ジロがゆく

なんとなく生きてます

ハルはアケボノ、お茶を濁さんと欲して愚駄文をモノするものなり_題して「春の胡乱」

2021-03-02 17:05:54 | 日記
 春の気配が萌す頃、真っ先に姿を現す蝶はテングチョウではないかと思います。そして、その前、秋が終わり、凍てつくような寒さの中であってもひとり意地を張っていた蝶もたいていは、この蝶です。このころになると「凍て蝶」などと言われて俳人に大層重宝がられているようです。例えば、ココ。ただ、この蝶は天命に従って寒中を飛んでいるだけなのに、人は極度の思い入れを込めて詠みがちのようで、ときには鼻白む思いがします。

 さて、この蝶、なぜテングの名を冠しているかというと、その口先が天狗の鼻のようにニューッと尖ンがっているからです。尖ンがっているのは実は、口先ではないのですが。

テングチョウ…名前の由来」より借用

 わたしには、こう見えます。

招き猫文庫|白泉社」より借用

 で、わたしは、この蝶を盗人(ぬすっと)蝶とひそかに呼んでいます。
 人気のないところを寒さも厭わず飛び回り、よほど寒さが嵩じると、木の洞や雨戸の戸袋の中に潜んで冬を越すのだそうです。もっとも、戸袋が見られなくなってしまった昨今、テングチョウにとっては、さぞ世知辛い世の中になったことでしょう。それはさておき、この胡散臭い越冬の仕方はいかにも盗人に似つかわしいものといえるのではないでしょうか。しかも、頬ツかむりしたままでしょうから。


【駄粗句】

愚直より胡乱と云えり虫の出づ
        ふべし

ねぐらより頬っかぶりして盗人
            天狗       

早春を盗む気なり天狗蝶




          
侵して怪し天狗蝶
   

【駄々粗句】
   
春泥に足跡胡乱に滲みたり           ※ウロンな足跡の主はムロンわたし。イエ、ジジィギャグデハアリマセン、タダノグーゼンでして、ハイ。

春泥や世渡りべたという自覚

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