ミケマル的 本の虫な日々

『淀川長治の映画人生』

 『淀川長治の映画人生』 岡田喜一郎著

 淀川さんが亡くなってから10年たったということで、生前に親交のあった岡田氏がその思い出を中心に書いた本です。淀川さんの映画への情熱のすごさが、改めて語られていました。

 私は中学生の頃から、日曜洋画劇場をよく観ていました。その頃の日曜洋画劇場は今と違って、話題作と同じくらい名作映画を多く取り上げていました。今考えると、解説だけでなく淀川さんが選考にも関わっていたのだと思います。
 その頃はDVDはもちろん家庭用ビデオもなかったので、映画館に行く以外には、テレビで見る以外に映画を観る方法はなかったのです。したがって、記憶にある色々な映画の記憶は、ほとんどが淀川さんと一緒に観たということでしょう。

 私の映画の記憶は淀川さんの解説と「さよなら、さよなら、さよなら」ということばとともにありました。そして、彼が亡くなった時には、涙が出ました。なんだか、恩師か大好きなおじさんが死んだような感じでした。私が今、映画が好きなのは、彼のおかげだと思います。

 今では、観たい過去の映画はほとんどがDVDで観られるようになりました。衛星放送では、地味だけどいい映画を放送していることが多いです。でも、多くの人が見られる土曜や日曜の映画劇場でも、もっとよい映画をやって欲しいと思うのは私だけでしょうか。

 淀川さんのような人はもう出てこないかもしれないけど、最近は日本の映画が結構面白いと思う今日この頃です。「映画には人生がある」

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コメント一覧

みけまる
コメントありがとう
 コメントありがとう。
つたないブログですが、また読んでコメントしてね。
 それにしても、今日も山口は35度越えていました。やれやれ
coo
かつて淀川長治さんが「川が流れる様子を見ていると、流れている一滴の水もここには二度と戻らないのだと思えて、足がすくむほど怖くなる」とインタビューで答えていらっしゃいました。
とても印象的だったこの考えが、古文の時間に習ったかの有名な鴨長明『方丈記』の冒頭の文と同じだと気づいたのは、時がたってからでした。
淀川さんはこんなふうに見過ごしてしまいそうになるキラッと光ることを、映画を媒体にして、楽しく優しく教えてくれていたんだなぁと思い当たります。
この本を読んでみたくなりました
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