夏らしく夏を味わう気候ではなかった今夏。
「入り交じる」
今年のキーワードはすべてを解く鍵。
夏の残り香も消え入る9月の終わり。
秋の七草はすでに花散。
そして、鮎食いの技は、一度きりにて候。
天然には釣果預からず、囮は養殖物。
味の違いは歴然。
塩焼きしたら、ヒレをずべて抜き取り、尻尾を落とし、身の上からそっと箸で押さえつけて、頭を持って引きぬく。
文字通りの骨抜きになった鮎をいただきます。
美しき夏の貴公子。
来夏は、やってくるのだろうか。
不安にすらなる気候の怪しさ。