まだまだ続くジャズLP。しかし、極安とは云えよく買ったものです(苦笑)
1,I Swing For You/Lenny Niehaus(Emarcy)
50年代に活躍したウエストコーストのジャズマンがポップや映画等のフィールドに転身して名を馳せるってケースは多くありますが、この人、レニー・ニーハウスもしかり。チャーリー・パーカーの伝記映画"Bird"音楽プロデューサー&ミュージック・スーパヴァイザーをしていたのが印象に残っています(悪い方にですけど 笑)。
で、この57年録音のエマーシー盤、テナーのビル・パーキンス、ピアノのルゥ・レヴィ以外無名のオクテット編成。アレンジに凝るというウエスト物の特性はそのままですが、パーカーとコニッツの中間、バド・シャンクに近いレニーのアルトは快調です。まぁ、しかしこの如何にも50年代のこのジャケットでなければ買わなかったわなという一枚でした。
2,Never on Sunday/Ramsey Lewis(Argo Cadet)
60年代中頃に日本ビクターからのペラ・ジャケです。しかし、このジャケット、なんじゃこれ!のムード・ミュージック仕様。オリジもこれなんですかね?と思ってジャケをよく見るとChess系のデザインの殆どを手がけていたDon Bronsteinのいつものサインが入っていました。まぁ、このジャケットが中身を表していますね、そう映画、ミュージカル曲、スタンダード曲に混じって”ハング・オン・スリーピー”とか”ジ・イン・クラウド”路線のラムゼイのオリジナル2曲がちょっと耳をひきました。
3,Atomosphere For Lovers and Thieves/Ben Webster(Black Lion)
60年代以降アメリカの大物ジャズメンが続々とヨーロッパに移住していきましたが、そんなミュージシャンをとっ捕まえて続々と録音をしていったのがアラン・ベイツのBlack Lion。で本盤も65年コペンハーゲン録音、ケニー・ドリュー、オルステッド・ペデルセン、アレックス・リールのお馴染みトリオと地元ミュージシャンのバック。その昔、ジャズ喫茶では人気盤でしたね、”枯葉”を聴いて思い出しました。好盤です。
4,The Electrifying/Eddie Harris(Atlantic)
根はオーソドックスなテナー・マンなんですが、新し物好きなのがこのエディー・ハリス。当時出始めのエレクトリック・ヴァリトーン・サックスを吹いている68年録音盤。リー・コニッツもこれを吹いて作ったアルバムがありましたが、その後聞かなくなったのでやっぱり一時の流行の楽器だったのでしょう。ハーモニーが出せるらしいのですがブカブカ・フガフガとなんとも気持ちの悪い音です。
5,The Library of Congress Recordings Vol.5/Jerry Roll Morton(Swaggie)
名前だけは知っていても聴いたことはなかったジャズの創始者とも云われる(というか自分でそう名乗っていたらしい)ニューオリンズのピアニストがジェリーロール・モートン。
1938年5月、アラン・ローマックスは米国議会図書館用にモートンとのインタビューと演奏を8時間も録音、本盤はその録音を編集してLP化したものの一枚。殆どがインタビュー(恐ろしく饒舌に聞こえます、この人)でサンプル的な演奏がちょこっと入るだけのものでした。
6,Girls & Kenton(Capitol)
44年~53年のスタン・ケントン楽団バックにアニタ・オデイ、ジューン・クリスティ、クリス・コナーが歌った録音を16曲集めた日本独自編集盤。殆どがシングル盤(勿論SPでしょう)で出されたもの、つまりヒットを狙った曲らしいです。
7,Classic Tenors/Coleman Hawkins and Lester Young(Contact)
ボブ・シールがやっていたNYのレーベルContactからでたホウクとプレスの43年の録音。ライナーが無いので詳細はわかりません。たまにこんな中間派テナーが聴きたくなったりするのです。4曲あるホウクのカルテットものがいいですねぇ。
8,Norman Granz' Jazz Concert #1(Norgran Verve) 2LP
94年にVerve50周年企画として出されたシリーズの一枚。コーティングされたボックスに入った豪華な装丁です。で、これはコンサートのタイトルこそそうはなっていませんが実質J.A.T.P、1950年のカーネギー・ホールでのライヴ録音。パーカー(ウィズ・ストリングス物あり)、上記のプレスとホウク、ピーターソン、バディ・リッチ、ハリー・エジソン、フィリップ・フィリップス、とまぁ、いつものJ.A.T.Pそのものです。
9,Phill & Quill/Phill Woods & Gene Quill(RCA)
フィル&クィルと云えばものEpic盤"Phill talks with Quill"に尽きます、もう何度聴いたことか最愛のジャズ・アルバムの一枚です。アルト・バトルという同趣向のマクリーンとジョン・ジェンキンスの激情アルバム"Alto Madness"の数倍好きです。で、本盤はそのコンビ56年の一枚目。これをはじめて聴いたときの落胆たるや。上記Epic盤とは雲泥の差、スリル・ゼロのまるでウエスト物を聴いているよう。全12曲、プロデュースしすぎの失敗作ですわな。この二人には罪は無いと見ますが。
10,Flute,Brass,Vibes & Percussion/Herbie Mann(Verve)
60年代初めのマン先生のお仕事。Verve録音の珍しい一枚。アフロ・キューバン・リズムのラテンものです。クレジットがはっきりしないので調べてみたら、Leo Ball, Jerry Kail, Ziggy Schatz (tp) Herbie Mann (fl) Johnny Rae (vib) Knobby Totah (b) Rudy Collins (d) Ray Barretto (cga) Ray Mantilla, Michael Olatunji (per)
NYC, May 5, 1960
ということのようです。しかし、マン先生のフルートって流石に個性的な綺麗な音色ですね。
1,I Swing For You/Lenny Niehaus(Emarcy)
50年代に活躍したウエストコーストのジャズマンがポップや映画等のフィールドに転身して名を馳せるってケースは多くありますが、この人、レニー・ニーハウスもしかり。チャーリー・パーカーの伝記映画"Bird"音楽プロデューサー&ミュージック・スーパヴァイザーをしていたのが印象に残っています(悪い方にですけど 笑)。
で、この57年録音のエマーシー盤、テナーのビル・パーキンス、ピアノのルゥ・レヴィ以外無名のオクテット編成。アレンジに凝るというウエスト物の特性はそのままですが、パーカーとコニッツの中間、バド・シャンクに近いレニーのアルトは快調です。まぁ、しかしこの如何にも50年代のこのジャケットでなければ買わなかったわなという一枚でした。
2,Never on Sunday/Ramsey Lewis(Argo Cadet)
60年代中頃に日本ビクターからのペラ・ジャケです。しかし、このジャケット、なんじゃこれ!のムード・ミュージック仕様。オリジもこれなんですかね?と思ってジャケをよく見るとChess系のデザインの殆どを手がけていたDon Bronsteinのいつものサインが入っていました。まぁ、このジャケットが中身を表していますね、そう映画、ミュージカル曲、スタンダード曲に混じって”ハング・オン・スリーピー”とか”ジ・イン・クラウド”路線のラムゼイのオリジナル2曲がちょっと耳をひきました。
3,Atomosphere For Lovers and Thieves/Ben Webster(Black Lion)
60年代以降アメリカの大物ジャズメンが続々とヨーロッパに移住していきましたが、そんなミュージシャンをとっ捕まえて続々と録音をしていったのがアラン・ベイツのBlack Lion。で本盤も65年コペンハーゲン録音、ケニー・ドリュー、オルステッド・ペデルセン、アレックス・リールのお馴染みトリオと地元ミュージシャンのバック。その昔、ジャズ喫茶では人気盤でしたね、”枯葉”を聴いて思い出しました。好盤です。
4,The Electrifying/Eddie Harris(Atlantic)
根はオーソドックスなテナー・マンなんですが、新し物好きなのがこのエディー・ハリス。当時出始めのエレクトリック・ヴァリトーン・サックスを吹いている68年録音盤。リー・コニッツもこれを吹いて作ったアルバムがありましたが、その後聞かなくなったのでやっぱり一時の流行の楽器だったのでしょう。ハーモニーが出せるらしいのですがブカブカ・フガフガとなんとも気持ちの悪い音です。
5,The Library of Congress Recordings Vol.5/Jerry Roll Morton(Swaggie)
名前だけは知っていても聴いたことはなかったジャズの創始者とも云われる(というか自分でそう名乗っていたらしい)ニューオリンズのピアニストがジェリーロール・モートン。
1938年5月、アラン・ローマックスは米国議会図書館用にモートンとのインタビューと演奏を8時間も録音、本盤はその録音を編集してLP化したものの一枚。殆どがインタビュー(恐ろしく饒舌に聞こえます、この人)でサンプル的な演奏がちょこっと入るだけのものでした。
6,Girls & Kenton(Capitol)
44年~53年のスタン・ケントン楽団バックにアニタ・オデイ、ジューン・クリスティ、クリス・コナーが歌った録音を16曲集めた日本独自編集盤。殆どがシングル盤(勿論SPでしょう)で出されたもの、つまりヒットを狙った曲らしいです。
7,Classic Tenors/Coleman Hawkins and Lester Young(Contact)
ボブ・シールがやっていたNYのレーベルContactからでたホウクとプレスの43年の録音。ライナーが無いので詳細はわかりません。たまにこんな中間派テナーが聴きたくなったりするのです。4曲あるホウクのカルテットものがいいですねぇ。
8,Norman Granz' Jazz Concert #1(Norgran Verve) 2LP
94年にVerve50周年企画として出されたシリーズの一枚。コーティングされたボックスに入った豪華な装丁です。で、これはコンサートのタイトルこそそうはなっていませんが実質J.A.T.P、1950年のカーネギー・ホールでのライヴ録音。パーカー(ウィズ・ストリングス物あり)、上記のプレスとホウク、ピーターソン、バディ・リッチ、ハリー・エジソン、フィリップ・フィリップス、とまぁ、いつものJ.A.T.Pそのものです。
9,Phill & Quill/Phill Woods & Gene Quill(RCA)
フィル&クィルと云えばものEpic盤"Phill talks with Quill"に尽きます、もう何度聴いたことか最愛のジャズ・アルバムの一枚です。アルト・バトルという同趣向のマクリーンとジョン・ジェンキンスの激情アルバム"Alto Madness"の数倍好きです。で、本盤はそのコンビ56年の一枚目。これをはじめて聴いたときの落胆たるや。上記Epic盤とは雲泥の差、スリル・ゼロのまるでウエスト物を聴いているよう。全12曲、プロデュースしすぎの失敗作ですわな。この二人には罪は無いと見ますが。
10,Flute,Brass,Vibes & Percussion/Herbie Mann(Verve)
60年代初めのマン先生のお仕事。Verve録音の珍しい一枚。アフロ・キューバン・リズムのラテンものです。クレジットがはっきりしないので調べてみたら、Leo Ball, Jerry Kail, Ziggy Schatz (tp) Herbie Mann (fl) Johnny Rae (vib) Knobby Totah (b) Rudy Collins (d) Ray Barretto (cga) Ray Mantilla, Michael Olatunji (per)
NYC, May 5, 1960
ということのようです。しかし、マン先生のフルートって流石に個性的な綺麗な音色ですね。
で、このエディ・ハリス、やはりアメリカでだけ人気のある人ですね。日本人にはちょっと、という感じかな。匂いが強いと言うか。でも黒人リスナーの肌や生活に合ったことをやっているんでしょうね。
音も電気サックスですか、あのガーというようなつぶれた感じは全然主流派とか、ファンクとか、フュージョンからかけ離れた、彼自身の音ですよ。立派なオリジナルです。
また扱っている材料も幅広いし、ほとんどがコメディアンのようなアルバムも作っている。まあ、その辺の余裕が好きです。
なぜ最初VJ、コロンビア、そしてアトランティックからあれだけ沢山アルバムを出せたかと言うと、それだけ売れていたからだろうけど、いわゆる一般のコアなジャズでない聞き手連中も沢山買っていたと思うんですよ。
"Electrifying~"ですか。「しびれちゃう」ですね。彼の電気サックスに言葉をかけているんでしょうけど、その他多く見出せるユーモアのセンスもいいですね。
こちらのハービー・マンも昔からリズムにこだわりと追求を続けていた人の典型的な作品で、後のワールド・ミュージックの動きの三十年先を読んでいました。
あと大衆音楽をよく知っていた人でした。
ジャズ・ロックやディスク、R&Bも彼の興味(商売?)対象に使われた材料という感じで、こちらも気を抜いて、その商業主義を一緒に楽しめばいいですよ。
>こちらも気を抜いて、その商業主義を一緒に楽しめばいいですよ。
いや、当時はまったくそうは思えなかったのですが、今では正に同意です。