ミケマル的 本の虫な日々

『ゴールドフィンチ』2〜4巻 ノンストップ小説でした


今日はお盆でしたが、例年と違って実家に行く事もままならず。
猛暑の中で外にも出たくないのでオウチ活動してました。

昨日読み終わった『ゴールドフィンチ』はノンストップ小説でした。
読み始めたら止まらない小説をノンストップ小説と勝手に命名してます😉

ゴールドフィンチは1巻をお試しに買って読んだら、すぐに次が読みたくなって2〜4巻を注文してしまった小説。
単行本4巻って結構なお値段ですが、やめられない止まらないということで、仕方ありません。。。。
(2巻目古本を買いましたが、ほとんど新品と変わりませんでした)




 1巻で13歳の時に起こった事件で母を失い、その時に瀕死だった男性に促されて行ったことと母を亡くしたことによって運命に翻弄される主人公のテオ。

 2巻から4巻でもテオの抱える大きなトラウマ、アメリカの暗部、麻薬、マフィア、不安定な精神、人間の酷い所と素晴らしい所などなど、たくさんのものが詰まっています。
それでいて物語はスリリングに展開して、この後どうなるの〜〜?とやめられない。
読み終わったら、は〜〜❗️と、ちょっと魂抜けた感じになりました😅
ドナ・タートさん凄い!
訳者の岡さんも凄い!

 それにしてもこのゴールドフィンチという絵が実在の物であって、描いた画家も数奇な運命だったということを知って、それにもしみじみしました。

日本では「ゴシキヒワ」と言われる絵
カレル・ファブリティウスの作品です。

  

   
2012年に日本に来ていたようです。
上野の美術館で展示されたゴシキヒワとファブリティウスについて詳しく書かれた記事がありました。

 ファブリウスは17世紀オランダ絵画史においては際立った異様な存在感を示す画家で、レンブラントの最も革新的な弟子と言われ、フィルメールをはじめとするデルフト様式を生み出した画家の一人だそうです。
色々と斬新な手法も用いて、特徴的な作品を多く制作したけれど、現在では10点ほどしかその作品が残っていない作家。

 その才能は認められ期待されていたのに、1654年10月12日(月曜日)の午前10時半、デルフトの火薬倉庫の一つが大爆発を起こしたため、32歳のファブリティウスは自宅やアトリエもろとも巻き込まれて亡くなり、デルフト市内に飾られていた作品群も失われてしまったそうです。

 ゴシキヒワは亡くなった年に描かれた作品です。
小さな作品の中に描かれたゴシキヒワは足を繋がれて飼われている鳥ではあるけれど、何か凛とした佇まいで、PC を通してみても何かを訴えかけられるものがあります。

この絵の作者が爆発で死んだこともこの物語との繋がりがあるんだろうなと。
そして、この物語の中で本物とは何か?芸術とは何か?それが私たちに与えるものはなんなのか?という事は、テオの運命と同時にもう一つのテーマとなっています。


 私はあまり美術や芸術に明るくないけれど、昨日見に行った「奇才展」で見た絵の幾つかから説明できない何かを感じたし、心の中の何かが満たされた気持ちがした事は、この本で語られていた事と通じるものがあるのかなと思いました。

 ドナ・タートさんは長編を10年に1作くらいしか書かない寡作の作家さんという事ですが、その作品がみんな評価が高い!
他の著作も読みたくなったので、次は『黙約』にしようかなと思います。
 

 

 


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「本」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事