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ミケマル的 本の虫な日々

『流浪の月』と『正欲』を読みました


 『流浪の月』 凪良ゆう

   

 本屋大賞に選ばれ、映画化もされた話題作。
本屋さんにも並んでいましたが、まだ読んでいませんでした。
凪良さんの原作のドラマ『美しい彼』を見て、ちょっとやられたので、凪良さんの本をやっぱり読んでみようと思って買いました。

 読んだらとても面白くまた、考えさせられるお話でした。
自分の固定した見方でしか他人を見ることができないという事。
常識や価値観や普遍性や一般論や、色々なものが画一的なものの見方にしていくという事。
本当のことは当事者でなくては分からない事。
生き方や幸せを自由に選ぶことの難しさ。
偏見、差別などは自覚的でも無自覚でも、それを無にすることの難しさ。

 色々と考えさせられる小説でした。
その中でも引き込む文章の力を感じ、すぐに読み終わってしまいました。


    


 この後読んだ朝井リョウの『正欲』がまたまたすごい小説で、ぶっ飛んでしまったのですが、これも根本は同じようなものを描いているように思いました。
そして、自分だけが普通であるとか他の人が異常であるとかの線引きなんて何処にも無いのではという根本に帰らされたなかなかの読書体験でした。

 『正欲』の中に、世の中は「明日、死にたくない」ということを大前提として動いていると冒頭にありました。
それはマジョリティーのための考え方、究極のマイノリティーはまるで地球に留学しているように感じるから、その大前提が受け入れられないと。
この題名は、正しい欲ってあるんだろうか?正しく無い欲ってあるんだろうか?という事を読む人に突きつけてくるすごいものだなと読み終わって思いました。

 誰もがサラッと読める小説では無いと思いますが、私は読んで良かったと思います。
朝井リョウさんは『桐島、部活やめるってよ』しか読んでなかったのですが、それからここに行き着く過程を読んでみたいなと改めて思いました。
 
12年も前にブログに感想書いてました。



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