建築やデザインの話題ではないが、今回は 「昭和の思いで・備忘録」。
フィンランド語の思い出。
昔の本を整理していて、懐かしい本が出てきた。
種田輝豊氏の「20ヵ国語ペラペラ」
実業之日本社 昭和44年(1969年)
「 20か国語ペラペラ」という本は、まだパソコンやインターネットが普及していない時代、あらゆる方法を駆使して30歳で「20カ国語」をマスターしたという種田輝豊氏の青春記である。
種田氏がマスターした外国語は、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、スウェーデン語、ノルウェー語、アイスランド語、フィンランド語、デンマーク語、ロシア語、ペルシャ語、ラテン語、オランダ語、チェコ語、ルーマニア語、アラビア語、トルコ語、北京語、広東語、朝鮮語、インドネシア語など・・・20か国語に及ぶという。
当時は外国語を習得するための教材や書籍も限られていた。
種田氏は自分の習得したい言語について情熱を持ち、様々な工夫をして言語習得に取り組んでいったという。 この本には、色々な外国語を学んでいく上で体験したエピソードや習得へのテクニックなどが収められている。
1970年代、外国への渡航に夢を膨らませ、外国語を学んでいた、僕の友人たちに大きな刺激を与えていた、思い出の本である。
本の後半にある「体験的速修術28項」には、外国語習得の28の秘訣が紹介されている。
どれも現代でも有効な方法ばかりで、外国語に興味がある人には参考になるであろう。
本の中の「アラビア語」のページに、
「いつからの習慣か覚えていないが、手帳のメモは全部アラビア語で書いている」という文がある。
殆どの日本人には、まったく馴染みのない、あのアラビア文字である。 この文が何ともかっこ良く、触発されて思いついたメモが、そのページに挟んであった。
当時、僕は妙案と一人、悦に入っていたのが「秘密の数字をメモしておく、フィンランド語の活用法」である。
「3,4,0,1」と書いてあるのを見て何の事かがわかるのは、ほぼ全世界の人々。
つまり約40億人。
「サン、ヨン、ゼロ、イチ」と書けば日本語のできる1億数千万人の人。
「kolme, nelja, nolla, yksi」とすれば、フィンランド語の理解できるフィンランド人、約500万人の人。
そこで、「コルメ、ネルヤ、ノッラ、イクシ」とカタカナで書けば、日本語が理解でき、かつフィンランド語も理解できなくては何のことか分からない。
理解できる人が、何人いるか?! ここがミソ なのです !
これを、どこかに書いておいて秘密の数字のメモとして使うのです。
例えば、マネーカードの暗証番号やパスワードの数字など、忘れてしまっては困る数字など・・・。
現在では「Google 翻訳」などの翻訳サイトで、入力すれば簡単に種が開かされてしまいそうですね。
残念ながらこの方法は、もう有効ではないと思う。
「20ヵ国語ペラペラ」は、長い間、絶版になっていたが2022年に「ちくま文庫」で復刊された。
外国語に興味のある方々には、お勧めの1冊である。
「20ヵ国語ペラペラ ――私の外国語学習法」 復刊 880円
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