今週、水曜日から既に大聖堂の修復作業が始まっている。
ヴォールト天井の外側の損傷具合を調べる、修復担当者達。
左側に巨大な三角形の焼け残った妻壁が見える。
今週、月曜日早朝に起こった「ポルヴォー大聖堂」の火災、友人から火災の原因は何だったの? 修復は?などと聞かれる。 次は、明るい話題を!と思ったが「ポルヴォー大聖堂火災、続報」である。火災の原因は、やはり放火であるという。
月曜日早朝の火災鎮火後からポルヴォー警察と消防は、火災原因の究明に全力を上げたと、その後の様子をフィンランドの新聞「ヘルシンギン・サノマット(Helsingin Sanomat)」が伝えている。
写真1: 火災から1日たった大聖堂の様子。
火事により、屋根、小屋裏の木造架構は、完全に焼失してしまった。
以下 新聞記事の概略・・・・・・・・・・・・・・・・・
3人の若者が「ポルヴォー大聖堂」の放火を認めた。
修復作業は現場検証終了と共に開始された。
ポルヴォー警察は、月曜日早朝の「ポルヴォー大聖堂」の火災に関し、18才から20才の若者3人(男2人と女1人)を”放火"の容疑で逮捕した。
その後の警察の調べに対して、3人は放火を認めた。
逮捕された容疑者3人は、ポルヴォー地区の住人で、特にこれといった前科は無いという。
放火の動機は今だ不明であり、彼らは反教会思想を持っている者でもなく、その動機については引き続き調査中との事。
しかし、彼らが犯行に及んだとき、彼らは酔った状態で、放火には可燃性の液体が使用されたと警察は述べている。
教会自体の修復作業は、水曜日から始められた。
修復は、まずヴォールト天井の上にキャンバスの覆いをし、雨などから家具やインテリア、絵画を守ることから始められる。
修復担当のマルッテイ・ヨキネン(Martti Jokinen、文化庁の主任建築家)は、まずは屋根、小屋裏架構の焼け跡の調査をし記録を撮り、修復へのプログラム立案が今日から始まったと述べている。
以上 新聞記事の概要・・・・・・・・・・・・・・・・
写真2: 大規模な火災にもかかわらず元の状態を保ったヴォールト天井。
30cmの厚さのあるヴォールト天井は、火災から15世紀の室内、家具、絵画などを守った。
Photos : Quoted from 「Helsingin Sanomat」
フィンランドの歴史的建造物が、又しても「放火」で被害にあった。
5月始めに、ヘルシンキの旧鉄道貨物倉庫(解体が決まっていたとは言え、1800年代後半の歴史的建造物であった)、2週間ほど前にパイミオの教会(1700年代)が不審火で火災にあっている。
フィンランドでは、青少年に向けた環境や建築、歴史遺産などの大切さを教える教育が盛んで、小中学校をはじめ、社会活動など様々な場面での啓蒙活動が行われているという。
このようなことを知ると、最近の若者による歴史遺産への放火事件に大きな疑問と違和感を感じた。
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