1,Tennessee Firebird/Gary Burton (RCA) 1CD 1,080円
2014年7月18日のクレジットのある中山康樹さんのライナーの冒頭に
ここ何年かの間に「テネシー・ファイヤーバード」と「カントリー・ロード」の2枚のCDが異常な高値を呼んでいて、時には数万円もの値が付いている。これは単純に聴きたいという欲求を持ったCD世代の人たちの総数が反映された結果であり、この世代はアメリカの白人ニュージシャンが追及している「どこを探しても実際には無いアメリカ」を描写・表現する音楽の原点の頂点にゲイリー・バートンやカーラ・ブレイ、ジミー・ジュフリー等々を置いていてこのバートンの2枚のアルバムの人気はそんな世代が台頭してきているこのの証左だろう、と、こんな話が載っていて面白かった。
偶然なのかどうなのか、永らく追っかけてきているRCAからAtlanticに至る時代のゲイリー・バートンのアルバム、どうしても入手出来なかったのがこの「テネシー・ファイヤーバード」なのです。よって本盤はバートンを初めて聴いた「Throb~鼓動」からウン十年、はじめての入手となりました、それもこんな廉価で(Sony Musicからのシリーズ「Jazz Collection 1000」の一枚)。
66年にナッシュビルで録音されたスティーブ・マーカス、ステーブ・スワロー、ロイ・ヘインズのバートン自己のグループとチェット・アトキンス、チャーリー・マッコイ、バディ・エモンズ、等々のカントリー・ミュージックのミュージシャンとの共演盤。ディラン作の2曲がその後(次作はロックに寄る「ダスター」だ!)を暗示する興味深い選曲ですが、全体的にはバンジョーやフィドルが舞い上がるカントリー&ウェスタンな世界の中、華麗なバートンのヴァイヴが泳ぎまくる実にフォーキーな音楽。ウン十年前に聴いていたら「ケッ、なんでまたこんなカントリーを!」とかいってスルーしたでしょうが、今聴けば、そのサウンドは実に鮮烈に響きます。なんとまぁ、勝手なもので(苦笑)
2,Live in Tokyo/Gary Burton (Atlantic) 1CD 937円
ジャズからカントリー、そしてロックに接近、そしてラリー・コリエルという時代の寵児を得てカントリーもフォークもロックもすべて取り込んだ自由なアプローチを獲得した音楽を確立し、冒険心に溢れた音楽を演っていたのが70年代初め頃のゲイリー・バートン。そんな時期1971年の来日公演を音盤化したのが本盤(今回が初CD化の由)、コリエルに後任のジェリー・ハーン、スティーブ・スワロー、ロイ・ヘイズという最強布陣から全員変わって、サム・ブラウンのギター、トニー・レヴィンのベース、ビル・グッドウィンのドラムスという布陣。この頃になるとバンド・コンセプトがしっかり固まっているのでバックのメンツが変わったところでそのスリリングなサウンドは1曲目のマイケル・ギブス作の十八番ナンバー"Ballet"からもう全開、特にサム・ブラウンのギターは前任に劣らず中々の腕前を披露。これまた十八番のヴァイヴ・ソロ自作曲"Sunset Bell"の幻想的な目くるめく世界も聴けるのは嬉しいかぎり。
ワーナー・ミュージック・ジャパンからのシリーズ「Jazz Best Collection 1000」からの一枚。
1. バレー
2. 第三の日
3. サンセット・ベル
4. グリーン・マウンテン
5. アフリカン・フラワー
6. ポーツマスの情景
Gary Burton (vib)
Sam Brown(g)
Tony Levin(b)
Bill Goodwin(ds)
Recorded at Sankei Hall.Tokyo : June 12, 1971.
Gary Burton Quartet, Live In Tokyo - Portsmouth Figurations
Gary Burton Quartet - On The Third Day
3,Who is Gary Burton? (RCA) 1LP 324円
さて、こちらは純ジャズを演っていた19才のバートンさんが聴けるアルバム(62年録音)で「ニュー・ヴァイヴマン・イン・タウン」に次ぐ自己名義の2作目。クラーク・テリー、フィル・ウッズを含む7人編成。
ヴァイヴ自体はまるでビル・エヴァンスかのような清楚なロマンチズムを感じさせるプレイでそれまでのヴァイヴ奏者には無いもの。ではあるものの全体の出来としてはフツー。
入手盤は76年に日本ビクターが1,300円で出した廉価盤LPシリーズの一枚。
1.Storm
2.I've Just Seen Her
3.Fly Time Fly
4.Conception
5.Get Away Blues
6.My Funny Valentine
7.One Note
Gary Burton (vib)
Clark Terry (tp)
Phil Woods (as)
Chris Swansen (v-tb)
Tommy Flanagan (p)
John Neves (b)
Joe Morello (ds)
New York, September 14 (M-1,7) / September 15 (M-2~6), 1962.
Original Sessions Produced by Marty Gold.
2014年7月18日のクレジットのある中山康樹さんのライナーの冒頭に
ここ何年かの間に「テネシー・ファイヤーバード」と「カントリー・ロード」の2枚のCDが異常な高値を呼んでいて、時には数万円もの値が付いている。これは単純に聴きたいという欲求を持ったCD世代の人たちの総数が反映された結果であり、この世代はアメリカの白人ニュージシャンが追及している「どこを探しても実際には無いアメリカ」を描写・表現する音楽の原点の頂点にゲイリー・バートンやカーラ・ブレイ、ジミー・ジュフリー等々を置いていてこのバートンの2枚のアルバムの人気はそんな世代が台頭してきているこのの証左だろう、と、こんな話が載っていて面白かった。
偶然なのかどうなのか、永らく追っかけてきているRCAからAtlanticに至る時代のゲイリー・バートンのアルバム、どうしても入手出来なかったのがこの「テネシー・ファイヤーバード」なのです。よって本盤はバートンを初めて聴いた「Throb~鼓動」からウン十年、はじめての入手となりました、それもこんな廉価で(Sony Musicからのシリーズ「Jazz Collection 1000」の一枚)。
66年にナッシュビルで録音されたスティーブ・マーカス、ステーブ・スワロー、ロイ・ヘインズのバートン自己のグループとチェット・アトキンス、チャーリー・マッコイ、バディ・エモンズ、等々のカントリー・ミュージックのミュージシャンとの共演盤。ディラン作の2曲がその後(次作はロックに寄る「ダスター」だ!)を暗示する興味深い選曲ですが、全体的にはバンジョーやフィドルが舞い上がるカントリー&ウェスタンな世界の中、華麗なバートンのヴァイヴが泳ぎまくる実にフォーキーな音楽。ウン十年前に聴いていたら「ケッ、なんでまたこんなカントリーを!」とかいってスルーしたでしょうが、今聴けば、そのサウンドは実に鮮烈に響きます。なんとまぁ、勝手なもので(苦笑)
2,Live in Tokyo/Gary Burton (Atlantic) 1CD 937円
ジャズからカントリー、そしてロックに接近、そしてラリー・コリエルという時代の寵児を得てカントリーもフォークもロックもすべて取り込んだ自由なアプローチを獲得した音楽を確立し、冒険心に溢れた音楽を演っていたのが70年代初め頃のゲイリー・バートン。そんな時期1971年の来日公演を音盤化したのが本盤(今回が初CD化の由)、コリエルに後任のジェリー・ハーン、スティーブ・スワロー、ロイ・ヘイズという最強布陣から全員変わって、サム・ブラウンのギター、トニー・レヴィンのベース、ビル・グッドウィンのドラムスという布陣。この頃になるとバンド・コンセプトがしっかり固まっているのでバックのメンツが変わったところでそのスリリングなサウンドは1曲目のマイケル・ギブス作の十八番ナンバー"Ballet"からもう全開、特にサム・ブラウンのギターは前任に劣らず中々の腕前を披露。これまた十八番のヴァイヴ・ソロ自作曲"Sunset Bell"の幻想的な目くるめく世界も聴けるのは嬉しいかぎり。
ワーナー・ミュージック・ジャパンからのシリーズ「Jazz Best Collection 1000」からの一枚。
1. バレー
2. 第三の日
3. サンセット・ベル
4. グリーン・マウンテン
5. アフリカン・フラワー
6. ポーツマスの情景
Gary Burton (vib)
Sam Brown(g)
Tony Levin(b)
Bill Goodwin(ds)
Recorded at Sankei Hall.Tokyo : June 12, 1971.
Gary Burton Quartet, Live In Tokyo - Portsmouth Figurations
Gary Burton Quartet - On The Third Day
3,Who is Gary Burton? (RCA) 1LP 324円
さて、こちらは純ジャズを演っていた19才のバートンさんが聴けるアルバム(62年録音)で「ニュー・ヴァイヴマン・イン・タウン」に次ぐ自己名義の2作目。クラーク・テリー、フィル・ウッズを含む7人編成。
ヴァイヴ自体はまるでビル・エヴァンスかのような清楚なロマンチズムを感じさせるプレイでそれまでのヴァイヴ奏者には無いもの。ではあるものの全体の出来としてはフツー。
入手盤は76年に日本ビクターが1,300円で出した廉価盤LPシリーズの一枚。
1.Storm
2.I've Just Seen Her
3.Fly Time Fly
4.Conception
5.Get Away Blues
6.My Funny Valentine
7.One Note
Gary Burton (vib)
Clark Terry (tp)
Phil Woods (as)
Chris Swansen (v-tb)
Tommy Flanagan (p)
John Neves (b)
Joe Morello (ds)
New York, September 14 (M-1,7) / September 15 (M-2~6), 1962.
Original Sessions Produced by Marty Gold.
もう一枚のアルバムの日本公演ではキング・クリムゾンに入る大分前のベースのトニー・レビンの参加がありますが、おそらく初来日でしょう。彼は1974年のハービー・マンの来日時にも、スティーブ・ガッドと共にいましたが、ほとんど注目されてはいませんでした。
ゲーリー・バートンのバイブは悪い意味ではなく、その他のバイブ奏者の中で一番中に入っていくのが難しいです。
有名になる前はスタン・ゲッツやジョージ・シアリングのクールさを前面に出すコンボにいたのは何となく理由はわかります。
ラリー・コリエルはゲイリー・バートンとの共演で名を上げ、来日も期待されてましたが、来たのはジェリー・ハーンで、その次のバートンの来日(つまり今回のアルバム)がこの地味めのサム・ブラウンで、コリエル・バートンのインタープレーは日本では実現しませんでした。
ドラムズのビル・グッドウィンはまだ現役で、ずっとフィル・ウッズと一緒にやっているようです。二ヶ月前にジャズ・フェスティバルで見てきました。
してみると、気になるのはこの二人の関係。共演盤は先生のタミコ・ジョーンズとの66年盤くらいしか思いつきませんが、実際のところどんな交流があったのでしょう。
先生にはロイ・エアーズという子飼いのヴァイヴィストがいたので表立っての共演は無かったとは思いますが、音楽性もそうだし、ラリー・コリエル、スティーヴ・マーカスのほかこれだけバックのメンバーがかぶったりしているわけですから......。
バートンはアトランティックにいたこともあるので、それなりの接触はあったのでしょうが、やはり方向が大分違うし、おっしゃるようにロイ・エアーズがマンの秘蔵っ子だったので実際の録音はないかとおもいます。
同じジャズ・ロックをやってもかなり違うのはラリー・コリエルの変身ぶりで(カメレオン?)で、彼のまったく異なったギタープレーを聞くとその違いが明白です。両方とも好きですが。
ロイ・エアーズとゲリー・バートンは一緒に来日して共演もしたので(TVでも見ました。)、それなりのつながりはあったのは間違えありません。