Jahkingのエサ箱猟盤日記

日々これ猟盤 エサ箱漁りの毎日....。

Hickory Wind

2008年11月20日 | Psychedelic,Garage-Punk
1,same/Hickory Wind (Beatball) 1CD 1,890円
「Hickory Wind」って云えば、フツー思い起こすのがバーズの「ロデオの恋人」に収められたGram Parsonsと Bob Buchanon共作した今やカントリー・クラシックとなっているあの曲を思い出すでしょう。カントリー~SSWファンの方なら70年代半ばにAdelphからアルバムを出していたバンドを思い起こすかも知れません。

が 今回入手の「Hickory Wind」は、1969年制作の自主制作盤がこれまたですがレココレ02年7月号サイケ特集の巻頭カラーグラビアに堂々掲載されていたバンドです。

先ず目を引くのがこの素朴というかヘタというかある意味大胆なジャケット。上記レココレの特集号の中でも一際印象に残る一枚でした。
いざ聴いてみると1曲だけくぐもったファズ・ギターがうなるサイケ曲はあるものの、全体的にはディランを想起する曲があったりリード・ギターがカントリー・リック連発の曲があったりと、結構普通のシンプルなフォーク・ロックでした。

で これが面白く無いかというと何度か聴くうちにジワジワと効いてきます、この自主盤ならではの素朴さが。そしてなにより曲がいいのです。

そのレココレのレビューに、後にB.F.Trickeと名乗り録音も残しているとありますが、本CDにはその名義での4曲も収められています、執念の発掘ですね。本盤の発売は韓国のBeatballからでこの手の自主盤レア盤再発専門の米Void Recordsからのライセンス生産。

67年くらいから70年代頭くらいに制作されたこの手のサイケデリックの文脈で発掘される自主制作盤(だけじゃないですが)を聴いていつも思うのは、サイケといっても「天然サイケ」なんですね、演っている本人達はサイケだなんだなんてまったく意識していないという意味で。正に時代の音。

本盤はともかくも、この時代の音盤をこうなんでもかんでもサイケ/アシッドで括ってしまう最近の再発状況はなんだかなぁという思いも一方であったりします、マイナー・コードの暗い曲をアコギで囁けばアシッド・フォーク、ちょっとでもファズ・ギターが鳴ってチープなオルガンが鳴りゃーサイケかと。バイヤーさんにとっては格好/必殺のセールス・トークなんですけど、ちと踊らせ過ぎではないかなぁ。

まぁ、サイケがどうのは別にしてこの時代のサウンドが好きな者にとっては埋もれていた音盤の復刻が進んで結構なことではあるのですが。

なんて、どうでもいいことをチラッと思ってしまったのですが、本来カテゴリー分け/レッテル貼りなんぞは自分が勝手にやりゃーいいわけですね。


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2 コメント

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自主制作盤まで手を出す余裕がないので (通りすがり)
2008-11-20 22:57:41
Bo Grumpus : Before the War
http://www.amazon.co.jp/Before-War-Bo-Grumpus/dp/B0018F0JKC/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=music&qid=1227189112&sr=1-1
先日、かつて、farout レーベル(覚え違いかも!?) から出ていたものが、
Wounded Bird から多少安価でリリースされたので購入しました。

メジャーものでも、まだまだ発掘、リリースして欲しいものが沢山ありそうです。
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Bo Grumpus (Jahking@管理人)
2008-11-22 09:57:54
フェリックス・パッパラルディ関連の後のジョリバー・アーカンソーを含めてマウンテンのルーツ的なバンドでしたね。「ナンタケット・スレイライド」で演っていた"Travelling in the Dark"の初演が入っていました。
とかいいつつも、これを入手したウン十年前にはそんなことはツユ知らず、エディ・モットーがいたバンドとかいってSSWの流れで買ったものでした。時が流れると聴き方も変わったりするわけで。
本盤も「天然サイケ」盤ですね。
久し振りに聴きたくなってきました。
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