楽園づくり ~わが家のチェンマイ移住日記~

日本とタイで別々に生活してきた私たち家族は、チェンマイに家を建てて一緒に暮らし始めました。日常の出来事を綴っていきます。

チェンマイ大学病院雑感

2012-05-23 20:44:35 | タイの医療

昨日は二回もチェンマイ大学病院へ行きました。チェンマイ大学の附属病院は地元では「スアンドーク病院」と呼ばれていて、北部タイでは最も医療水準の高い公立病院なんだそうです。

妻の治療は、1か月ほど前にバンコクのチュラロンコーン病院で6回目の抗がん剤投与を受け、一応終了しました。乳がんはずっと経過観察が必要なので、チェンマイではスアンドーク病院へ通うことにしました。でも、昨日病院へ行ったのは、その目的ではなく、急に膀胱あたりに炎症を起こしているようなので、その治療を受けさせようと思ったからです。妻のお母さんと2人を乗せて、車で病院まで送りました。

ところが受付の人が何を勘違いしたのか、「どんな症状が出ていても、あなたは前回は乳がんで診察を受けているから、その先生に受診しなければなりません」と言われたのだそうです。妻がいくら今回は違うと言っても、その受付の人は頑として泌尿器を診る部門に行かせてくれませんでした。

で、仕方なく乳がん専門の先生と久しぶりの再会を果たしたまではよしとしましょう。でも問題は、その先生にもありました。頻尿があり、排尿の度に下腹部に痛みを感じるという、素人の私でも泌尿器の炎症を疑う症状です。それを訴える妻に対してその先生は「それならぼくの所に来たのは間違いだね」と軽く言って、そのあとは乳がんの話しかしないのです。そのうち、「もう昼だから、明日また来てください。あすは時間があるからゆっくり話しできますから」という言うなり、さっさといなくなったというのです。膀胱炎だとか腎臓のことなんかには全く興味がないのではないでしょうか。

妻は一旦病院から家に帰ったのですが、症状はひどくなるばかりです。治療費が高いけど空いているラム病院へ行こうか、それとも別の私立病院を試してみようか、どうしようか迷った挙句、夕方7時ごろになって、2人で同じスアンドーク病院の救急へ行ってみることにしました。結果からいうと、最初からそうすればよかったのです。

救急病棟に車をつけ、妻を降ろした後、私は病院の周辺で車を置ける場所を探しました。駐車できる場所をやっとの思いで見つけ、15分くらいして救急病棟に駆けつけると、そこはテレビドラマのERさながらの修羅場が展開していました。多くは交通事故か何かでしょうか。私が入口付近で妻の携帯に電話していると、看護婦さんがやってきて「どうしましたか?交通事故の方のご家族ですか?」と話しかけてきました。(多分、そう言ったんだと思います)

私は「妻がお腹が痛くて、ここに先ほどは入ったはずです」と、かろうじでタイ語で答えました。「それなら、ここにはいないと思いますよ。別のところです。」(多分、そう言ったんだと思います)そうしたやりとりをしていると、妻がその場に現れ、別の病棟に私を連れて行ってくれました。そこは重症者ではなく、普通の急患を診る場所でした。

スアンドーク病院の夜間救急は思ったほどは混んでいませんでした。妻は待ち時間もほとんどなくすでに尿検査と血液の検査を済ませていました。それから30分ほどでやはり急性膀胱炎の可能性が高いと言われ、抗生物質の点滴を3日間受けることになりました。

やはり公立病院は安いです。3日連続の抗生剤点滴なら、もし私立のラム病院だったら軽く1万バーツを超えるはずです。それが、自費診療なのにここではたったの530バーツでした。家での服薬分を含め、3日分のお薬を薬剤部門で買い、それを自分で診察の所へ持って行って、看護婦さんに点滴してもらうのです。だいたいタイの病院の救急部門では、私立も公立もこういう診療のやり方をしているようです。

妻は左腕の静脈がものすごく細く、しかも何度も抗がん剤の点滴を受けてきたので、点滴の針を刺すのは容易ではありません。この日も看護婦さんが4人、入れ替わり立ち代わり挑戦しましたが、なかなか成功しません。40分くらい経過して、最後に別の病棟から呼ばれたらしいベテランの看護婦さんが点滴針の挿入を成功させました。針を入れるのに45分、点滴自体は30分でした。

その間、私は妻の様子を見ながら、夜間救急にやってくる人々や看護婦さんの働きぶりを観察しました。私立のラム病院でも思ったのですが、タイの看護婦さんはよくニコニコと患者さんに接してくれます。日本もそうですが、とても働きものですね。一方、患者さんはラム病院とは随分異なるようです。まず外国人と思われる人は見かけませんでしたし、こちらは比較的若い患者さんが多いように思いました。

こうして昨日妻は一日スアンドーク病院と付き合ったのですが、実は今日も朝からお母さんと一緒に病院へ行きました。例の乳がんの先生が診てくれるからです。そしてそのあと、昨夜の夜間救急部門へ行って、抗生剤の点滴をまた受けます。

私は本当に久しぶりに昼間一人家ですごしたあと、子供たちを学校へ迎えに行き、今は妻がすべての用件を終えて「迎えに来て」という電話がかかってくるのを待っています。もうすぐ7時ですが、まだその気配はありません。

子供の学校と妻の病院、当分はこの2つが私の仕事になっているのです。それにこのブログもありますね(笑)。

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