2022 9/23 JRA馬事公苑宇都宮 馬に親しむ日
馬術競技は人と生き物である馬とが一体となって競技を行うスポーツで、オリンピックでは男性と女性が同じステージで戦う唯一の種目です。また、幅広い年齢層の選手が活躍している種目でもあります。それはどうしてでしょうか?
馬術競技においては、運動するエネルギーは馬の役割で、そのためのリズムとバランスを与えるのが選手の役割です。選手は経験を重ねるごとにその感覚を研ぎ澄まし、より緻密な扶助(馬への合図)を出せるようになります。ですから、他のスポーツにおいてはトップアスリートとして活躍できる年齢を過ぎても、馬術競技では馬が体力面をカバーしてくれるため、第一線で活動を続けている選手が多いのです。同様に、体力面では男性にかなわない女性であっても、馬との信頼関係を築き、馬に正しく指示することができれば、互角に勝負することができるというわけです。
クロスカントリー競技は、自然に近い状態の地形に竹柵、生垣、池、水濠、乾壕などのボリュームのある障害物が設置されます。世界のトップレベルの大会では、コースの長さは6km以上にもなり、飛越する障害物は40を超えます。そのハードなコースを分速570m(時速34.2km)のスピードで駆け抜ける様子は迫力満点です。また、ロングルートが設けられている障害もあります。これはダイレクトルートよりも容易に通過しやすくつくられますが、その分走行距離が長くなるため、タイムに影響するものです。選手は騎乗馬の能力に応じて、拒止・逃避のリスク(減点20)を覚悟してダイレクトルートを行くのか、あるいは時間はかかっても安全策をとるかの選択をしなければなりません。
馬場馬術競技とは
20m×60mの長方形の競技アリーナ内で行う演技の正確さや美しさを競う競技で、《常歩(なみあし)》、《速歩(はやあし)》、《駈歩(かけあし)》という3種類の歩き方を基本に、様々なステップを踏んだり、図形を描いたりするものです。演技内容がすべて決められている規定演技と、決められた運動(エレメンツ)を取り入れて演技を構成し、音楽をつけて行う自由演技があります。アリーナの周りには、アルファベットが書かれた標記(マーカー)が置かれており、それぞれの運動の始まりや終わりの地点が、その標記によって指示されます。
馬の調教進度によってクラスが分かれており、オリンピックなどのトップレベルの大会では《グランプリ》と呼ばれるクラスの競技が行われています。左右の肢を交差させるハーフパス、一歩ごとに肢を高く上げて前に進むパッサージュ、まるでその場で足踏みをしているかのようなピアッフェ、後ろの肢を中心としてその場で回転するピルーエット、そして、一歩ごとに左右の肢を入れ替えながら駈歩をする歩毎(ほごと)のフライングチェンジなど、まるでダンスを踊っているかのような演技が披露されます。選手はなるべく小さく、観客からはわからないように馬に合図を送り、馬がそれに応えて正確かつ雄大で華麗な動きをする、まさに人馬一体の演技が馬場馬術の真髄です。そのような演技を披露するためには、馬とのコミュニケーションがとても大切です。毎日のトレーニングでお互いの約束事をきちんと確立していくことで、馬が自ら楽しんでステップを踏んでいるような演技をつくりだすことができるのです。
障害馬術競技
障害馬術競技は、競技アリーナに設置された様々な色や形の障害物を、決められた順番通りに飛越、走行するもので、障害物の落下や不従順などのミスなく、早くゴールすることが求められます。障害物の大きさは、オリンピックなどのトップレベルの大会では、高さは160cm、幅(奥行き)は200cmを超えるものもあり、選手の技術と馬の能力、さらにそのコンビネーションが揃ってこそ、迫力と華麗さを兼ね備えた走行や飛越をみせることができるのです。
障害馬術の競技スタイルは多様ですが、ここでは基本的なスタイルの競技ルールを紹介します。大きく分けると、障害物の落下が減点となる《標準競技》と、落下をタイムに換算する《スピード&ハンディネス》とがあります。標準競技では減点が少ない人馬が上位となり、最小減点が複数いる場合には、その中で最もタイムの早い人馬が優勝するという方法と、ジャンプオフと呼ばれる優勝決定戦を行う方法とがあります。スピード&ハンディネスでは落下による過失をタイムに換算して、実際の走行タイム(スタートラインからゴールラインまでにかかったタイム)に加えたタイムが早い人馬が上位となります。
なお、《失権》とはそれ以降は走行を続けてはいけない状況のことで、審判員がそれを告げるベルを鳴らします。
馬術競技は人と生き物である馬とが一体となって競技を行うスポーツで、オリンピックでは男性と女性が同じステージで戦う唯一の種目です。また、幅広い年齢層の選手が活躍している種目でもあります。それはどうしてでしょうか?
馬術競技においては、運動するエネルギーは馬の役割で、そのためのリズムとバランスを与えるのが選手の役割です。選手は経験を重ねるごとにその感覚を研ぎ澄まし、より緻密な扶助(馬への合図)を出せるようになります。ですから、他のスポーツにおいてはトップアスリートとして活躍できる年齢を過ぎても、馬術競技では馬が体力面をカバーしてくれるため、第一線で活動を続けている選手が多いのです。同様に、体力面では男性にかなわない女性であっても、馬との信頼関係を築き、馬に正しく指示することができれば、互角に勝負することができるというわけです。
クロスカントリー競技は、自然に近い状態の地形に竹柵、生垣、池、水濠、乾壕などのボリュームのある障害物が設置されます。世界のトップレベルの大会では、コースの長さは6km以上にもなり、飛越する障害物は40を超えます。そのハードなコースを分速570m(時速34.2km)のスピードで駆け抜ける様子は迫力満点です。また、ロングルートが設けられている障害もあります。これはダイレクトルートよりも容易に通過しやすくつくられますが、その分走行距離が長くなるため、タイムに影響するものです。選手は騎乗馬の能力に応じて、拒止・逃避のリスク(減点20)を覚悟してダイレクトルートを行くのか、あるいは時間はかかっても安全策をとるかの選択をしなければなりません。
馬場馬術競技とは
20m×60mの長方形の競技アリーナ内で行う演技の正確さや美しさを競う競技で、《常歩(なみあし)》、《速歩(はやあし)》、《駈歩(かけあし)》という3種類の歩き方を基本に、様々なステップを踏んだり、図形を描いたりするものです。演技内容がすべて決められている規定演技と、決められた運動(エレメンツ)を取り入れて演技を構成し、音楽をつけて行う自由演技があります。アリーナの周りには、アルファベットが書かれた標記(マーカー)が置かれており、それぞれの運動の始まりや終わりの地点が、その標記によって指示されます。
馬の調教進度によってクラスが分かれており、オリンピックなどのトップレベルの大会では《グランプリ》と呼ばれるクラスの競技が行われています。左右の肢を交差させるハーフパス、一歩ごとに肢を高く上げて前に進むパッサージュ、まるでその場で足踏みをしているかのようなピアッフェ、後ろの肢を中心としてその場で回転するピルーエット、そして、一歩ごとに左右の肢を入れ替えながら駈歩をする歩毎(ほごと)のフライングチェンジなど、まるでダンスを踊っているかのような演技が披露されます。選手はなるべく小さく、観客からはわからないように馬に合図を送り、馬がそれに応えて正確かつ雄大で華麗な動きをする、まさに人馬一体の演技が馬場馬術の真髄です。そのような演技を披露するためには、馬とのコミュニケーションがとても大切です。毎日のトレーニングでお互いの約束事をきちんと確立していくことで、馬が自ら楽しんでステップを踏んでいるような演技をつくりだすことができるのです。
障害馬術競技
障害馬術競技は、競技アリーナに設置された様々な色や形の障害物を、決められた順番通りに飛越、走行するもので、障害物の落下や不従順などのミスなく、早くゴールすることが求められます。障害物の大きさは、オリンピックなどのトップレベルの大会では、高さは160cm、幅(奥行き)は200cmを超えるものもあり、選手の技術と馬の能力、さらにそのコンビネーションが揃ってこそ、迫力と華麗さを兼ね備えた走行や飛越をみせることができるのです。
障害馬術の競技スタイルは多様ですが、ここでは基本的なスタイルの競技ルールを紹介します。大きく分けると、障害物の落下が減点となる《標準競技》と、落下をタイムに換算する《スピード&ハンディネス》とがあります。標準競技では減点が少ない人馬が上位となり、最小減点が複数いる場合には、その中で最もタイムの早い人馬が優勝するという方法と、ジャンプオフと呼ばれる優勝決定戦を行う方法とがあります。スピード&ハンディネスでは落下による過失をタイムに換算して、実際の走行タイム(スタートラインからゴールラインまでにかかったタイム)に加えたタイムが早い人馬が上位となります。
なお、《失権》とはそれ以降は走行を続けてはいけない状況のことで、審判員がそれを告げるベルを鳴らします。
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