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フィンランド建築・デザイン雑記帳

又しても惨事!「ポルヴォー大聖堂」火事で燃える。


建物両脇の三角形の妻壁のみが残り、屋根が燃え落ちてしまった「ポルヴォー大聖堂」
右のほうに屋根から煙が昇る鐘楼が見える。 
Photo : Quoted from 「Helsingin Sanomat」



フィンランド第2の古都、ポルヴォー(Porvoo)の大聖堂が火災にあったという衝撃的なニュースが入ってきた。
5月29日(月)付けのフィンランドの新聞、ヘルシンギン・サノマット(Helsingin Sanomat)がBreaking News(速報)として、15世紀の建築、「ポルヴォー大聖堂」が火災にあい、大きな被害を出したと報じている。 

外国人観光客にも馴染み深い、フィンランド第2の古都、ポルヴォー(Porvoo)の大聖堂が火災にあったという衝撃的なニュースを5月29日(月)付けのヘルシンキの新聞、ヘルシンギン・サノマット(Helsingin Sanomat)がBreaking News(速報)として報じている。

以下記事の概略・・・・・・・・・・・・・・・
中世の建築「ポルヴォー大聖堂(Porvoo Cathedral)」の上半分(屋根)は月曜日早朝の火事で完全に消失されてしまった。
鎮火した後に残ったのは何世紀もの間ポルヴォーの町を見続けてきた、黒く変わり果てた垂直な妻壁だけであった。
今朝の消防隊の発表によると、厚さ30cmのヴォールト天井は、破損せず、大聖堂内部の損傷も軽微な程度であるという。
消防隊は、内部の貴重な文化財などを外に運び出したが、煙や熱による損傷が心配されると述べている。
火災の最初の通報は、29日(月)の深夜午前2時9分、そばを通りがかったタクシー運転手により消防署にもたらされた。
消防車が現場に到着するまでに、教会の屋根の大部分は落ちてしまっていたという。
消防隊は隣接する多くの木造建築への延焼防止と文化財の損傷防止に最大限の努力をした。
今回の火災では、21の消防署からおよそ80人の消防隊員が出動し、消火にあたった。
内部のシャンデリアは落下してしまったが、他のインテリアは驚くほど無傷でよい状態を保っていると言う。
しかし、屋外では大聖堂の高い屋根とヴォールト天井から上の全ての木造架構が完全に焼失されてしまった。
木造の架構を失った両脇の切妻壁は非常に不安定で、風の力だけでも崩壊してしまうような危険な状態にある。
警察は、火事の原因を調査中で、出火元は屋外と想定されるが、放火であるかの言及は避けている。
教会内部に火災報知器(煙感知器)があるが、外部のビデオ監視カメラは設けられていない。
火災で負傷者などが一人も出なかったのは不幸中の幸いであった。
今回の火災は、フィンランドの建築歴史遺産に対して大きな損失である事は勿論であるが、教区センターは200以上の結婚式の予約を抱えており、今後の対応に追われることだろう。

以上、記事の概略・・・・・・・・・・・・・・・・
 



写真1: 屋根が完全に燃え落ちてしまった「ポルヴォー大聖堂」
両側の切妻壁のみが見える。
Photos:Quoted from 「YLE News」





写真2: 消火中の「ポルヴォー大聖堂」
消防隊の消火は、水による文化財の損傷防止に最大限の注意を払ったという。
また、妻壁やヴォールト天井が放水の水圧で崩壊する恐れがあったため、消火には泡を用いた。この方法は大成功だったとの事。





写真3: 大聖堂入り口部分の様子。




写真4: 屋根、小屋裏の木造架構は完全に燃えてしまった。
Photos:Quoted from 「YLE News」




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「ポルヴォー大聖堂(Porvoo Cathedral)
ヘルシンキの北東、バスで40分ほど(52km)のところにある、フィンランド第2の古都ポルヴォーの大聖堂は15世紀(1418年)に建てられた。
石造りと木造の組み合わせの美しい教会は、時代の流れに翻弄された歴史も持つ。
最も古い部分は13世紀に作られたが、大部分は1400年代初頭の建設で、戦争による破壊、修復を繰り返し現在に至っている。
教会内部のパイプオルガンや説教台などは1700年代のものである。
教会はフィンランドの文化的、歴史的な要所で、フィンランドで最もよく知られた歴史的文化財である。
小高い丘の上にある大聖堂は、ポルヴォーのランドマークとして親しまれ"Everyone who visits Porvoo, visits the cathedral,"と言われている。




写真5: 「ポルヴォー大聖堂」




写真6: 「ポルヴォー大聖堂」内部
今回の火事では、厚さ30cmのヴォールト天井が内部を守り、重大な損傷に至らなかったのは、不幸中の幸いである。





写真7: ココで結婚式を挙げることはフィンランド女性の夢だとか・・・・
ご存知F1レーサーの元世界チャンピオン、ミカ・ハッキネン(Mika Häkkinen)が1998年に結婚式を挙げたのもこの大聖堂。玄関正面での記念写真は多くの雑誌の表紙を飾った。
Photos : Quoted from 「Helsingin Sanomat」




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