すっかりご無沙汰してます。
こんなんじゃイケマセンね。
ここ1か月、忙しくてなかなかブログ更新出来ませんでした。
フェイスブックは、マメに更新してますので宜しければそちらにも閲覧に来て下さい。
先月から長々とお預かりしているK目さまの三菱ジープ J37がようやく完成しました。
そもそものご依頼は、駆動系からの異音でした。
テストしたら、まぎれも無くリアのハブベアリングからの異音。
まえまえから認識していたので、次回の車検時にと思っていたんですが一気に異音が大きくなってしまった様です。
予算の都合というか、まだ使える部品と判断すると一気に治すより段階を経て治すスタンスになってしまいます。
ちょっと予定が車検より早くなりましたが、リアのハブベアリングを交換する事に
取りあえず、分解。
ミニ屋では、まず持っていないだろう巨大プーラーでリアのハブベアリングを引き抜こうとしてもビクともしません・・・。
フランジが大きいので、当店のプレスにはハマらず・・・。
最後の手段で
シャフトを傷つけない様に慎重にリアハブベアリングを壊して外します。
異音が出ている方は、ココまで壊さずに外れたので、ベアリングの周動面を確認しました。
なんと、一か所凄い摩耗です。巣穴だらけ!写真上部がそれです。
推測ですが、K目さまが所有される前に何年も放置状態で湿気が貯まり腐食していたんでしょうね。そして、その後にガタが大きくなったのでシム調整でガタのみを無くす手抜き修理をしていたんだと思います。
シム調整するまで分解するなら、私なら迷わずベアリング交換します。
多くのリアリジットアクスル型のハブベアリングは、ボールベアリングでガタが出たら即交換なんですがジープは珍しいテーパーローラ―ベアリングを採用しております。
これは、極限のオフロードを確実に壊れずに走り抜く為の設計だからだと思います。アスファルトや砂利道程度の道なな必要ありませんが、さすが軍用車です。
このテーパーローラ―ベアリングは、ベアリングのプレロード調整が出来る構造なので、ガタを取る事が出来てしまうんです。本来は、新品を組み込む際に微調整が出来る優れものなはずなんですけどね・・・。
そして、多くの場合はシャフトから外す際に固着して大変なのでガタを取るだけの手抜き修理を行う訳です。
なぜ?ガタがでるのか?
それを単純に考えると。
ベアリングが寿命だからガタが出るんです。
それなのに、交換しないのは・・・・。
新品のベアリングを組んでスナップリングも種類があって、ベストな物をチョイス。
漏れていなくてもオイルシール交換して、シム調整をして完了。
って書くと簡単ですけどね。
実際は、何度も組んではホイルまで付けてガタのチェックしながらシムを増減します。
結構良い、重労働になります。
異音は、無事に消え凄く静かになりました。
今度は、トランスファーからのオイル漏れ修理。
とにかくいろんな所から漏れているようで、完璧に治すならミッションとトランスファーを降ろしてオーバーホールとなります。
ミッションをばらしたら、最低でもオイルシールとガスケットは当たり前ですが、ベアリング類、シンクロは交換になります。
そして折角ミッションを降ろしたらクラッチオーバーホールとクランクシールのリア側も交換になります。
そうなると、結構高額な修理になるので今回は車載の状態で可能な限り治す事になりました。
取りあえず、オイルシール周りを分解して見ました。
オイルシールは過去に交換してあったのですが、漏れていました。しかし、完璧に正しく挿入されています。
前回オイルシールを交換する前と同じ漏れ方をしていたので、注意深く細かくチェックしたらトランスファーケースのオイルシールが入る部分に傷が・・・。きっと前々回にオイルシールを抜く際に傷を付けてしまったんですね。
どうやったら、傷が入るのか疑問でしたがそんな傷から漏れていました。
前回も気が付いて、オイルシールの外周に(金属製なので)液体パッキンを塗って組んでありました。
今回は、性質の異なる液体パッキンを使い分けました。外周の部分は空気遮断すると硬化するタイプを塗って、オイルシールの前後の部分も通常は何もぬりませんが、保険の代わりに空気に触れると硬化するタイプを塗って厚入。
よく観察すると
フランジとオイルシールの接触面の摩耗も激しく、値段を調べたらフランジが安かったので交換する事に。
センターブレーキドラムライニングも、オイルがたっぷりしみ込んでいたので交換。漏れの可能性があるものは、交換しました。
センタードラムの横の目クラ蓋もオイル漏れしていたので交換しました。
普通は、こういう部分はボルト穴が袋になっていてオイル漏れしない構造なんですが、これだけ古いと貫通穴でした。こういう場合は普通の液体パッキンを塗って組むと絶対に漏れます。
空気が遮断されると硬化するタイプの使用が絶対ですが、普通はそんな液体パッキンを持っていないと思います。だって、今の車なら使わないから。
液体パッキンが完全硬化してからミッションオイルを注入し、テストしましたが無事にオイル漏れが止まりました。多少、ガスケットから滲んできますが、これは完全に分解しないとダメなので車載ではMAXの修理となります。
トランスファーの油面が、オイルシールの上になる構造なのでどうしても漏れやすい様です。
普通は、少しでもオイル漏れのリスクを減らす為にオイルシールより下に油面が来るように設計するんですが、そこは命がけの現場で使用するジープなので最低地上高を稼ぐ事を最優先した為にこの様なレイアウトになったと推測します。
そんな、割り切った設計が好きです。
K目さま、長らくお待たせしました!
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