Jahkingのエサ箱猟盤日記

日々これ猟盤 エサ箱漁りの毎日....。

Archie Shepp 1967

2020年06月08日 | Jazz
1,Life at The Donaueschingen Music Festival/Archie Shepp (MPS) 1LP 300円
アーチー・シェップの'67年10月ドイツ「ドナウエッシンゲン音楽祭」での実況録音盤,ジョン・コルトレーンが亡くなった3か月後、そのコルトレーンに捧げる演奏が収められています。

入手盤は1969年2月に日本コロンビアから発売されたもの、ぶっとい帯にMPS Bossa&Jazzシリーズのステッカー、さらにスィングジャーナル誌のゴールドディスク認定シールまで貼ってあってもうジャケットデザインは形無しの様相。ちょうどジャズに興味を覚え始めたころの物にてこの体裁はよく覚えています(話題になったし売れたのでしょう~何たってSJ誌お墨付きですから)。
実際に耳にしたのは数年後ジャズ喫茶に通いだしてから、実際に入手したのはそのまた数年後1,500円の廉価盤シリーズで出たものではなかったかな。

まぁ、そんな盤ですが、ジャズの日本盤LPは全般に安値といっても300円と云う値は破格、うちに帰って見ればその値も納得のカビ臭さ、これには閉口、盤は即洗浄(ほぼピカピカに)、ジャケットはよーく拭いて即新聞紙に包んで放置(カビ臭取りには結構な効果が、是非お試しください)した次第です。

で、中身、コルトレーンが紹介し契約したというImpules Records在籍時で「Magic of JuJu」と「The Way Ahead」という傑作アルバムの間に位置する録音となります。この2枚もしかりで同時期のImpulseのスタジオ録音アルバムはブラックパワーの鎧を被ったコンセプチュアルなアルバム作りでしたが、ここでは異国の地でのライヴ演奏ということででしょうより生身のシェップがたっぷり聴ける演奏となっています。

コルトレーン時代を彷彿とするジミー・ギャリソンのフラメンコベースソロでスタート、次第に全員でのフリーインプロ、しばらくするとテーマと思しきメロディーが表れてシェップの無伴奏ソロへ(このあたりからB面に移行)、しばらくしてソフトな音色ながらもうねるラズウェル・ラッド、ハードな音色でバリバリ吹きまくるグラチャン・モンカーという二人のトロンボーンが絡み合って出てきて前半で聴けたテーマが表れ全員でのフリーインプロに突入、中でもグラチャン・モンカーの咆哮が素晴らしいアクセントに。いつしかこの演奏の山場(というか一番有名な部分)である「 The Shadow of Your Smile ~いそしぎ」のメロディーが厳かに現出、シェップのソロが続いて再び「テーマ」「いそしぎ」が出てきて終了。およそ43分の演奏、シェップはイントロのベースソロの部分を除いてほぼ吹きまくりますが弛緩は一切無し、長いキャリアを持つシェップですが間違い無く代表作の一枚といっていいものですね。

Side A
1,A One For The Trane, Part I
Side B
1,A One For The Trane, Part 2

Tenor Saxophone – Archie Shepp
Trombone – Grachan Moncur, Roswell Rudd
Bass – Jimmy Garrison
Drums – Beaver Harris
Recorded live at the "Donaueschingen Musiktage 1967", Oct. 21, 1967.


Archie Shepp, Life at the Donaueschingen Music Festival, 1967, "One for the Trane", (1)



Archie Shepp, Life at the Donaueschingen Music Festival, 1967, "One for the Trane", (2)

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4 コメント

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Unknown (しみへん)
2020-06-08 13:22:52
私もアーチー・シェップと言えば、これとジュジュです。
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Re:Shepp (Jahking@管理人)
2020-06-08 20:16:33
「ワン・フォー・テレーン」はやっぱり誰しもでしょうね。「JuJu」はやや意外です。
私はといえばNYC5の時代から80年代録音まで全部好きなのですが、1970年前後にフランスで残したBYGとかAmericaが音盤化した一連の録音が特に思い入れがあります(一部垂れ流しという見方もありますけど)。
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Magic Of Juju (t-izu)
2020-06-10 06:26:29
もうひと昔は前ですが、東北の女子高生がビッグバンドを組んでジャズを演奏する上野樹里主演の「スゥイング・ガールズ」という映画がありました。この女子高生を指導するのが、竹中直人扮するフリー・ジャズ狂でその実サックスを吹けない先生なのですが、その彼の部屋に飾ってあったのがジュジュのジャケット。ヴィジュアル的にはこれ以外ないな、と思ったのを唐突の思い出しました。
因みに私もジュジュ好きです。他に管理人氏が挙げていないものとしては、70年代半ばの伊BlackSaint盤も印象深いですね。
これは番外ですが、90年代初頭に出されたザッパの「On Stage Vol.4」に一曲だけシェップが飛び入りしてソロを咆哮するんですが(録音は84年)、この時期シェップへの興味はほとんど無くしていたこともあり、まだこんな演奏するんだ、と少しばかり驚いたことを覚えています。
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Re:Magic of JuJu (Jahking@管理人)
2020-06-10 07:50:30
「スゥイング・ガールズ」私は観ていないのですが、ジャズ仲間がJujuジャケに気が付いて竹中直人の好みなんだろうなとか話した記憶があります、やりますね、細かい配慮。
Black Saint盤って人の顔がたくさん描かれているジャケの「A Sea Of Faces」でしょうか、一連の仏録音の後、久し振りに大いに気に入ったのがこれでした。
ザッパにシェップ、知りませんでした(恥かし)。On Stageシリーズは安かったこともあって揃えていたような、早速チェックしてみます!
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