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パレスチナを「オブザーバー国家」に 賛成多数で決議採択 国連総会
2012年11月30日 08:54 発信地:国連本部/米国
【11月30日 AFP】
国連(UN)総会は29日(日本時間30日朝)、
パレスチナの国連での地位を「オブザーバー国家」へ格上げする決議を、
賛成138か国、反対9か国、棄権41か国
の圧倒的な賛成多数で採択した。
米国とイスラエルが強く反対していたなかでの採択は、マフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長にとって大きな成果となった。
決議案が採決されたことにより、パレスチナはこれまでの「オブザーバー機構」からバチカン市国と同じ「オブザーバー国家」になる。これは正式な国連加盟国ではないものの、国連機関への加盟が可能になるほか、国際刑事裁判所(ICC)加盟への可能性も開ける。
演説でパレスチナに「出生証明書」を与えて欲しいと訴えたアッバス議長は、決議案の採択後にパレスチナの外相と抱き合って喜び、何度もスタンディング・オベーションを受けた。パレスチナ指導部は今回の「歴史的な」採択をてこに、イスラエルが入植地建設を強行したために2010年9月から凍結されているパレスチナとイスラエルの直接交渉を進めたい考えだ。
スーザン・ライス(Susan Rice)米国連大使は、決議の採択はパレスチナとイスラエルの直接交渉再開にはつながらず、和平への障害になるとして採択を非難した。アッバス議長は2011年9月にパレスチナの国連への正式加盟を申請したが、米国が反対して正式加盟への動きを阻止していた。
(c)AFP
「国家」格上げに歓喜する人々、パレスチナ自治区
パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)のラマラ(Ramallah)では29日夜、広場に設置された巨大スクリーンの前に人びとが集まり、国連(UN)でのパレスチナの地位を「オブザーバー国家」へ格上げする国連総会決議の採択の行方を固唾をのんで見守った。
決議が圧倒的多数で採択されたことが発表されると、それまでしんと静まりかえっていた広場では喜びが爆発。花火が打ち上がり音楽が鳴り響く中、人びとは「神は偉大なり」と口々に叫んだり空に向けて銃を撃つなどして「国家」格上げを祝った(2012年11月29日撮影)。(c)AFP/ABBAS MOMANI