4月の1冊目は、綿矢りささんの『私をくいとめて』
書店でなんとなく惹かれて買いました。

綿矢さんの本は初めてかもしれません。
芥川賞を取った作家さんなので、難解な感じかなと思ってたのですが、このお話はとても読みやすかった!
綿矢さんによる、今時の恋の話だけれど、何処にでもいそうな女性の日常を描いていて、その日常がなんとも面白い。
私が今の時代に若かったら、こんな事考えるかもと思ったり、いや〜〜違う感じかなと思ったりしながら、楽しく読みました。
一人でいる日常にそれほど不満がないし、自分なりの解決法がちゃんとあって(これが面白いのですが)、大きく変えたくない主人公の気持ちも何と無くわかる。
私はどちらかというと、好奇心が強いから、独身が長かったらもっと色々してたんじゃないかな?なんて思ったりもしたけれど。
また、男女の付き合いが今は多様になっている分、私の若い頃のような単純な時代とは違って、お互いに距離感を図るのが大変なんだなと思いながら、それも興味深かった。
主人公もだけれど、先輩の恋がとっても面白くて、でもこういうのもありだな〜〜って思いました。
だいたい、恋の究極は片思いだ!というのが私の持論なので(笑)
片思いのドキドキした感じが恋の醍醐味であって、お互いに両想いになった瞬間に、そのドキドキ感というか幸福感は日常感になってしまうところが詰まらないな〜なんて思うのです。
(あくまでも、私の持論です)
解説の金原ひとみさんが「好きな人や気になってる人がいるけれど、今の関係を崩したくないって人がこの10年で増えている」という事を書かれていて、そうか〜〜〜、今はみんな繊細になりすぎて、恋にがむしゃらに突入できなのかな?なんて思ったりしました。
しかし、「私をくいとめて」ってくらいだから、もっとはちゃめちゃな感じの主人公なのかしら?と思っていたけれど、全然普通だわ!って思った私が普通でないのかもしれないな〜〜。
あまりネタバレにならないように書いたつもりなので、まとまりのない解説になってしまいましたが、たまには恋の話も良かったです❗️
若い人がこの本を読んでどう思うのか、聞いてみたいな。