連日タイの洪水の話題になります。
他人事ではなく、毎日バンコクの洪水を気にしていますので、ついこの話題になります。
最新の浸水状況、道路の冠水状況を示す、タイ全土の洪水マップです。
（青色の太い線が冠水している道路、薄い青が浸水地区です）
http://apps.arcgis.com/hosted/OnePane/azuretwitter/index.html?appid=34d713d7671045779c7c0acb4a4b8b6c
（浸水を示す青は、ときどき出ないこともありますから、根気よく見てください）
この洪水マップによると、バンコク周辺の青色が昨日より拡大しています。
つまり、中心部に水が迫っている、ということです。
また、バンコク中心部の洪水予想図が掲載されている今朝のバンコクポストの記事は以下の通りです。
http://www.bangkokpost.com/news/local/261044/evacuation-plan-readied
バンコクの中心部が浸水するのも時間の問題かとも思えるのですが、
政府は、今は「非常事態宣言」を出さないと言っています。
さて、今日は１２日水曜日のバンコクポスト紙から、
インラック首相の考えを聞いてみましょう。
「バンコクの中は”セーフ ”かも（Inner Bangkok should be safe)」
という記事の中の、首相発言要旨です。
「もし皆がよく（状況を）監視して、今の状態を保つよう自分の役割を果たすならば、
バンコクの中はおそらく洪水を免れるであろう。」
「洪水に弱い地域であっても、速やかに排水作業が行われれば、
水位はそれほど高くはならないだろう。」
（パトゥンタニの区長が非常事態宣言を発令するよう求めたのに対し）
「今はその必要はない。バンコク内部を守る洪水壁は明日にも完成する。」
「必要な１７０万個の土嚢が集められており、
防げる場所では防ぐ努力をするし、防げそうにないところでは、
人々を避難させる計画が必要である。」
「財産を守ることよりも、人々の安全を優先させなければならない。
財産と人命を同時に守ることはできない。」
「政府は、不当に価格を吊りあげている小売人の監視も行う。」
「もし、政府が洪水に対処できるかどうかと問われれば、
私は、ベストを尽くさなければならなくなるだろうと答えるであろう。
なぜなら、多くの制御不能な要素が存在するのだから。
でも政府は、あらゆる力を動員するように努める。
フィリピンの方で新しい台風は発生しておらず、雨季はまもなく終わる。」
なぜか悲しくなったのは私だけでしょうか？
記事が英文なので、かなり正確に訳したつもりですが、
発言に「政府が全力をあげて、人々の生命と財産を守る」などという
決意は全く感じられません。
もうバンコク以北では甚大な被害が出ていますから、
威勢のいいことは一言も言えない事情はよくわかります。
また「仮定法」を使った慎重な言い回しが目につきます。
ただ、何と言うんでしょうか、彼女を批判する意図はまったくないのですが、
随分とクールな人物のような印象になってますね。
彼女の口から出たタイ語でなく、記者か翻訳者の書いた英文のせいかもしれません。
それともタイ人独特の現実主義なのでしょうか？
もし日本で首相が、「財産と人命の両方を守ることなんてできっこない」
とか、「ベストを尽くさなければならなくなるでしょう」などと、
他人事のように発言すれば、国民（というよりマスコミ）の袋叩きに遭いそうですね。
とにかく、毎日つぶやいてますが、せめてバンコクは大洪水から免れてほしいです。
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なかなか洪水に関する情報が手に入らない中、
とても参考になる情報をありがとうございます。
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