Especiaの集大成の観賞&とめどない愛情に満ちた生誕祭へ列席。
ディスコ/ブギー、ファンク、AOR、シティポップ、ヴェイパーウェイヴなどの要素を採り入れたサウンドと80年代を意識したファッションなどを軸としながら、単なる焼き直しではない先進性に溢れるサウンドとの融合で独創的な存在感を発揮していたガールズ・グループ“Especia”。2017年3月末に惜しまれながら解散したが、10月31日に突然オフィシャルのSNSから告知があり、そのラストツアー〈Especia SPICE Tour〉のファイナルとなる新宿公演の映像を期間限定(11月1日~30日)のフリーダウンロードで公開。現在はダウンロード不可となっているが、彼女らの集大成となったステージがようやくぺシスト&ペシスタ(Especiaのファン)の目に触れられることとなった。
Especia, Last Gig."SPICE TOUR"DL Free, Gracias.(2017.11.01~2017.11.30 Only)https://t.co/GcF2JJJ8Be
— Especia (@EspeciaOfficial) 2017年10月31日
冨永悠香、森絵莉加、ミア・ナシメントの3名が、2012年6月の結成から“トライポッド”となったEspecia“第2章”までを総括する充実のステージ。場数を踏んで自信とリーダーシップを深めていった冨永、第1章での末っ子キャラから瞬く間に女っぷりを上げた森、短期間で若さならではの吸収力と成長曲線を見せたミアが思いの丈を存分にぶつけたパフォーマンスが、フィジカルリリースとしては叶わなかったが、今後多くの人の目に留まる可能性を残したことは、率直に喜ばしい限りだ。
その新宿BLAZEでのファイナル公演の映像の上映会と11月4日に22歳の誕生日を迎えたメンバーの森絵莉加の“本人不在”の生誕祭を兼ねたぺシスト&ペシスタ有志の集いが、東京・渋谷のレンタルスペース「モルディブ」にて開催。約10名のぺシスト&ペシスタの先輩方に末席を許され、僅かな時間であったが参加することが出来た。
部屋には“第1章”にて彼女のイメージカラーであったオレンジやイエローなどの暖色系のバルーンやフラッグ、壁一面にフォトが飾られ、当初よりファンに親しまれた太陽やひまわりのような明るいキャラクターを想起させるパーティフロアに変貌。画面に映し出されるライヴの映像についてオーディオコメンタリーのように語ったり、ライヴ当時さながらの“ケチャ”やコールをしてみたりと、その映像にそれぞれの思いを投げかける場面もあり、ここに集ったファンたちの“Especia愛”“森絵莉加愛”を見て取ることが出来た。
第1章ではグループ最年少の末っ子としての奔放キャラで愛されていたが、メインヴォーカルを託されるようになり、グループ一番の成長株としてステージを賑わせた森絵莉加。メンバー卒業および加入し“トライポッド”としてリスタートした第2章始動当初はメインパートが激減したものの、次第に表現力を向上させながらメインパートが増え、ラスト・アルバム『Wizard』ではグループの代表曲の一つである「ナイトライダー」をほぼソロで披露するまでに成長。当初はシュッとした歯切れ良くしなやかな曲線美を携えたダンスで目立っていたが、ラストステージではフェイクも飛び出すなど歌い手としても加速度を増していっただけに、本当に冨永、森、ミアのトライアングルでの終焉は残念で仕方がない。
そんな思いを馳せながら、約7ヵ月前の晴れ舞台をぺシスト&ペシスタの中での観賞。森絵莉加自身は芸能活動へ終止符を打ったようだが、その歌声や艶やかさを帯びた所作などを振り返ることが可能な映像を提供してくれたEspecia運営の英断には感謝したい。ただ、その映像を観るにつけ、成長と充実が漲るステージングが伝わってくる反面、その高みの過程でなぜグループの歩みを止めなければならなかったのかという口惜しさも沸いてくるのがもどかしい。
これまでほぼ一人でEspeciaのライヴを観賞し、単に個人日記的にそのレポートをブログにアップしていただけだったが、ひょんなことからぺシスト&ペシスタの方から声を掛けてもらい、Especiaの活動終盤には少ないながらも交流の輪に加えてもらった結果、この日の末席を許された次第。ファンとしての偽らざる愛情を目の当たりにした、有意義で貴重な一夜となった。
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以上です、キャップ。