第三の青春-じろさん本舗

地域デザイン、エコツーリズム、山芋四方山話
田舎暮らし奮戦記! じろさん本舗プレゼンツ

十六夜と遊歩

2006年10月08日 | ■遊歩資料アーカイブ

十五夜の月は真ん丸じゃない、7日が本当の満月だと人から言われて昨夜、十六夜を観月した。
意外と山頭火には月の句が多い。夜中にも、とぼとぼ歩いていることが常だった?のだろうか。その中で、


 ほつと月がある東京に来てゐる
 うしろから月のかげする水をわたる


この二つはぴったり体感したことがある。前の方はずいぶんと昔、勇んで一人でお上りをした若い頃。
後の方は天然のホタルを探し求めて、六甲の沢を歩き回っていた頃の体験。まだまだ遊歩がままならない時分、一人歩きは昼でも心細い。ましてや、しじまに取り囲まれる夜の一人歩きはそれはとても過酷なものだった。
それが何年かすると、けもの達の目が光る薮をこいだり、暗黒の滝を登ったりして、吉野山の奥掛けの修験者のような気分になったりしている。明々とした昼の小径にはない楽しみが、暗闇のほうぼうにあるゾと春夏秋冬、夜の山々を徘徊するようになった時期がある。

沢の飛び石に足をかけた時、己の影が流れに揺れているの見て「ん?」初めて気がつく。振り返って見上げる「あれ、もうあんなに満月が高くなっている」


 うしろから月のかげする水をわたる 〔山頭火〕


■遊歩調査関連記事
 遊歩資料館アーカイブ(2010年収録)に目次があります。









お知らせ

キンドル出版にて、
山端ぼう:著つたなき遊歩・ブラインドウォーカー」を出版いたしました。

遊歩大全をバイブルとして六甲山を巡り歩いた老いた遊歩人とブラインドサイト(盲視)という不思議な能力をもつ全盲の青年とが、巻き起こすミステリアスな物語です。六甲全山縦走から穂高縦走へ・・・
続きは・・・


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登山(アルピニズム)と遊歩

2006年10月07日 | ■遊歩資料アーカイブ

いつの間にかあっという間に咲いて、いつの間にかにいなくなってしまう。
稲刈りの季節、畑の周辺にはいつものように彼岸花が咲いています。ちょっと不吉なイメージが漂うこの花になぜか馴染めません。
スローライフ奮戦記はさておき、少しずつ「遊歩のススメ」も掲載していこうと思います。

 【遊歩のススメ】No.01

スポーツ登山というものが近代ヨーロッパ市民層に芽生えるまでは、古くは宗教的な儀式・修行か、または交易や獲物を求めて険しい山に登ることしか登山の目的はなかったと思われます。『アルピニズム』も近代の産物です。かつて、登山はスポーツというより『冒険』そのもので、より高く、より険しいピーク、未踏の頂きを目指すようになりました。その為に高度な技術や厳しい訓練、ルール、チームワークなどを習得しなければなりません。
『アルピニズム』はあくまでも頂上をきわめることを目標としがちで、その目的に向かって技術や方法が集約される場合が多くなります。「歩き」と「フィールド」の関係でいえば、圧倒的に「フィールド」の方が苛酷な状況になっており、その場合「歩く」という行為は「登る」(または下る)という言葉に置き換えられ、その一歩一歩が頂上を獲得するための手段となりがちで、制約された「歩き」に縛られることが多くなります。
遊歩では山頂や目標地点に辿り着くことだけが目的ではなく、「歩き」の一歩一歩がどれだけ自分らしくあるか、自由であるか、という問いかけを大事にします。極論すれば、今、踏み出した一歩そのものが全目的だとも言えます。


散歩、レジャー、スポーツ、登山、そして冒険、遍歴、宗教、はたまたアートへも!「遊歩」はどんどんと姿を移し(映し)ていきます。ご期待下さい。

 歩きつづける彼岸花咲きつづける 〔山頭火〕


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 遊歩資料館アーカイブ(2010年収録)に目次があります。









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