11月2日。
2006 "HAUTE VOLTIGE" AEROBATICS JAPAN GRANDPRIX の開催を明日に控えたツインリンクもてぎにやってきました。
無職だし。
平日の、しかもまったくアナウンスもされていないただのサーキット。
それでもマニアな人たちは、「きっと練習しているだろう」という予測のもと見に来ているのでした。
天候は、あいにくの曇り空。。。
この季節は晴天率が高いはずなのですが、アエロバティックスはなぜか毎年、開催期間中に天候が大幅に崩れるのです。
ましてやツインリンクもてぎのある栃木県は、東北地方にリーチがかかった土地。
東京に比べてもかなり寒く、防寒装備は必須です。座布団もあったほうがいいです。(もてぎのショップにも売っています)
しかしその寒さをおぎなって余りあるのが、ここのロケーション。
スタンドからの眺めは相変わらず最高で、練習を終えた各選手が自分よりも低い位置をローパスし、ファンにアピールしていく様子も相変わらず。
スタンド最上段からの眺め
照明灯のところをEXTRA300Sがナイフエッジで飛行中
このイベントでは、アルファ・アビエーションのR22によるエキジビジョンフライトも行われます。
まずはその練習が始まりました。R22が2機、ちょっと面白いことをやっていました。
(見にこられる方のため、詳しい内容は伏せます)
ロビンソンR22
本来アクロに向かないとても非力な機体だが・・・
ひもで何を吊ってる???
ヘリが様々な技を練習しているとき、バスで大勢の小学生が乗り付けてきました。
どうやら遠足のようです。
遠足でやってきた小さなお友達
小さなお友達は、目の前で行われるヘリの演技に夢中で、先生方は統率に苦労されていました。。。
スタンド席で集合写真を撮ろうとしても、「あ!あのへりこぷたーすげえ!」ってなもんで、一向に写真が撮れない(;^_^A
でも「ここでお弁当にします」の一言で、ピタッと騒ぎが収まり、みんなヘリには見向きもせずお弁当を広げてワイワイやり始めました。
子供って面白いなあ。
・・・そして先生方、お疲れ様でした。
続いて、白塗りのSu-31が練習を開始します。
Su-31M
機体の動きから見て、ミハイル・マミストフ選手でしょうか?
ジャイロ系マニューバも入っていますが、基本的にはオーソドックスなスタイルのフライトです。
これこれ!これでんがなぁ!
飛行機が自分と同じ(もしくは下)を飛ぶのがもてぎの素晴らしいところ!
みんないっせいにケータイで写真を撮ろうと四苦八苦します。
つづいて帝王、ユルギス・カイリス選手。
ユルギス選手の練習フライトは、はじめて扱う室谷さんのSu-26MXとのマッチングをはかるべく、最初はおとなしめ。何度も同じ演技を繰り返します。
3回目のカイリス・ホイールはバッチリ決まってました。
いつも室谷さんが飛ばしているスホイが、信じられない動きをします。
スモールループ、コブラ、背面でのコブラ、ナイフエッジ・・・すべてあのSu-31と同じ動きです。
はじめて乗る機体のハンデはすでに見られません。
つくづく、飛行機は飛ばす人次第なんだなあと感心させられます。
練習終了後、ナイフエッジでスタンド前に進入
ファンサービスもいつもどおり旺盛です。
わずか30人ほどしかいない観客に向かって、ナイフエッジを2回も繰り返していました。
やはり今年もユルギスが優勝の最有力候補のようです。
ドイツのクラウス・シュロット選手は、大利根と横浜でピーター・べゼネイ選手が飛ばしたEXTRA330L(HA-PET)でのフライトでした。
最初の例の演技、それ以降の動きは3年前とほとんど同じですが、演技の順番を入れ替えて演技空間を大きく使うようになっていました。
ルフトハンザを定年退職して隠居するかと思いきや、アグレッシブな飛び方は全く変わっていませんでした。
演技後、スタンド前に進入するEXTRA330L
・・・このおっさん、紅の○まっしぐらな気がするのですが・・・
この人も実はとても気さくな人で、向こうから「写真を撮ろう」と声をかけていただいたことがあります。
いたっきいにとってアエロバティックスのパイロットの中では、一番好きな人だったりします。。。
左手を振りながらのナイフエッジ!
コクピットの計器盤中央に、演技の順番を記した紙が貼ってある
次は、2機編隊のマタドールズ(闘牛士)!
マタドールズの演技は、3年前からかなり変わりました。
2機編隊の緊密さは相変わらずですが、編隊を組んだままかなり高いGで動くようになりました。
また単独機での演技はソロ選手並みにテクニカルになり、ジョインナップ(空中集合)は冷や汗をかくほど急接近します。
機体の塗装も変わり、魅せるフライトは大きく進化しました。
バックトゥバック・ループ!
この状態で宙返りですか!( ̄▽ ̄;)!!
いやあ、いいもん見ました。
マタドールズは観客前を何度も低空で通過するので、シャッターチャンスも多いです。
つづいて、もてぎ初参加のマイク・ゴールドマン。
EXTRA300Sなのですが、排気音が他のエクストラとはあきらかに違う。
チューンナップのにおいプンプンします。
ナイフエッジ・スピン!
観客前をローパス
この人はベトナム従軍経験があり、空軍ではかなり腕のたつパイロットでした。
ちなみに爆発したF-4戦闘機からベイルアウトしたこともあるそうです。
マイク・マンゴールドの落書き
次は、数日前に大利根でいたっきいをひき殺しかけたピーター・べゼネイ選手。
彼はここではEXTRA300S(HA-RED)を使用しています。
・・・てか、日本に2機も自分の機体を持ち込んでいたのか・・・
エンジン周りとキャノピーの形状が、EXTRA330Lとの外見上の違い
相変わらずキレのいい飛びっぷりで、やはり優勝候補の一角となることは確実です。
ラダーを激しく使って、テールを左右に振る
動きから、ビクトル・チュマル選手でしょうか?
クラシックスタイルのマニューバに、ときおりジャイロ系マニューバを盛り込み、キレのある演技を見せています。音楽とのマッチングがよく、これも高得点が期待できそうです。
ローパスはなし
だから最後まで誰かわからなかった・・・・
以上で練習フライトは終了です。
各選手ともレベルが高く、今年も目一杯楽しめそうです。
明日以降の正式なイベントが楽しみです。
おまけ
高くてマズいいつもの食事
でもこういうものは雰囲気だから、これはこれでOK!
今年はアエロバティックス関連用品が多く作られている
ジャンパー(9800円)買っちゃった・・・
明日はパイロットに接近してみます。
落書きも子供達へのサービスだったのでしょうか、いずれにしても、楽しませてくれますね~
それにしてもこの迫力、本番が楽しみですね!
マイクの落書きは、日によって少しずつバージョンが違うんです。最終日には納得してしまいました。ほかにも、クラウス、マタドールズはハートを描くなど、それぞれスモークを使って面白いことをやってくれました。
遠足で偶然やってきた子供たちや、観光に来て偶然練習フライトを見かけた人たちには、なんのことだかわけがわからなかったでしょう。目を丸くして見ていましたよ。