『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』 村岡理恵著
著者の村岡理恵さんは、花子さんのお孫さんです。
村岡花子さんは、日本では知らない人はいないと思われる
『赤毛のアン』を初めて翻訳して、世に出した人です。
最近はアニメになったので、
それで知っている方も多いかもしれません。
でも、ちょっと前の少女は、『若草物語』と『赤毛のアン』は、
みんな読んでいましたよね?
私は両方好きだったけど、
『赤毛のアン』はシリーズ全部読みました。
村岡花子さんが訳したってことは知っていたのだけど、
こんなに強い思い入れと、ご苦労とがあったのだと、
感動しました。
なにより、明治生まれの花子さんの生涯が
この時代の向学心と才能を持った女性のならではの、
困難やご苦労、そしてそれを乗り越える努力と屈しない心を
如実に表していて、感動しました。
女性選挙権の話にもあって、
女性が今のように選挙権をはじめ、人間としての権利を得たのは、
たった65年くらい前からで、
それまでの、先輩の女性の方々のご苦労と努力があったのだなと
改めて感じました。
アメリカが日本国憲法を作る時に女性の権利を平等にしたのだけど、
その前から、いろいろな方達ががんばっていたんだなと、
思いました。
そして、花子さんがいなかったら、
そして、カナダ人の婦人宣教師のミス・ショーが『Anne of Green Gables』を
花子さんに託さなかったら、
赤毛のアンを読むことはなかったのだな
と思うと、読ませてくれてありがとうと
感謝の気持ちがわいてきました。
その他にも、『少女パレアナ』『可愛いエミリー』のシリーズなど
小学生の時に読んだお話をたくさん訳していらっしゃいます。
『フランダースの犬』『王子と乞食』『ハックルベリー・フィンの冒険』
『いたずら機関車ちゅうちゅう』なども。
アンを好きな方は、とても興味深いと思いますし、
明治から昭和にかけて生きた女性の伝記としても、
とても興味深く描かれています。
こういうものを読むと、今の私たちの苦労なんて、
全然たいしたことないなと感じます。
いつも思うのですが、
少なくとも女性には、昔のほうがよかったっていうことは
まったくないと思います。
今のような自由な気持ちでいられるのは、
本当にありがたいことだし、
決して昔に帰りたいとは思いませ~~~ん(笑)
ということで、
ひさしぶりに、本の中のアンに会いにいってみようかな
と思った一冊です
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