『銀河鉄道の父』 門井慶喜
宮古島旅行で読んでました。
映画化されたので、この表紙です。
なかなかの俳優陣ですね。
銀河鉄道と言えば、もちろん宮沢賢治。
その宮沢賢治のお父さん・政次郎から見た賢治を描いた小説です。
賢治のお話や詩は私も好きですし、あの時代に描いたものなのに古くならないのがすごいな〜と思います。
そんな賢治さんですが、相当な変わり者だなとは薄々思っていました。
でも、宮沢賢治を描いた本はもちろん賢治さんの方から見た家族や彼の生き方だから、仏教の宗派で争っていたお父さんねというイメージがありました。
しかし、この本はお父さんの目から見た賢治さんを徹底的に描いていて、あ〜そうだよねと思うことも色々。
いや〜、お父さん大変でしたねと思うのでした。
でもこのお父さんは明治の父にしては深い愛情があり寛容です。
もちろん、厳しいこともあるけれど、子供の事をとても考えている父。
そして、薄幸の妹として描かれがちなトシさんがしっかりした秀才で、素晴らしい文章を書いた人だということもあり、新しい賢治の家族像も描かれています。
この父と家族が無ければ、賢治さんの才能は埋もれたままだったかもしれません。
今までの賢治像を愛している方には抵抗があるかもしれませんが、私は返って賢治さんの違った面や家族を知ることができていいなと思いました。
この視点から宮沢賢治を描いた門井さんは凄いな。
直木賞を受賞しただけのことはあると思いました。
また、賢治さんのお話を再読したくなりました。
