
Cool Whalin' : Bebop Vocals,Rare and Unissued Material / V.A. (Spotlite) 1LP
チャーリー・パーカーのDial録音を初めパーカーやその周辺の40年代から50年代に掛けての所謂ビ・バップ期のジャズを数多くリリースしていた英国のSpotlite Records、70~80年代には東芝から国内盤も出ていたのを記憶します。そんなSpoliteレーベルが79年にリリースしたビバップ・ボーカル集。
バップボーカルというと思い浮かべるシンガー、バブス・ゴンザレス、ジョー・キャロル、アール・コールマン、エディー・ジェファーソンそれにケニー・ヘイウッド、フランキー・パッションズを加えた6人衆。
バップピアノの代表格アル・ヘイグのトリオをバックにしたケニー・ヘイグッドの1948年録音があるかと思えば、同じヘイグッドさんはジョー・サンプル、バスター・ウィリアムス、スティックス・フーパーというおよそバップからは遠いトリオに乗った1967年録音という珍品があったりします。50年代後半録音だというチャーリー・ラウズを擁したセロニアス・モンク・クインテットに乗ったフランキー・パッションズ、ハワード・マギーカルテットに乗ったジョー・キャロルの1970年録音、パーカーとの共演で知られるピアニスト、サデイク・ハキムにディヴ・バーンズセクステットとのバブス・ゴンザレス1952年録音、エディー・ジェファーソンとジョー・キャロルは40年代後半録音の詳細不明の放送録音が。と、興味深い多彩な音源が入っています。バップスキャットは勿論、なまめかしバラードもあっていろいろと楽しめました。


Cool Whalin' Babs Gonzales
Oop-Bop-A-Da Kenny 'Pancho' Hagood · Al Haig
Gambler's Blues Joe Carroll
Bless My Soul Eddie Jefferso
Sugar Ray Babs Gonzales
Especially To You Frankie Passions
Nightingale
Gone with the Wind Kenny 'Pancho' Hagood · Al Haig
故中村とうよう氏の一連の仕事は勿論、ディジー・ガレスピー楽団のヴォーカリストだったジョー・キャロルのEpic盤(with Ray Bryant)、Capitol原盤で栗村政昭氏編集の『Bebop Professors』など(ただし栗村氏はバブス・ゴンザレスなどは全く興味なしですが)が国内発売されていました。
正直、今回管理人氏が取り上げなければ改めて聴き返すことも無かったと思いますが、それでもKing PleasureのPrsstige盤やL,H&Rの諸作は今でもちょくちょくターンテーブルに載ります。
この種の音楽としては後年の録音になりますが、L.アームストロング、L,H&R、C.マクレェ、ブルーベックによる『The Real Ambassadors』というミュージカル集は隠れ名盤だと思います。ご参考まで。
私もいつの間にか聴き返すこともなくなっていたJive~Be Bopボーカルでしたが、今回入手のSpotlight盤のジャケを飾るバブス・ゴンザレスの笑顔にやられて思わず抱えてしまったのでした。久し振りに聴き直す良いキッカケになりました。
おすすめの『The Real Ambassadors』はまったく知りません、チェックしておきます。