(写真は16日のバンコクポスト紙より)
15日土曜日に、タイ政府はバンコクの中心部の心配は遠のいたと発表しました。しかし、先日アユタヤのバンパイン工業団地も水没し、これで水没した工業団地は4つになっています。バンパインだけでも、600億バーツ(1500億円)投資されています。水没している4つの工業団地を合わせると、1940億バーツ(5000億円)になります。
また大量の水がアユタヤからバンコクへ流入するのを防ぎ、バンコク東部へ迂回させているバンコク北部の洪水壁が、一部決壊しているようです。軍が出動して決壊箇所を防ぐ必死の作業を続けているようです。今日16日は大潮にあたりますので、もし大量の水がチャオプラヤ川に流れ込むと、バンコク市内も水に浸かる場所が出てきます。
私がここ数日、タイの新聞を見ていて気になるのは、情報が非常に錯綜していることです。タイ政府内部でも、強い危機感を表明する閣僚がいるかと思えば、インラック首相はむしろバンコクの住民を安心させようと、やっきになっているように見えます。一昨日書きましたように、住民に警告を発した科学技術大臣と、対策本部の実質上の責任者となっている法務大臣の考え方には、避難警告(避難勧告)の出し方をめぐって、相当に見解の相違があるようです。
一方、タイ政府ではなく、自治体であるバンコク都の知事と副知事は、また別の考え方で動いているようです。住民の避難について都の副知事は、「避難(命令)はバンコク都の責任において発するものだから、ほかの誰の言うことも信用してはならない」と宣言しているという報道もありました。
タイ政府の閣僚とバンコク都幹部の政党は異なります。日本的に発想すれば、それが根っこにあって、副知事のこのような発言になっていると勘ぐられかねません。政府と自治体の関係がどうなっているのか、非常事態なだけに、すごく気がかりです。
今朝のバンコクポストの記事の書き方を見ていると、タイ政府関係者の見解を書く前に、バンコク都知事の見解を先に出しています。今朝の記事では、チャオプラヤ川の防護壁の高さは2.8メートルと書いてあります。先日は2.5メートルと書いてあったと記憶していますが、変わったのでしょうか?そしてバンコク都知事は「昨日は2.15メートルと今年の記録的な高さになったが、まだ洪水防護壁まで65センチある。」としたうえで、
「まだバンコクに大量の水が流れ込む危険が去ってはいない」と述べています。
タイ政府の発表とバンコク都の見解のどちらをバンコク市民は信用すればよいのでしょうか。また政府内で見解の相違があるのも、どこかの国の政府と同じみたいで嫌です。私が思うに、政治家以上に、タイの庶民は自然の怖さと身の守り方を体で覚えている、そうあってほしいという気持ちがだんだん強くなってきました。
絶好の遊び場ができたみたいですね。
いつもの時間に、いつもの場所でエクササイスを欠かさないお年寄りだそうです。
狭い渡り橋の上で鉢合わせ。どちらもバンコクのチャオプラヤ川にやってきた観光客
と紹介されていました。(いずれの写真も、16日朝のバンコクポスト紙WEB版から)
浸水状況、道路の冠水状況がわかる、バンコクの洪水マップ(タイ全土が見られます)
http://apps.arcgis.com/hosted/OnePane/azuretwitter/index.html?appid=34d713d7671045779c7c0acb4a4b8b6c
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