インタビュー
★物乞いもホームレスもいないというブータンとは逆に日本は訪れるたびにホームレスが目立つようになったとは感じられませんか
★ホームレスは共同体や家族の構造変化の中で起きているのだと思います。社会は一つの空間にたまたま一緒に住んでいる人々の集まりではなく。同じ価値観や希望を分かち合う人々の集まりです。そしてその土台は家族であり。次にはコミュニティーが。そして国家があるのではないでしょうか。ところが先進工業国では物質主義や消費万能で。欲望は膨張し競争も激しい。いきおい互いを顧みず。家族のこともおろそかになってしまっているのです。
★親は仕事。子供は勉強とみんな忙しい。家族がそんな状態であれば隣近所とのおつきあいなど到底無理ということになります。
★そうですね。そしてほったらかしの子供はどうなるでしょう。ブータンが進める国民総幸福量GNHは家族や共同体の関係を非常に重視しています。というのも核家族でなく拡大家族であれば親が留守でも祖父母。おじおばたち。あるいはご近所がある。経済的。社会的。さらには精神的支援をすることも可能です。そのような社会になれば見捨てられる子供はなくなります。実際。ブータンでは孤児はいません。たとえ両親が死んでも誰かが世話をするからです。貧しくても文化的に豊かですし。精神の落ち着き。安定があります。ですから自殺率も非常に低い。もちろん教育や保険衛生の充実などブータンにの課題はまだ多くあります。山国で道路が狭いので交通事故が非常に多いのも困りものです。。。産経より