJ79エンジンのほ
うが豪快な音がする・・・つまりやかましい(はぁと)
編隊離陸するファントム
ウィングマンは、リーダー機から目を離さずにすべての操作を
行う
異機種編隊飛行する教導隊のF-15DJと301sqのF-4EJ改
午前8時過ぎ。長い航空祭の一日はまだ始まったばかり!
オープニングフライトを終え、着陸した飛行教導隊のイーグル
400mmレンズでこの大きさに撮影できる、すばらしい環境!
まだまだ航空祭は始まったばかりです。
次いで、各飛行隊ごとのフライトが行われます。
まずは飛行教導隊です。
飛行教導隊。別称、アグレッサー。
任務は、全国の戦闘機部隊に対して空中戦の戦法を指導すること。
そのために教官資格を持ったパイロットを揃え、状況によって臨機
応変に戦法を変更するために複座のF-15を運用し、かつ地上から
各機をコントロールするオペレータも凄腕。
航空自衛隊内で最も空中戦に強い部隊といえる。
空中でのお互いの識別性を高めるため、所属する7機のF-15DJに
それぞれ異なる迷彩を施し、垂直尾翼には獲物に襲いかかる白
いコブラが描かれている。
5段階あるアフターバーナを、5段全開にして離陸するF-15DJ
エンジンがあまりにも強力で車輪を収納できる限界速度に一
瞬で達するため、離陸した瞬間に車輪をしまう
強力なエンジンと良好な空力設計のF-15は、このようにロケ
ットのような離陸も可能である
急旋回するF-15DJ
主翼上面が白くなっているのは、高機動により主翼表面から
空気が剥離するために気圧が下がり、空気が膨張して結露
するからである ・・・ヘタな説明だな。
次は第301飛行隊のフライトです。
第301飛行隊。
使用機F-4EJ改ファントムは、30年以上使用されているF-4EJファントムを21
世紀の航空戦にも対処できるよう改良した、能力向上型ファントムである。
強力なセントラルコンピュータ、レーダー、火器管制装置、HUDなど、最新鋭
の戦闘機に勝るとも劣らない電子兵装を持つ同機は、従来のファントムの性
能をはるかに超えた、日本のオリジナル・ファントムである。
このF-4EJ改を装備し、ファントムへの機種転換訓練を行う第301飛行隊は、
全国のファントム・ライダーのふるさとである。
尾翼に描かれる、黄色いマフラーを巻いた黒いカエルは、同部隊が茨城県
百里基地に所属していた頃の名残。筑波山のガマガエル。
パイロットたちがかぶる略帽にも「301SQ」(301飛行隊)ではなく、誇らしげ
に THE FIRST PHANTOM SQ と刺繍されている。
ここにも、日本で最初にファントムが配備された飛行隊であることの誇りと自
負が見え隠れする。
まさに剣呑な雰囲気が漂う古武士の集団といった面持ちである。
離陸に向け、ランウェイ上をタクシーしていくF-4EJ改
F-15に比べ窮屈で視界の悪いコクピットは、F-4の設計の古
さを感じさせる
離陸するファントム改
前脚柱を長く伸ばし機首を上げて、揚力を少しでも多く得よう
としている
模擬対地攻撃を実施するため、緩降下するF-4EJ改
対地攻撃終了後、機首を引き起こし、ジンキング(対空砲火を
避けるための機動)するファントム改
長年使いこまれてきた同機の傷みがよくわかる
ん?右舷エンジンだけパワーが上がってる・・・
駐車場上空を低高度で航過する
低空を高速で飛行するため、カメラで追いかけるのも大変
観客上空で急旋回
主翼端の上反角と尾翼の下反角、そしてグラ
マラスなボディがたまらなく好きだというファン
トム・フリークも多い
主翼上面にベイパー(水蒸気)を発生させ旋回するF-4EJ改
高速で飛行するためのデルタ翼、エリアルールの採用で胴体
中央部が少し絞られたデザイン
・・・60年代の超音速戦闘機の設計思想が良くわかる
着陸し、減速するファントム改
ファントムは着陸制動時にドラッグシュートを使用する
この機体はなぜか後部ベントから燃料を投棄中
ファントムの後席で手を振るパイロット
コクピットから後ろを振り返れば主翼が見渡せるF-15と違い、
ファントムの後方視界はゼロに等しい
ドラッグシュートを開き、フラップをフルダウンにして減速する
ドラッグシュートは着陸時以外にも、たとえばスピンした際の
姿勢回復などにも使用できる
・・・もうおなかいっぱいです。
ファイター・タウン・ニュータと呼ばれているのも納得です。
5年分ほど戦闘機を見ました。
鋼鉄の飛龍たちの狂宴は、まだまだつづく。
最新の画像[もっと見る]
- 地方行脚 (ボーイング787 岡山・広島飛来) 14年前
- 地方行脚 (ボーイング787 岡山・広島飛来) 14年前
- 地方行脚 (ボーイング787 岡山・広島飛来) 14年前
- 地方行脚 (ボーイング787 岡山・広島飛来) 14年前
- 地方行脚 (ボーイング787 岡山・広島飛来) 14年前
- 地方行脚 (ボーイング787 岡山・広島飛来) 14年前
- 地方行脚 (ボーイング787 岡山・広島飛来) 14年前
- 地方行脚 (ボーイング787 岡山・広島飛来) 14年前
- 地方行脚 (ボーイング787 岡山・広島飛来) 14年前
- 地方行脚 (ボーイング787 岡山・広島飛来) 14年前
獣道を利用ですね?流石
しっかし凄いレポートですね。
私もコメントに困ります。
写真に圧倒されました。
こんな間近で良いショットが撮れるのもにゅーたばるの良さなんでしょうね~
とにかくその迫力と、美しさにしびれたままですが、戦闘機が感情をもった生きもののように思え、ますます戦闘機
のファンになってしまいました!
主人がファントム改のファンで感激しています。もう終わってしまったけれど、画家の川端龍子さんの展覧会の広告が鳥が編隊??を組んで飛んでいるものだったのですが、その鳥(種類がわからない・・・)の翼がファントム改に似ているといっていたのですが、本当に特徴がありますね。筑波山のガマガエルってガマの油売りのガマとかですかね??それぞれの飛行隊の絵も見ごたえありそうですね
実際には行っていなくても、自分がその場にいるような気になってしまいました。滑走路から50メートルの世界!考えただけでも、奮えがきます!本当にいろいろな表情を堪能させていただき、説明も詳しくて、すごく勉強もさせていただきました!ありがとうございました!
ブルーインパルスの記事も楽しみにしています~
全部あわせて写真69枚です(;^_^A
新田原航空祭の魅力を少しでもお伝えしたかったので、かなり気合を入れました。
出張に個人のノートを持っていって、ホテルでちまちま書いてましたw
ちなみに、投稿してからもちまちま修正してます。
編隊離陸するファントムの写真が追加されてたり・・・とかw
■仮眠ライダー55さま
・・・なんだか、そこまで褒めていただけると恐縮してしまいます。。。
以前に「機能美」というタイトルで投稿しましたが、ただひとつの目的のため
に作られたモノはやはり美しいと思います。
戦闘機だって、その存在目的は褒められたもんじゃないですが美しいですね。
川端龍子といえば、「南飛図」が有名ですね。
たしかに雁は翼の中ほどから先を上反したり下反したりします。
上反してるときは、なるほどファントム主翼の外翼に似てるかもしれません。
蛇足ですが。
そもそも米海軍のファントムは狭い母艦上で運用するので、外翼を垂直に跳ね
上げて立てることができますが、航空自衛隊のファントムはそのための油圧機
構を外してあります。しかしある小説を読んでいて、空自のファントムが外翼
を展張させる描写がでてきました。マニアはこれだけでこの小説家の評価を変
えてしまうものです。。。
筑波のガマガエルは、ご指摘の通り、そのガマです。
獰猛そうなファントムに、愛嬌のあるカエルの組み合わせがまた不気味です。
各飛行隊の部隊マークはそれぞれいわれがあって面白いです。
第23飛行隊の母隊となった第202飛行隊は、埴輪┌|∵|┘のマークでした。
■ichirouさま
そうなんです。こういうショットが撮れるのがニュータのいいところなんです。
200ミリくらいのレンズで十分です。
70-200IS、借りて撮ってみましたが、このレンズやはりイイ!と思いました。
あーあ、たぶん買っちゃうんだろうなあ・・・
獰猛そうなファントムに、愛嬌のあるカエルの組み合わせがまた不気味です。