ここのところ息子の出家のことばかり書いてきました。将来のことは分かりませんが、とりあえずは出家のエピソードは今日で終わりです。
今朝は8時からブアト(出家)の修了式が行われました。出家期間の満了の儀式は、すなわちネーン(未成年のお坊さん)から普通の子供に戻る還俗の儀式でもあります。
息子がお寺に入ったのは4月2日でした。その2日後に剃髪し、4月5日からお坊さんになりました。つまり正式の出家期間は2週間ということになります。全部で53人の子供たちが出家しましたが、途中で脱落した子が5人いて、今日の晴れの修了式を迎えたのは48人でした。そのうちの7人は、2週間の出家を終えても俗界に戻らず、そのままお寺に残ってさらに1年間の出家をすることになりました。
48人のネーンたちには、お寺の一番偉いお坊さん(管長さんというのでしょうか?)から修了証書と記念品が一人ずつ手渡されました。
息子です。ちょっと辛くて、ちょっと楽しい修行が終わった達成感が顔つきにも表れているような気もします。このあとネーンたちは別室で法衣を脱ぎ、白衣に着替えました。
お坊さんでいる間は、たとえ息子であっても女性は触ることができません。2週間ぶりにお母さんと密着です。
記念品はお財布でした(笑)。ちらっと見えてますが、さっそく自分で保管していたタンブンの500バーツを入れたみたいです。タンブンで受け取ったお金は本当は1500バーツくらいあったはずですが、一度盗まれているので、だいぶ減りました。でも、嫌な思い出はすっかり忘れたみたいです。
ところで、2週間のお坊さんとしての生活によって息子はどう変わったのか、先日の記事とはまったく矛盾することを書かなければなりません。というのは、お寺をあとにして車に乗り込んで息子と話したら、出家する前の息子と何も変わってなかったのです。ぶつぶつ言うは、いちいち親の言うことに逆らうは・・・
「あれっ?この前、具合が悪くなって一晩だけ家に帰ってきたときは、ものすごく丁寧な言葉使いだったじゃない?そんな生意気なものの言い方は一度もしてなかったよ。」すると息子はこう言い放ったのです。
「あれはねお父さん、あのときはお坊さんになってたから、そういう風にしてたんだよ。だって、外では相手が親でもそうしないとダメなんだ。でも、もう終わったんだから、これからは普通でいいんだよ。」
ありゃりゃりゃ、そういうことですか。でもお父さんにはわかってるのです。そう言いながらも、きっと得難い体験をしたのだろうと。考えてみれば、お坊さんを演じることができるなんて、しかも親をいたわる言葉が自然に口から出てくるなんて、とっても素晴らしいことです。確かに出家が終わったんだから、もう普通でいいのです・・・!?
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一連の出家ルポを読ませていただき、
何度も感動しました。
最後の落ちも素晴らしいですね。
ありがとうございました。
ではないでしょうかね~?
単純に甘えているだけのように感じますけど・・・・・・
2週間の修行で根本的改革や変化があるはずもなく
表面上は元の木阿弥でしょうが、2週間の修行で
彼に刻み込まれた体験は大きな財産と思います
少し宗法にかかわったことがありますがいわゆる
修行中に 内観 を体験しているはずと思います。
内観 とは自分が自分に問いかけて自問自答する
難しく言うと 自分を外から見つめなおすこと
を言いますが多少は会得したのではないでしょうか?
成長を長い目でみて 大きな楽しみにしましょう~
息子の出家のおかげで、タイのお寺とお坊さんがこれまでよりも近しいものに感じられるようになりました。
「お父さんも出家してみようかな」と今日息子に言ってみたら、「やめておいた方がいいよ。女に触れられないんだよ。ご飯を食べるときも音を出してはいけないんだよ。お父さんには無理だよ。もう年だし。日本だったら大丈夫かもしれないけど。」と言われました。
息子を出家させるのが最大のタンブンだそうですから、また機会があれば、今度は6か月くらいお寺送りするのもいいかもしれません。息子によると、母親が望めば、出家するのが嫌だという子供は少ないのだそうです。本当かどうか知りませんが。