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十五夜の月は真ん丸じゃない、7日が本当の満月だと人から言われて昨夜、十六夜を観月した。
意外と山頭火には月の句が多い。夜中にも、とぼとぼ歩いていることが常だった?のだろうか。その中で、
ほつと月がある東京に来てゐる
うしろから月のかげする水をわたる
この二つはぴったり体感したことがある。前の方はずいぶんと昔、勇んで一人でお上りをした若い頃。
後の方は天然のホタルを探し求めて、六甲の沢を歩き回っていた頃の体験。まだまだ遊歩がままならない時分、一人歩きは昼でも心細い。ましてや、しじまに取り囲まれる夜の一人歩きはそれはとても過酷なものだった。
それが何年かすると、けもの達の目が光る薮をこいだり、暗黒の滝を登ったりして、吉野山の奥掛けの修験者のような気分になったりしている。明々とした昼の小径にはない楽しみが、暗闇のほうぼうにあるゾと春夏秋冬、夜の山々を徘徊するようになった時期がある。
沢の飛び石に足をかけた時、己の影が流れに揺れているの見て「ん?」初めて気がつく。振り返って見上げる「あれ、もうあんなに満月が高くなっている」
うしろから月のかげする水をわたる 〔山頭火〕
■遊歩調査関連記事
遊歩資料館アーカイブ(2010年収録)に目次があります。
●新しいブログを作りました。ぜひ、お立ち寄りくださいませ。
十五夜の月は真ん丸じゃない、7日が本当の満月だと人から言われて昨夜、十六夜を観月した。
意外と山頭火には月の句が多い。夜中にも、とぼとぼ歩いていることが常だった?のだろうか。その中で、
ほつと月がある東京に来てゐる
うしろから月のかげする水をわたる
この二つはぴったり体感したことがある。前の方はずいぶんと昔、勇んで一人でお上りをした若い頃。
後の方は天然のホタルを探し求めて、六甲の沢を歩き回っていた頃の体験。まだまだ遊歩がままならない時分、一人歩きは昼でも心細い。ましてや、しじまに取り囲まれる夜の一人歩きはそれはとても過酷なものだった。
それが何年かすると、けもの達の目が光る薮をこいだり、暗黒の滝を登ったりして、吉野山の奥掛けの修験者のような気分になったりしている。明々とした昼の小径にはない楽しみが、暗闇のほうぼうにあるゾと春夏秋冬、夜の山々を徘徊するようになった時期がある。
沢の飛び石に足をかけた時、己の影が流れに揺れているの見て「ん?」初めて気がつく。振り返って見上げる「あれ、もうあんなに満月が高くなっている」
うしろから月のかげする水をわたる 〔山頭火〕
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キンドル出版にて、 山端ぼう:著「つたなき遊歩・ブラインドウォーカー」を出版いたしました。 遊歩大全をバイブルとして六甲山を巡り歩いた老いた遊歩人とブラインドサイト(盲視)という不思議な能力をもつ全盲の青年とが、巻き起こすミステリアスな物語です。六甲全山縦走から穂高縦走へ・・・ 続きは・・・ |
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