same / Rod Taylor (Asylum) 1973
イーグルスやジャクソン・ブラウンのファースト・アルバム等アサイラム・レーベルの初期作品は日本では当初は東芝から発売されていました、このロッド・テイラーのデビュー盤との出会いはその東芝盤の中古でしたので75年頃だったか。同じ東芝盤で云うと豪華見開きジャケで出ていたイーグルスのファーストは一発で気に入ってのですが、このロッドさん盤は渋すぎて全然ピンと来ず、ほとんど聴かぬままに手放しておりました。
その後アサイラムがワーナー・パイオニアに権利が移るのですが、はて、このロッド盤は出ていたのでしょうか? そんなこんなで店頭で本盤を見かけることもほぼ無く(あってもソコソコの値が付いていたような)忘れかけていた頃、名盤探検隊なるCDシリーズでリリースされ(1998年)、それを店頭で聴いてあらら....いいじゃんと。が、これを買うも当時SSW系とは遠く離れていてこれもほぼ聴かずいつの間にか手元を離れる。ちょうどこの頃から音楽系の個人HPやらブログやらが出現してきてこのCD化がキッカケだったのかどうか、本盤への絶賛の声が聞こえてくるように。
と、いつもの戯言を長々と書いてしまいました。そんなこんなで先日かつて買った名盤探検隊のCDを600円という価格で見つけ、オーッ、久し振りだのぉ、とか独り言をブツブツ云いつつ買ってまいりました。
ということで、聴くのは20数年振り、いやぁ、あらためてこれがいーのです、やっぱり。ロッド・テイラーの極渋の歌声をジェシ・ディヴィス、ライ・クーダー、リー・スクラー、ラス・カンケル、ラリー・ネクテル、ビル・ペイン、スティーブ・ファーガソン、ジム・ホーン、デヴィッド・ラフレイムにボニー・ブラムレット、ジュディ・コリンズ等々当時のLAオールスターズのバッキング。この凄腕たちを上手くまとめ上げて、同じアサイラムでもウエストコーストコーストサウンドと云われたイーグルスのような明るく大らかで突き抜けた音とは異なるロッド・テイラーならではのサウンド作り上げています。南部風味漂う中カントリーやブルースまでルーツミュージックに根差したロッドのオリジナル曲は捨て曲無しの素敵なメロディを持っていて、先に書いた参加アーティストの妙技と相俟って1曲1曲が実に聴きどころ多しという贅沢さ。あの時代の数あるSSW物の中でも出色の今更ながら素晴らしい一枚でした。
Rod Taylor - Rod Taylor [Full Album] (1973)
勿論、以来愛聴盤です。正直、しょっちゅうターンテーブルにのる盤ではないですが、聴くたびに聞きほれます。SSWと聞いて頭に浮かぶ一枚です。
近年の音を敷き詰めたり、コンプレッサーで前面に出した音楽は個人的には疲れてしまいますので、隙間だらけのこんな音楽が癒されます。オヤジだ、オヤジだ。
高くなかったですか?
SSW系の相場って殆ど知らないのですが、珍しい盤なのですか?SWW系って時々、とんでもない価格のもありますよね。
前のTHIS IS SOUL 熱い想いでもお分かりかと思いますが、3000円ですら、「思い切らないと」出せないぐらいです。
聴いていたあの頃の音楽(60枚位残し処分してしまった)が、また聴きたくなり見つけると、迷いながらも(笑)買ってしまいます。迷うのは値段と今更聴いても!ですが、安ければ買っちゃうかな。
>迷うのは値段と今更聴いても!ですが、安ければ買っちゃう...
これはすごく良く分かります、今更聴いても!という思い。でも、いざ聴けば凄くやっぱり良くて、ほんのちょっとだけ複雑な思い。今回のロブさん盤が正にそうでしたか!
70年代半ばの渋谷、道玄坂を登って途中の音楽系雑誌が沢山有った古本屋に立ち寄り、更に登って渋谷ヤマハへ、レコード漁りと時にインストアライヴを見る。そこから通りを渡って百軒店の音楽館へ、このルートが当時の定番でした。ブラックホークは数回しか行ったことが有りませんが、サンディー・デニーのいたフォーザリンゲイが掛かったのが鮮烈な思い出として残っています、当時あんな音楽が聴けるところは他に無かったからでしょう。
しばらくし80年代に差し掛かると公園通りにDU、レコファン、バナナなどが開店、その頃からは道玄坂に足を向けることが無くなった..。遠い昔の懐かしい思い出です。
最近SSW系のアルバムでゼロが一つ多いんじゃないかと思ったのは、新宿DUに有ったTownes Van Zandtの『Late Great~』、4万円ぐらいの値段だったような。このアルバム、リアルタイムで購入してそれなりに愛聴していたのに何故か手放してしまい、その内買い直そうと思っていたんですが、いやぁ、もう絶対無理ですね(泣)。
そういえば、同じくDUでウェールズのSSW、Meic Stevensの『GOG』が7万で壁だしされていてこれまたゼロを一つ少なく思った私でした(苦笑)。
いただいたコメントを見逃していて返信が遅く成ったことをお許しください。
なんかここ1~2年でさらに高騰しているように感じますね。最近youtubeで「レコ屋探索」とか「お買い物報告」といった内容の動画を比較的若いレコードマニアの方々が上げているのが目につきます。見ていると、えーっ、そんな値でこれを買うか!とか思わずつぶやいてしまうことが多々、結局そういうことで、我々古くから見てきた人間とはもう相場感覚が大きく違うのかなと。しかし、「Late Great...」の4万はいくらなんでもと思いますね。
ただ、売値が上がっているということは買取価格もそれなりに上がっているようで、先日1,000枚ほど処分したのですが、過去最高の値が付いたなぁという感覚でした。勿論0が一つ増えるなんてことは無いのですが、かつて100円で買ったのが千円近くで買い取られたのがまぁまぁあったり。
と、ここまではアナログの話でしたが、CDはダメですね、買取もホントびっくりするほど値が付きません。