今日は、チェンマイ大学病院のがんの専門医が集まって患者の治療方針を検討するミーティングがありました。毎週月曜日の午後に開かれているのです。妻はこのミーティングにこれまで2回出ました。今日は2年ぶりです。老若男女合わせて20人ほどの医師たちが妻のこれまでの経過を確認し、どう対処するかを考えてくれました。
治療方針を検討すると言っても、現在の妻の場合は明らかな転移が認められるので、意見が分かれることはありません。数人の医師たちが代わるがわる妻の右の腋を手で触ってシコリを確かめました。
40歳くらいと思われる女医さんが、ピンポイントの放射線治療をやりましょうと提案しました。これにはリスクも伴うので、妻の意向を確かめました。妻はこれまで2回の放射線治療を受けています。シコリのある右腋の下にも相当量の放射線を当てています。放射線照射は皮膚にダメージがあるので、妻に我慢できるかどうか聞いたのです。ちょっと危険かなという気もしたので、それをやる必要性がどれくらいあるか聞きました。そうしたら、放射線を当てて癌を小さくした方が抗がん剤も効きやすいという答えが返ってきました。
さっそく放射線治療の予約をしました。来年1月上旬、ちょうど1か月後に始めるというスケジュールになりました。そしてロビーで待っていたら、担当の老医師がやってきて「今日、抗がん剤を処方してあげます。今度は飲む薬です。一日2回、朝食後と夕食後に飲んでください。2週間飲んだら1週間休みます。」
これが今日処方された抗がん剤、ゼローダです。転移した乳がんなどに世界100か国以上で使われている薬です。日本の中外製薬の薬で、一日分が日本の薬価で言うと3000円くらいです。妻の場合は、タイの公的保険を使っていますので、タダです。
妻にとって3度目になる抗がん剤治療に選ばれたこの薬は、すごく延命効果が大きいという人と、効くかどうかよくわからない薬だという人がいて、相反する評価があるようです。私がインターネット等で調べた範囲では、とりあえずこの薬が今の妻には最有力候補だと確信していた薬です。もし別の抗がん剤を医師たちが選択すれば、私はこの薬にしてほしいと要望するつもりでいました。何と言っても飲み薬なので、これまでの抗がん剤のような激しい副作用からは逃れられるのではないか、というのが一番の理由です。妻も飲み薬と聞いて一安心したようです。
手術が適用にならない転移した乳がんは、まず完治することは望めません。慢性病としてうまく癌と付き合っていくより他にないのです。余命は、中央値という統計データはありますが、妻がどうなのかは神のみぞ知るです。妻は「あなたも大変だね~」と言って私に同情してくれています。全然、大変ではないですよ。
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無責任に傍観者がコメントすることは困難ですね~
毎日の父の介護を通じて感じることは 一喜一憂
毎日が 今日が入り口、今日が出口 です。
でも希望や願いは捨ててはいません。
ウサギさん 南国土佐からお祈りいたしています。
考えないようにしようとするのですが、隣で寝ている妻がもしいなくなったら(どうしたらいいの・・・)と、ついつい考えることがあります。
病気がなかった頃、喧嘩とかして、「こいつなんか早くいなくなれ」なんて思ったことが二度や三度・・・いや、もっとありました。またそう思えるようになりたいです。