哀愁のカレリア: ヨーロッパ・エレキ・サウンドのすべて/V.A. (Philips) 1LP 1965
6年前にも取り上げていた本盤ですが、状態最高の帯付き盤が600円で打ち捨てられていたので救済しておきました。何度も書いてしまいますが「三つ子の魂百まで」とはよく云ったもので音楽産湯がエレキインストだったもので、サーフから北欧までエレキインストはリヴァイバルものも含めて今でも目(耳)がなくて。
ということで、以下、一部手直し、過去記事の再録で。
で、本盤、1965年にリリースされたフィーネーズの"哀愁のカレリア"を目玉にしたヨーロッパ・エレキのオムニバス盤。
フィーネーズが4曲(これがすべての録音曲)、アベンジャーズが3曲、ジョーカーズがB面すべてを占めて7曲。確かにここにスプートニクスとサウンズが入れば[ヨーロッパのエレキインストのすべて]にかなり近づきそうです。
因みに、フィーネーズがオリジナルの"Ajomie"邦題"哀愁のカレリア" は、云うまでも無くスプートニクスの"Karelia"邦題"霧のカレリア"とタイトルこそ違えまったく同じ曲。よく知られることですが、フィーネーズというのは実体のないバンドでスプートニクスのボー・ウィンバーグがスプートニクスの録音に先立って多重録音で作り上げたヴァージョン。つまり、同じ曲をタイトルを変えて同じ人が吹き込み直したのがこの2曲ということですね。
因みにこの2曲、ギターの音色からアレンジからまったく同じでちょっと聴くと同じヴァージョンに聴こえますが、途中挿入されるトロイカの間奏の後のCmのハイポジションフレーズの有無に違いがあるそうです。
で このフィーネーズの"哀愁のカレリア"、フィリップスからのオムニバスLPで"旅の道づれ"のタイトルでリリースされたのが初お目見え。その後同じフィリップスから"哀愁のカレリア"にタイトルを変えて出され知られることに。ポリドールからはスプートニクス"霧のカレリア"がリリースされるのですが、競作としてこの2枚は同時発売されたのだそう。
ジャケットはペラの見開き、"哀愁のカレリア"のギター2本、ベース、ドラムスのパート譜とコード表が付いています。ライナーはサーフ/エレキインスト研究第一人者の目黒国隆さんで、ヨーロッパのインストシーンを四つに分類して解説するなどこの時代には珍しい濃い内容のライナーになっています。
Side A
1,哀愁のカレリア/ザ・フィーネーズ
2,二つのギター
3,夜霧のレニングラード
4,コンチキ
5,ラン・ベイビー・ラン/ジ・アベンジャーズ
6,哀愁のヴォルカ
7,マジック・ナイツ
Side B
1,月下のジプシー/ザ・ジョーカーズ
2,ジザベル
3,エル・チョクロ
4,セレソ・ローサ
5,ラ・パロマ
6,ダニューブ・ウエイヴ
7,ミスター・ギター・マン
最後に。本稿での表記は一般的に知られる「カレリア」に統一して書いていますが、本盤での表記は「カレリヤ」です。この曲の当時リリースされたシングルも4曲入りのEPもジャケでは「ヤ」ですが、ライナーには「ア」で書かれています、何とも大らかな時代だったなぁと。
AJOMIES-哀愁のカレリア~
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